表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代にダンジョンが出現しました!(要素:武力)  作者: 武匠
とりあえず準備編
15/43

普通?の日々は早く感じた(過去形)

 

 竜の血を飲んで大体三週間が経った。今俺はテレビを見て少し驚いている。理由はダンジョン出現の報道だ。昨日ダンジョンを出現させると04から聞いたのだ。「囚われない扉」で召喚獣を日本の現れるダンジョンの場所に向かわせ、自分は攻略を進めて休息ポイントに行って転移して帰ったところだ。

 ダンジョン出現に伴い、全世界で地震が発生。そして震源地に行けばダンジョンと英語で書かれた門があったのだ。そして自衛隊や軍が動いてモンスターと交戦、本当にゲームの様なダンジョンだと判明したのだ。召喚獣曰く、どこぞの大国が死刑囚を殺して実際に死亡する事を理解した様だ。

 だがその際第一層のボスと相打ち。一緒にいた軍人がDRカードを入手し、mission clearと出て上も下もてんやわんや。ついでにその情報が漏れて大国がこぞって特殊部隊を編成中らしい。まあゴブリンとコボルトは銃で殺せるだろうが、それ以上は…どうなっていくんだか。


「サモン:ムニン」


 ダンジョンの場所にこっそりと侵入させていた召喚獣のフギンを召喚する。虹の宝箱から入手した召喚獣だ。名前はそのまま「フギンとムニン」だった。仮契約はその場で、主従契約は戦闘で行える。まあ即戦って主従契約を結んだが。


『何かようか?』

「結果はどんな感じだ?」

『上々と言ったところか。現在三十五層に到着したが、やはり(あるじ)専用のダンジョンとは桁違いに簡単だ』

「お前が難しいなんて言ったらどんなレベルか想像できんぞ」


 フギンとムニンはコンビで戦えばこそ、俺とも渡り合えるほどに強い。だからこそムニンが難しいなんて言ったら単なる武装軍人なぞ死にまくる。ちなみに今ダンジョンが発生して突入したタイムは五時間だ。難易度がどれくらいかわからないが、その短時間で三十五層も進んだ点を見ても、その強さは窺えるだろう。

 だが(カラス)故か、それとも神獣故か、感性がちょっと違う。


『ああ。だが一つフギンから面白い考察と結果が出た』

「お前たちが面白いと言うのは、大抵良くない事なんだが…なんだ?」

『隣国が軍人以外の徴収を受けるのが早まりそうで、最も魔物放出の被害者が出るだろうとの事だ。そして結果については、もめに揉めているから魔物放出の時期が変わる。との事だ』


 魔物放出(スタンピード)。条件は一定の者のみが利益を享受している場合と、一定の()()()死者が出た場合に発生する魔物の地球人に対する攻撃。あくまでもターゲットは人で、動物はなるべくターゲットにされない。

 フギンが言う面白い考察とは、一般人が、つまりは弱者の死者が多く出る事で魔物放出が早まるだろうって事。結果は各国の首脳陣が利益を独占しようと企んでいるって意味か。


「…はあ、ダンジョンの思う壷かよ」

『であろうな。ふふふ、人間はやはり度し難い』

「それ俺に言う?」

『主は()人間であろう?ならば問題無い』

「はあ。分かった。で、お前は資料作ったのか?」

『無論、これだ。ではまた攻略に戻るぞ?』

「はいはい、いってらっしゃい」


 そしてムニンの作成した資料に目を通す。


『日の本のダンジョン 場所:東京渋谷駅前の大通り


 十メートル四方の洞窟が続く。リポップは死亡から三分ぴったり。ドロップは魔石(小)が十層まで。魔石(中)が今も続く。魔道具は全ての階層ボスに低確率で落ちる。種類に規則性は無い。


 一層、ロー・ゴブリンのみ。備考、基本単体での遭遇。ボスはロー・ゴブリン五体。低確率で銀のインゴットをドロップ。

 二層、ロー・コボルトのみ。備考、一層と似た内容

 三層、レッサーウルフのみ。備考、一層と似た内容。

 四層、ソフトウッドゴーレムのみ。備考、一層と似た内容。

 五層、ゴブリンのみ。備考、二体一組での遭遇。ボスはゴブリン五体。低確率でドロップ品として金のインゴットを落とす。

 六層、コボルトのみ。備考、五層と似た内容。

 七層、ウルフのみ。備考、五層と似た内容。

 八層、ウッドゴーレムのみ。備考、ボスは三体。

 九層、アタックラビットのみ。備考、銃弾単発程度ならほぼ当たらない。ボスは十体。

 十層、ゴブリンとコボルトの混成。備考全敵が武器に剣を持つが、ソードマンでは無い。ゴブリンソードマンとコボルトソードマンにゴブリン二十体、コボルト二十体。確定で中身一緒の宝箱、中身は発電の魔道具作成の刻印(一回分)。

 十一層、スライムのみ。備考、銃弾無効、高熱無効、毒無効。爆弾を接触する瞬間に爆破させれば倒せる。ボスは十体が上から降ってくる。魔法に異常に弱い。

 十二層、ストーンゴーレムのみ。備考、石を溶かすレベルの炎ならワンチャンある程度。他の携帯兵器だとダイナマイト五本程度。ダンジョン産の剣(劣化1)で簡単に切れる。

 十三層、ゴブリンソードマンとゴブリン出現、ボスはゴブリンリーダー一体とゴブリンソードマン四体。備考、ダンジョン産の武器以外が持ち込み不可になっていた。

 十四層、コボルトソードマンとコボルト出現、ボスはコボルトリーダー一体とコボルトソードマン四体。備考、ドロップ品に剣術のスキルオーブが一個だけ出た。


 ※どれくらい必死になれるかが重要。ステータス面だけならここに来るまでの全敵を五回くらい倒していれば倒せる。

 十五層、オークが出現、ボスはオーク五体。備考、肉が美味しかったです。あと一人確定で火魔法獲得。


 ※ここからは特殊部隊の十倍程度のステータスでノーマルな雑魚敵が一体ギリギリで倒せると思う。

 十六層、スケルトンのみ。備考、火魔法の威力のみが通常の1.5倍程度に上がっていた。ボスはスケルトン三十体。

 十七層、スパイラルラビットとスライム出現、ボスはスパイラルラビットラン。備考、肉はボスのみ美味かった。

 十八層、ゴブリンソードマンとゴブリンリーダー出現、ボスはゴブリンジェネラル。備考、今までよりも筋力値が倍くらいあると思う。他のステータスは一緒くらい。

 十九層、コボルトソードマンとコボルトリーダー出現、ボスはコボルトジェネラル。備考、今までよりも器用値が倍くらいあると思う。他のステータスは一緒くらい。


 主の専用のダンジョンの十層くらいのステータスが要求される。特殊部隊の軍人と比べると二十倍くらい必要。ボス戦は練度と気力が無いと無理。

 二十層、ゴブリンキング一体、ゴブリンジェネラル二体、ゴブリンソードマン五体、ゴブリン三十体。備考、ここで突入時から地道に戦わせた烏(笑)の五羽中二羽が死亡。残り三羽が「三羽烏」に進化した。



 以下の階層の出現モンスターは場所によって違う様子。

 追伸、オーク肉が欲しい。』


「ったく、味を占めたな。まあ後で渡そう、世界中のダンジョンに入ってるんだから情報も確実だろう」


 フギンとムニンには世界中に自身の生み出したカラスを渡らせ、それらを使いダンジョン攻略と高精度な情報収集をしてもらっている。だがおもきに置いているのは各国の情報収集だ。カラス故にどこにでもいて、その生み出された時に得る能力故にバレにくい。まさに神話の様な存在だ。

 そしてダンジョン攻略はホムンクルスのメグミに行わせている。彼女は虹の宝箱から出たスキル「隔離工房」の場所で苦労や失敗を重ねて造った最高傑作だ。名前は成長するには「恵まれて」いるから、メグミだ。漢字表記にはしない。一体しかいないのでフギンとムニンの様に世界中とはいかないが、近くにできたダンジョンを攻略させている。


 ダンジョンは多くできたが全てを確認はできておらず、その総数のみが報されている。missionで。全人類にステータス制とミッション制が出てきた時に、

『mission step1

 条件:ダンジョンに入る。

 報酬:ステータスとスキルが見れる様になる』

『mission step2

 条件:ダンジョンの第一層をクリアする。

 報酬:DRカードの入手、職業の取得』

『mission step3

 条件:ダンジョン突入後にスキルを得る。

 報酬:適性とステータスの基礎知識』

『mission step4

 条件:全人類が魔道具を扱う。

 報酬:下位スキルをランダムで入手』

『mission step last!

 条件:全人類で世界中に出現したダンジョン249個を発見する。

 報酬:ダンジョンの基礎知識』

 と出てきた。まあ俺はラスト二つはクリアする気が無いので頑張って欲しい。ちなみにこの通知は脳に直接展開された。全くもって原理がわからないが。

 さて、ここまで聞くと魔道具は何か?という疑問が出てくる。答えは「魔石」を使い「誰でも」「同じ結果」を出す道具のことだ。化学の様な定義だが、魔石を動力源としている事以外は同じだ。ちなみに俺は魔道具をほとんど持ってない。必要無いからな。


「さて、俺もダンジョンに入るか。ん?ミッションか」

『special mission!!

 ◯✖️ダンジョンから約三十時間後に警告と共にモンスターが大量放出される。現地に行きモンスターを狩れ。

 条件:◯✖️ダンジョンから魔物放出された魔物を狩る。(0/1000)

 報酬:倒した数によって変動する宝箱』

「え〜、面倒くさい。そもそも自国じゃ無い上にこの騒動の中どうやって移動しろってんだよ。報酬もこれじゃ要らないし」


 お隣の国がやらかした様だ。フギンの考察が当たったな。◯✖️ダンジョンはお隣の国に出現したもので、国のネットを神眼で覗けば大規模に第一次募集の文字が書かれていた。締め切りが二十時間、条件は無し。強いて言えば時間以内に◯✖️ダンジョンに間に合うかってところか。

 隣国といえば仙人だが、ふむふむ。参加しないっぽいな。じゃあ俺も無しにしよう。


「さて、ダンジョン攻略。今日は九十層からスタートだな!」


 Another side


 どうもグランドマスター候補は二人とも不参加を決める様だな。しかしそれも当然か。報酬が明記されていない上にモチベーションが関係する事が無い。

 片方は既に楽しく生きるために必要な物は揃い始めている。故に生産に力を入れて時々ダンジョンに入る程度。ダンジョン攻略は材料集めとして割り切っている。戦闘能力はそこそこで止まってるが、知識面で我々にいずれ達するだろう。

 もう片方は純粋に強くなるため。中々に数奇な運命なためかどんどん強くなっている。こっそりとダンジョンのレベルを上げてなければ150層は堅いだろう。そして魔物放出で出てくる魔物はとてもじゃないが彼を強いステージには連れて行ってくれないだろう。そんな存在がいたら世界が壊れるだろうが。

 今度からは報酬を分けた方がいいな。


「さて、ではこれを利用して異界と混ぜるか」


 私は「世界」の認識の隙を突いてダンジョンを出現させた。そしてもう「世界」の認識ではダンジョンは体の一部だ。異界と混ぜるという行為は、「世界」にとって耳にピアスの穴を開ける事と大差ない。

 ただし、問題はやはり人間か。…いやこの際だ。兵器の運用を不可能なゾーンにすれば良いか?…違うな、範囲内では剣と魔法のみに設定して、核融合反応はできない…いや魔法そのものを限定した者のみに使える様に世界ごと改変すればいいか。


 そうして私は世界で(・)遊ぶために意識をのめり込ませる。


 Another side END



 ダンジョン攻略を再開すると決まれば装備を整えなければならない。だがここ最近の装備は色々あり名前などなど色々変わった。一番変わった事と言えば見た目か。俺自身もより厨二病チックに変わってしまった。

 悲しい事に元々メイクをすれば女の子と見間違えられる様な容姿だったのだが、今は男前に!なっていない。むしろ、より綺麗な女の子らしくなってしまった。髪の長さが肩が完全に隠れるほどで固定され、端正な顔立ちになり、筋肉は細いまま。身長体重は変化無し、眼が紅色になった。ああ、イチモツは大きいままなのが救いだ。

 もう「風神の下着」つけようかな〜とすら思う容姿に、身に纏うは数々の貴重なアイテム。

「仁王の下着」「古災龍の長袖」「古災龍の長ズボン」「古災龍の足袋」「古災龍の帯剣用帯」「ARと魔法の眼鏡」「龍紋の髪飾り」を普段着代わりに来ている。

「召喚の腕輪」「本の指輪」「竜鱗の盾」「至上礼装・纏域」「呪いのペンダント」が装備解除不可の物。

「古災龍の草鞋」「影狼(かげろう)の影籠手」「影狼の血当て(脛当て)」「呪言のマフラー」そして進化した「暗黒龍の紋章付きコート」と「禁紋の手袋」、「纏刃(てんじん)の進化刀」がダンジョン攻略の基礎装備。

 持っていく物は「マジックバック(無制限)」の中に色々入れる。中身をチェックして、



「よし!いざダンジョン!」


 十五層の入り口からスタートして終了。そのまま休息ポイントから90層のボスから再スタートだ。


 ここの九十層のボスは中々に強く、苦戦した覚えがある。と言ってもクリアしてからまだ二時間も経っていないけど。


「さっきぶりだな、天竜」


 空を飛ぶ竜がそこにはいた。縦長のボス部屋には壁のところどころに足場があり、そこから攻撃が基本なのだろうが、俺は俺の作った結界を足場にして戦う。


「グルアァアア!!!」

「斬る!」


 咆哮によって動きを止めるのは竜に限らずボスの特権とも言える。その咆哮を抜刀術で斬り、刀を構える。そして刀と体を一緒に縦に回りながら瞬間移動とも見えるだろう速度で移動する。


「韋駄天・回転斬り」


 狙うは首だが障壁を三枚斬るだけで終わり、本体には届かない。即座に天竜の残った障壁を蹴り砕き後ろに退避する。そして一瞬前まで俺が居た場所を正確で豪快に通り過ぎる尻尾、その尾に刀を刺す!


「纏域!竜鱗!纏刃!!」


 纏域の攻撃で障壁を二枚割り、竜鱗でさらに二枚、刀でフィニッシュ。障壁を全て破られた上で刺された刀は、尻尾で攻撃するはずだった威力をそのままに尻尾を切り裂いていく。


「む!?」


 このまま尾の付け根まで斬ってやろうと思ったが嫌な予感がしたので上に退避。三つあった尾のうち一つは今し方切り裂かれたので暫くは回復できない。そして先に一本切り裂いていた場所に向かった尾が一本。今俺を襲いかかっているのでラスト。


「斬る。刃断(はだん)


 向かって来ていた尾を逸らし、刃の向きを少し変えて自分の筋力と相手の攻撃力で尾を断った。そして自由落下に身を任せて刀を下に向けて、


(まとい)・氣力」


 心臓部を貫いた。無論この程度で死ぬのは天竜とは言えない。なので手をついて行うは、トドメ。


「貫け、影穿(えいせん)


 刺した胸を影が伝い、吼えたかの様に感じて…天竜の胸に穴を空けた。


 力なく墜ちていく竜は完全に死んでいる。結界を張って足場を作り最初に立っていた場所に降り立つと同時に竜が地面に激突して光となりドロップ品と化した。


「やっぱり恥ずかしいな。誰もいないからまだ良いけど、誰かいたら悶絶ものだな」


 多くのドロップ品を回収しながら呟く。そう、ただ名を言っていた訳ではなく「呪言のマフラー」の効果で、技名や道具の名を言うとその威力や効果が上がるのだ。別に名を言わずとも良いのだが、約1.5倍も変わるとなると余裕がある時はなるべく言うようにしてるのだ。

 余裕があると言っても死にそうな時は言えないのと、雑魚敵にいちいち言っていたら心が折れそうになる。格好だけでなく言動までも厨二っぽくなったら多分泣く。


「…さて、九十一層に行きますか!」


 気合いを入れて転移陣に乗るとそこは縦横十メートルはある洞窟だった。そして嬉しい事に竜が多くいたのだ。罠は無い。大した迷路にもなっていない。そして敵は気配的に土竜(もぐらじゃ無い下位竜種)だ。

 土竜の特性として縄張り意識が強く、金属が好きなので巣に溜め、空を飛べない代わりにマグマを泳げ、身体のどこにも弱点らしい弱点が無い事があげられる。これで攻撃力が低ければ良いのだが、現実は非情だ。


 ーゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ、ドゴォン

「ギュアアァアア!!」

「派手な登場だ事。逃げずに戦うからな?お前はどのくらいお前は硬い?」


 先ずはこれ以上何も言わずに居合い。ギィィンと音が鳴り、返す刃も弾かれる。直ぐに刀で斬るのは難しいと判断して仕舞う。竜が隙と見たのか腕を振り下ろしてくる。敢えて迎え撃つ。


 ードゴォン

「…ふむ、受け流しは成功。では次だ」


 竜の振り下ろし攻撃は氣と魔力を混ぜて強化した体で受け、その威力をそのまま地面に流す。地面は一メートルほど沈んだが、俺は無傷だ。

 そしてそのまま押し潰そうと体重を乗せ始めた土竜の腕を禁紋の手袋と影狼の影籠手の効果で掴み、ひっくり返す。土竜の腕と身体の重さの比率的にねじ切れると思ったがそうはいかなかった。自ら回る事で腕に乗せた体重を戻し直ぐに手を引っ込められた。

 流石にステータスが上がったからとは言え土竜と綱引きで勝てるわけでは無い。だが手を引っ込める時に合わせて自分から近寄る事は可能だ。引っ込める勢いと共にジャンプ、そのまま俺を見失った土竜の脳天をふみ砕く。


「ギュアアァァァ」

「チェックメイト。もう一回宝集めて出直しな」


 そして首を刎ねられ弱点を突かれた土竜は死亡。土竜が集めた物までもがドロップ品として入手できたとログが眼鏡に映った。中々旨いドロップだ。…全滅させるか。



「いや〜、マジックバックが無制限に進化してなかったら困っただろうな。でもウハウハだわ!さて、ボスもいいドロップしてくれよ?」


 いつも通り大扉を開けて見えた先にはキラッキラに光っている。正直眩しいレベルだ。その素材は、


「金剛石、しかも変異型か。いいねえ、ウハウハだ!」


 刀を抜いて斬りかかる。直ぐに俺に気づいた金剛石竜は()()()。いい判断だ。通常より硬いだろう金剛石竜は俺の刀が自身を斬れると確信して避けた。通常種は斬れなかった?とんでもない。最後には首を斬ったじゃないか。別に弱点だからと言う理由じゃ無い。単に振っただけ(・・・・・)では斬れなかった。

 ではしっかりと斬れば?


「ゴアァァァアアア!?!?」

「ハハハッ、斬られた事はなかったか?」


 最初に斬った腕が避けた拍子にぼとりと落ちた。最初の一太刀は入った瞬間には斬っていた。斬りかかった時は二回目。

 つい先日ダンジョン出現の予告を受けた俺は急ぎに急いだ。安全マージンなんて知ったことかと、とにかく一振り一殺を心がけて無心で五層を駆け抜けた。ラストの天竜戦は焦りが一周回って冷静になり、一瞬で片がついた。飛び立つ瞬間に縦に一筋、飛び立とうと翼を振った時には死んで消えたのだ。それをさっきの土竜戦で習得した。

 足を斬られた事でバランスを崩していた金剛石竜を追撃しようとして、やめた。


「グルルルゥゥ」


 竜言語魔法を使って斬られた足を再生させたのだ。それだけでは無かった。口にはいつの間にか魔力の塊が存在していたのだ。つまりはコイツも初めから口の中に魔力を固めて、いつでも攻撃可能な状態だったのだ。

 さらに悪いことに体全体に凝縮・硬化の魔法もかかってる。言語の極意を会得した俺はその魔法陣から何の効果がかかっていくか分かるのだ。だがだからと言って魔法を止められる訳じゃ無い。しかも使用している魔力は口にある魔力とは別、なのでいつ放たれてもおかしくない。

 ならば今自分ができる事は、この魔力砲もろとも斬れる様にすること。


「スウ、ハアァァ。纏・魔氣(まき)、纏・影狼の力、解放・竜血。………行くぞ」

「ゴアァァァアアアアアア!!!!」

一閃(いっせん)


 一拍、俺は金剛石竜の後ろに立っていた。だが、


「無傷とはいかなかったか」


 口から血が出てきた。内臓を破壊されたし、服の隙間から入った風が腕を細かく裂いていた。それもいずれ治るだろうが、治りが遅い。それだけ重症ということだ。金剛石竜が消えたのを感じ、その場で倒れてしまった。


「強かった。はあ、はあ、…また戦えるかね?」

『mission clear!

 ダンジョン第九十一層クリアおめでとうございます。

 条件:金剛石竜の討伐。

 報酬:第九十二層への転移陣の使用許可、第九十二層への転移陣の間への鍵、魔力待機スキルを入手しました』

『special mission clear!!!!

 発生条件:第九十一層の敵を全て倒すこと。

 条件:鉱石竜→最上位鉱石竜の討伐。

 報酬:DRポイント300、虹の宝箱一個、金の宝箱三個、銀の宝箱三個、精製されたオリハルコン』

『secret mission clear!!!

 発生条件:九十一層の敵を全て斬撃によって倒す。

 条件:ダマスカスでできた最上位鉱石竜の討伐。

 報酬:DRポイント100、銀の宝箱一個』

『special mission clear!!!!!(new)

 条件:アダマンタイトでできた鉱石竜の討伐。

 報酬:DRポイント500、虹の宝箱一個、金の宝箱二個、銀の宝箱三個、アダマンタイトの短刀』

「…久しぶりに変更された敵を倒したな。……いや、そうでも無いか。ここ三週間に無かっただけか」


 ダンジョンを九十一層も潜っていればこんな事もよくある事かね?と思いながら立ち上がる。マジックバックには大量の、それはもう大量のドロップ品がある。まあ買い取りで得た「買い取りポイント」で購入したドロップ率10倍とドロップ量10倍のおかげか。

 とんでもない量のドロップ品がありながらも全く重さを感じないマジックバックの便利さに慣れてる自分がいるのを自覚しながら、次の階層を目指して歩く。


「アダマンタイトの短刀について、帰ったら調べないとな」


 九十層クリア時点での自分の人間離れしたステータスを思い出しながら、いつもと同じように歩けるまでに回復したので装備に付いた血を魔法で洗いながら進む。


 ーーーーー

 ムラマサ タクミ 二十四歳(固定済) 男

 種族:進化型鬼龍神(最適化完了:戦闘高揚時に角と一部鱗が出現)

 職業:GEマスター、氣魔(きま)闘纏師、闘争者、デットライン(生死の境界に立つ者)、呪術師

 DRポイント:15,750(+2,250)

 適性:グランドマスター、インファイトマスターetc.

 称号:識者、禁忌を犯せし者、竜殺し、逸脱者…


 HP :2,430,085/2,430,085→22.8倍

 MP :19,052/19,052→32,387/32,387

 筋力 :4,752     →11,880

 耐久 :682      →5,183

 敏捷 :20,542    →24,650

 器用 :20,790    →43,659

 魔力 :19,051    →32,387

 対魔 :14,288    →24,290


 戦闘スキル

「戦巧者」(精密武術・纏術・忍術・仙術・超直感・氣闘術・暗殺術・new広域衝撃波)

「魔術師」(基礎魔法(火水風土闇)・時空間魔法・契約魔法・術陣構築・魔力精密操作・雷氷操作・new爆破魔法・new精神魔法)

「生存者」(new超速肉体再生・魔力超速回復・硬化・高速回復(眠)・高速移動・new栄養素変換)

「戦人」(戦術・並列思考・地図・自動マッピング・最善手・早急理解・new連携・new奇襲)

「錬金術師」(錬金術・錬成術・薬調合・魔力変質・new毒調合・new義体錬成)

「ダンジョン攻略者」(ドロップ品自動収集・newドロップ率10倍・newドロップ量10倍)

 new「呪術師」(呪術・(かや)りの風・式神の儀(封印中)・名付け・呪力精密操作・式札(しきふだ))

 new「竜人」(竜言語魔法・竜魔力・収束砲・障壁・咆哮・竜鱗・竜体操作・竜血)

 new「裏工作」(存在感操作・回避・透明化・怨念・追跡・痕跡消去・情報処理)

 new「察知不可」(擬態・不在化(三十秒))

 new「環境無視戦闘」(無呼吸活動・火中活動・水中活動・環境適応)


 感知系スキル:意思感知・魔力感知・嗅知(きゅうち)・精密周囲感知・危険察知・new広範囲熱察知・new呪力感知・new縄張り察知


 耐性・無効化スキル:ストレス耐性・痛覚耐性・new毒無効・魔法耐性・衝撃耐性・物理耐性・new病気無効・失血耐性・飢餓耐性・睡魔耐性・new環境変動無効・new自然現象無効・new超音波耐性・new呪力耐性・new雄叫び耐性・new竜言語魔法耐性・new怨念耐性・new熱感知無効・new精神魔法耐性


 極意スキル:剣の極意、氣の極意、仙術の極意、魔法の極意、罠の極意、錬成の極意、言語の極意、new呪術の極意 、new成長の極意、new戦いの極意


 特殊スキル:統廃合・神眼・極限世界・弱点攻撃時確殺・逆境・事象拡大・new破爆の魔眼・new隔離工房・new戦闘結界・newスキル売買・new戦闘訓練空間

 ーーーーー


ステータスの新規スキルを一部書き出します。メモなので綺麗じゃないかもしれませんが、ご容赦ください。




自力で習得→ 呪術師スキル、戦いの極意、痕跡消去(裏工作スキルの中)、情報処理(裏工作スキルの中)、呪力耐性、呪力感知、環境変動無効、自然現象無効、雄叫び耐性、竜言語魔法耐性、精神魔法耐性、


クリア報酬→ 竜人スキル、裏工作スキル、環境無視戦闘スキル、怨念耐性、縄張り察知、擬装、超音波耐性、熱感知無効、連携、奇襲、擬態(察知不可)、毒無効、広域衝撃波、破爆の魔眼、病気無効、


買い取りポイント→ スキル売買、隔離工房、工房設備各種


スキル売買→不在化(三十秒)、熱感知無効、戦闘訓練空間


オーブ→戦闘結界、栄養素変換、広範囲熱察知、爆破魔法、回避(裏工作スキルの中)、竜言語魔法(竜人スキルの中)、呪術の極意、成長の極意、

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ