ダンジョンアタック〜三十層まで〜
ここからはダイジェストで話そうと思う。あまりにも敵とのステータス差が大きすぎるので話をしても楽しくないと思うからだ。
ああ後、魔石は特殊なボス以外は全部纏域行きだ。スキルオーブは即使用。
十六層、ポルターガイスト(大)とポルターガイスト十体が居た。ポルターガイスト(大)は魔石の場所が常に変動して弱点が中々見つけれなかった。まあ足に来た瞬間貫手で取れたが。
戦利品は武器とポルターガイストの鎧(希少級)、念力スキル。
十七層、風魔法を使う蝙蝠と罠のコンボが面倒だった。ボス部屋は無数の蝙蝠、連携して風魔法を使われたが成長の剣で真っ二つにして行った。基本的に天井から動かないので縦横無尽の糸で対処した。
戦利品はトラップの毒液と出血の短剣、連携のスキル。
十八層、ボスが何処にいるか分からない草原ステージでバイコーンが群れで多く居た。とりあえず片っ端から鏖殺していた所、丘の上にボスを発見。見た目に変化は色くらいで、速さと頭の良さが他の個体とは違った。
戦利品は毒調合スキルと薬草&毒草の数々に毒生成の短剣、奇襲のスキル。
十九層、同じく草原ステージで魔法を二種類使う謎の白い毛玉が居た。マジックスノウという名で自分に魔法を使って移動していた。魔法は効きが悪く、打撃以外は効きやすかった。ボスは直径10センチくらいの四種類の魔法を使って来た。
戦利品は魔力変質とマジックスノウのマフラー、擬態のスキル。
二十層、十層と同じような大部屋のみで居たのは魔法を使う蝙蝠と大蛇だった。大蛇には物理攻撃が効果が薄く再生能力持ちで、蝙蝠に狙いを定めると大蛇が身を呈して守り蝙蝠が魔法と超音波で攻撃。中々に強かったが、大蛇を真っ二つにして蝙蝠を火魔法で焼き尽くし勝った。
戦利品は超音波耐性と音撃のマイク(希少)、special missionの大蛇討伐報酬はDRポイント50、銀の宝箱三個、金の宝箱一個、広範囲熱察知のスキルオーブだった。ドロップは大蛇のスケイルアーマー(希少)。
二十一層、背丈の高めな草原ステージでハイ・ゴブリンが多く居た。ゴブリンより少し大きいくらいの変化で他には特になし。ステージの入り口から真っ直ぐの場所にハイ・ゴブリンジェネラル一体、ハイ・ゴブリンソードマン二体とハイ・ゴブリンマジシャンとハイ・ゴブリン十体が居た。瞬殺。
戦利品は剣(普通1)×2、魔法補助の杖(普通1)、ハイ・ゴブリンジェネラルの大剣(希少)、環境適応のスキル。
二十二層、同じ平原ステージでハイ・コボルトと毒草が多くあった。コボルトより素早いくらい。二十一層とボス部屋も同じ場所、同じ種類のハイ・コボルト、同じ数の敵だった。成長の剣で首を五秒以内に斬った。達成感が強い。
戦利品は毒草、ハイ・コボルトジェネラルの双剣(希少)、急加速のスキル。
二十三層、森林で所々に何も無い場所ありで、ハイ・ゴブリンとハイ・コボルトがいた。あとステージ面積が今までの倍近い。ただし木々だったので武器を弓に変えて土魔法の石矢で殲滅。ボスはでかい丘の上と丘の中にいた。よって火魔法で爆発させて同時に倒した。
戦利品は魔法補助の魔法石、ハイ・ゴブリンキングの睾丸(希少)、ハイ・コボルトキングの牙(希少)×2、非接触の双大剣(希少(伝説))、secret missionの同時討伐報酬はDRポイント100、銀の宝箱一個、爆破魔法のスキルオーブ
二十四層、再び広い洞窟ステージ、ハイ・オークが出現した。忍術スキルのおかげで壁を走れるので高い場所にある首がスパッと斬れた。ボスはハイ・オークジェネラルとハイ・オークソードマン二体にハイ・オーク二十体。弓矢で頭部を吹き飛ばして十秒以内に全滅させた。
戦利品はハイ・オークの絶品肉50kg、大剣(普通1)×2、ハイ・オークジェネラルのロース肉10kg、剛腕のスキル
二十五層、同じく広い洞窟ステージ、ハイ・オークの倍はトラップがあった。ボスはハイ・オークエンペラー、ハイ・オークジェネラル二体、ハイ・オークマジシャン二体、ハイ・オークヒーラー二体、ハイ・オークソードマン三体、ハイ・オーク十五体。結構本気で氣を剣に纏わせた状態で横薙ぎをしたら全滅できた。強くなったととても実感した一戦(?)だった。
戦利品は自動回復の指輪、剣(普通1)×3、選出戦略書(伝説)、咆哮のスキル。extra missionの報酬DRポイント25、銅の宝箱一個。
二十六層、遺跡みたいに綺麗な迷路。ストーンゴーレムと毒の罠が多かった。ストーンゴーレムは胴体を殴れば終了。ボスは鋼のゴーレム一体。疑問に思って錬金術を触れて使うと核だけを分離できて倒せた。ちょっと弱すぎな気がする。
戦利品は毒の罠から取れた致死毒など、鋼のインゴット20キロ、毒無効のスキル。
二十七層、正方形の森のステージ。コボルトエリート、ゴブリンエリート、オークエリートが集団で行動している。「ハイ」系列よりも弱いが数が多い。ボスは狼人、オーガ、巨大猪で連携が上手かった。抜刀術で簡単に殺せた。
戦利品は鉤爪(希少)、オーガの骨、巨大猪の牙と毛皮、広域衝撃波のスキル。
二十八層、綺麗に天井まで舗装された道のステージ。透明なオークが出てきた。魔力も風も臭いも感じたし、目で輪郭も見えたのでなんの問題も無く倒せたが、ボスは違った。魔力も感じ無い、風の動きも感じない、臭いももちろん無い。目でも輪郭は当然のごとく無かった。が、熱感知のスキルのおかげで直ぐに分かった。オークキングに似てるモンスターが一体だった。
戦利品はオークの特別肉。special missionのインビジブルブラットオーク討伐報酬はDRポイント100、銀の宝箱三個、金の宝箱二個、透明化スキルのオーブ
さて、いよいよあと二層。二十九層と三十層…今までのパターンだと二十〜二十九層のモンスターが強化されて三十層に出現するだろうが…半分くらい確信しているのは二十九層のモンスターが強化されていそうな気がする。何故か?ここ二十九層はトカゲだからだ。
さて、ファンタジーものにおいて強いモンスターとは一体何だろう?吸血鬼?鳳凰?それともドラゴン?三十層は04が言ってたように一種の節目だ。つまりはドラゴンが出てきても何ら不思議は無い。まあワンチャンここのボスがドラゴンってのはありそうだが。
「グルルゥ、ガッ」
聞いての通りの鳴き方だ。低重音で腹の底から出す威嚇声、彼我の実力差を若干感じながらなおも挑んでくる精神力、まさしく鑑定した名前の通り、オオドラゴントカゲという珍妙な存在だ。
そしてドラゴンといえば光る物に目がないと言われているが、コイツも同じ性質を持ってるようで、以前失敗した銀のインゴットを見せたら簡単にトレインできた。その様子はまさしく飢えた状態の肉食獣に肉を見せるが如しだろう。いやそんな言葉知らんし、実際見たことが無いのでなんとも言えないが。
更にコイツのドロップ品、鱗やら牙やら爪やら心臓、はては魔力器官まであった。全部の説明に「様々な物を作る時にドラゴンの代わりになりやすい物」と書いてあった。まあこれでほぼ確定でドラゴンが出るだろう。
「さてと、今のがこの階層の通常モンスター最後か。いよいよボスにご対面!」
大扉を縦横無尽の糸で開ければ、
「蛇かよ!」
でっかい蛇がいた。龍じゃない、蛇だ。目が三つあり尻尾の先がとんがっていた。俺はちょっと期待を裏切られた怒りで成長の剣で尻尾を切断した。
「キシャァァア!」
血は直ぐに止まりボコボコと再生していく。無論そんな事を見逃すはずもなく左手にソードブレイカーを出して蛇の全身を走って斬りまくる。案外硬く肉を若干しか切れていない。
「ククッ、ギア上げていくぞ!」
そうして顔に向かってジャンプした瞬間、何かに弾き飛ばされた。結界で減速して着地、何が起きたか視るために再び顔を向ける瞬間、体をなんとか捻って避けた。体があった場所は爆破されたかのような傷跡が残っている。いや、これは
「破爆の魔眼か!いいねえ。それでこそボスってもんだ」
破爆の魔眼は俺がスキル習得権を使ってまで入手したいと思ったスキル。故に効果は知っている、見た瞬間に対象物の耐久力(もしくはHP)に比例して上がる破壊系の攻撃。一番のメリットは上がった攻撃力に関係無く魔力を消費する点だ。
つまり威力は上昇するのにも関係無く常に一定以上の攻撃力と一定の魔力しか消費しない。デメリットは相手を視界に入れる事と間隔が一秒必要な事。つまりは煙幕を張っても効果はない。よって目を潰すか閉じさせるしか使わせないことはできない。だから、
「久しぶりにご登場、唐辛子スプレー!」
結界を張って当たり一体に散布する。ちなみに破爆の魔眼は防御不可だ。純粋にHPを削られる。なので結界は意味がない。ただこの結界は息ができるが唐辛子も通さない微妙なものと、その更に外側に通常の結界を張っているので難しいのだ。
「キシャァァアア!?!?」
「これが龍だぜ、冥土の土産にくらってけ。火龍!!」
火龍を敵上部に出現させて呑み込ませる。そして、
「チェックメイトだ。今度からは唐辛子に気をつけな」
自爆させる。断末魔さえも聞こえずに完全に何も無くなったことが見えて、missionクリアの画面が出るまで気を抜かずにいたら音が聞こえた。
『mission clear!
ダンジョン第二十九層クリアおめでとうございます。
条件:レッサードラゴンの討伐。
報酬:第三十層への鍵、存在感操作スキルの獲得』
『extra mission clear!!!
条件:初めて竜種と単独で戦い、これを討伐した。
報酬:DRポイント100、銅の宝箱一個』
『special mission clear!!!
発生条件:オオドラゴントカゲのドロップ品全てを入手した上で初めてボスの間に到達する事。
条件:レッサードラゴン亜種の討伐。
報酬:DRポイント100、銀の宝箱三個、金の宝箱二個、超速肉体再生のスキルオーブ、破爆の魔眼取得』
「おお!破爆の魔眼ゲットできた!にしてもスキルオーブは要らないんだよなぁ。スキル取得にして欲しい」
ーパリンッ
『超速肉体再生を習得しました』
そして魔力が回復するまで少し待つ。いや〜次の三十層をどう突破するか。そしてクリアできたら待ってるのは宝箱オープンと整理だなぁ。ちょっと憂鬱だけど、それ以上に楽しみでもある。ああ宝箱ではなく、三十層のボスとの戦いが、だ。
「ん、回復したな。うっし、行くか!」
三十層への扉の鍵を開けて、次の瞬間光に呑まれた。
俺の神眼はこんな光の中でも機能する。超直感も働いたのだろう。咄嗟に横に大きく避けた。
ーズドオォン
「マジかよ、上位竜種か。しかも最上位の竜王の一歩手前まで来てるのか…どれだけ俺のステータスが勝ってるのやら」
フィールドは円状で、天井までは見えないくらいの高さの場所。更に言えば三角錐を逆にしたかのような足場なので、落ちたら先が見えないくらいの深さの場所に真っ逆さまだ。そして俺が光と共に転移させられた場所は端っこなのに、先のドラゴンの前脚?まあとにかく立ってる脚で踏み込んでも揺れはしない。戦闘による地盤崩壊の可能性は低いだろう。
さて足場の現状は理解できた。次は、どの程度このドラゴンが強いのか?だ。できればやりたくないが、命には変えられない。
「纏い、纏い、纏い、纏い重なる。それは火、それは風、それは水、それは土、反するそれは互いに高めるだろう」
「ガアァァァアアア!!」
「っ!?…されど未だ高みを見ること違わず。なれば更に高めよう!」
竜の咆哮で身体が吹き飛びそうになるが結界を足場にしてフィールドの真ん中に行く。両手で剣を握り、その剣は右下に構えたまま、ジャンプする事でドラゴンの尻尾攻撃を避ける。続けて詠唱する。
「氣はどうか。一度考えればするに値すると氣を練り上げる。鋭く、重く、裂けぬもの無しとの至高に届けと練り上げる」
「グルガァアアアァアァ」
今度は魔法を使って攻撃してくる、それも嫌なことを同時にしながら。俺の放とうとしている攻撃の危険さが分かったのか、はたまた偶然か。最も有効なジャミング効果を、結界を張って防ぐのを阻止された。ジャミングと言っても魔法ではなく、竜の魔力を放出しただけだが効果は絶大だ。
そして防御できない状態から放たれるのは壁のようになってる量の魔法陣からは大量の土の矢が、
「それも届かず。しかしてそれは間違い。竜に届かせる一撃はこれ一振りで足りた。意思を磨き全てを斬る!」
『竜撃』
俺の竜を倒す一撃で魔法陣からごと一撃で弾き飛ばす。無論竜さえも。だが、
「ガアアァァァアアアア!!!!」
「チッ、魔法で威力が弱くなったか」
竜にはたしかに当たったし、確かに傷はついている。しかし鱗が数枚壊れた程度、つまり人間で言えば薄皮一枚切った程度。竜を一撃で致命傷を与えるはずの威力がそこまで減衰したって事は、
「竜言語魔法!?チッ、普通に戦うべきだな。一撃必殺を狙わなきゃ良かったか?」
結界で足場を作り飛んでいる竜に切りかかる。
「グルアァアア」
火の魔法が俺の周りを一瞬で包む。魔法を斬って進む。魔法を斬ってやってきた俺に竜は少し驚く、しかし身体を思わず止めるといった愚かなまねはせずその場で縦に一周回る。俺は下から迫る尻尾攻撃を迎え撃つ!
ーギィィィン
斬り裂くつもりで振るった一撃は、竜の尻尾を止めるに至ったがあまりの重さに俺は上に飛ばされた。感触は斬れなかったが、血はでてるしダメージにはなってると思う。そんな淡い考えは直ぐに否定された。
結界を上に作り、体を捻り着地する。そして見えたのは鱗が傷部分に生えてきている光景。完全に想定外の事に一瞬固まる。そしてそんな隙を竜が見逃さず魔法を放ってきた。今度は風属性で大きな弧を描いた攻撃。なんとかギリギリで風を棒に見立てて跳び越えるように躱した、と思ったら足に衝撃が来て上に吹き飛んだ。
過ぎ去って行く魔法を視れば大きな弧に重なるように小さな風の刃が無数にあった。バブルリングに巻き込まれたがごとく。
(そういう事か!まさに自然現象と魔法のハイブリッドだな。古災龍の服じゃ無かったら最悪、足を切り裂かれていた)
そして竜に向かって落ちる俺に気づいた竜はブレスを放ってきた。ヤバい。収束している属性は光。速度は魔法の中でも最速。しかも一点突破のようにさらに収束をしている。ルートは…視えた!!
ブレスのルートを視て予測、闇盾を左手に作り逸らすようにルートに当てた瞬間。
ーピィィィン
左手が痺れながらも闇盾は役目を終えたように消えた。なんとか光のブレスは防げた。ブレスの反動で動けない竜の目に向かって成長の剣に氣を纏わせ振るう。
「グガアァァァアア!?!?」
狙い通り竜の右目を斬れた。痛みに苦しむ竜の顎に魔力爆破と共に回し蹴り、自分の右足の骨と竜の顎が砕ける感覚を受けた。痛みに我慢しながら魔法を放つ。
「炎槍!積層槍!!」
左手に積層槍を出現させる。貫通力をひたすらに上げる魔法陣を複数得た積層槍は槍投げの要領で投げる。そしてその後ろを追うように炎槍を向かわせる。狙いは喉、だが竜は狙いに気づいたのかその巨体を横に動かして尻尾で積層槍を壊す。
だが問題無い。砕かれた足を再生させながら結界に座りその様子を見る。破壊された積層槍には爆破魔力を込めてある。そしてその魔力が解放される条件は積層槍の破壊。条件達成は上位の竜相手にとってもそれなり以上に困難だ。つまりは威力の底上げが大きい。つまりは、
「ガアァァアアアア!?」
攻撃を尻尾で壊された事で込められていた爆破魔力が解放された。単にそれだけならば尻尾は小さな傷を作るに終わっていただろう。だが条件による底上げで尻尾が弾ける。そして炎槍によって破壊されて短くなった尾を焼き尽くす。これで容易には再生できない。
足が治った事で自由に動けるようになった俺は直ぐに竜の足元に移動。結界で足場を作り、氣と魔力を全身に纏わせ、顎を砕かれ、尾を失いバランスを崩している竜の足を掴み投げる!
ーズドオォォン
フィールドに叩き落とされた竜は、自分の体重を支えて飛ぶには時間がかかる。そしてその時間があれば翼部分を斬ることは容易だ。
結界を思いっきり蹴り、再び飛んで行こうとする竜の翼に向かう。俺に気づいた竜は慌てて魔法を放つが、
「鏃囲い!」
俺は自分を鏃に見立てた形の鋭くした結界で防ぐ。この結界は後ろからの攻撃にはめっぽう弱いが、今魔法が滑るように後ろに飛んでいったように前からの攻撃を受け流すことに特化している。
そして先端が竜の背中にぶつかり僅かに傷がついた。結界を解除して抜刀。僅かな傷を元に大きなばつ印のようにさらに斬った。流石に鱗の下から斬られては防ぎようがないと思ったのだが、想定以上に竜の筋肉が硬く奥へは傷がつかなかった。
背中から直ぐに翼部分に向かい飛膜部分を切り裂いた。これまた想像以上に硬かったが一部に傷がつけば問題無い。
「っと。これでチェックだ。それに立体軌道の戦闘なんて難しいことこの上無いからな」
竜がローリングして俺を潰そうとするが、ジャンプして竜の後ろに立つ。
「グガアァアア!」
振り返りながら魔法を放つが、俺の視界には足部分がどう動いているかを観察する。…視えた!!そして向かってくる魔法を魔力と氣を纏わせ逸らす。理由は分からんがさっきから槍系の攻撃かブレスしか放ってこないので好都合。逸らしやすいからな。
逸らしながら、そして移動速度を落とさずに走って竜の足元にたどり着く。狙いはさっき動いた腱の部分。全力で斬ろうと意識を集中させた瞬間、世界がゆっくりとなる。まるで粘度の高い水に浸かってる中動くように遅い。だがそれでもいい。狙いは完璧に、結果は確実に腱を斬るために!
そして成長の剣で斬れた。未だ振り返ろうとその巨躯を動かせている中、もし腱が切れたら?答えは自分の振り返ろうとする力を支えられずに吹き飛ぶように倒れる、だ。
ーズドオォォン
「ガアァァァアア!?!?」
耳を結界で大きな音から守り、もう一度剣を振るう。狙いは尻の穴だ。あそこはさっき見た時に鱗が無かった。汚いがそれはそれ。不定形の槍を伸ばして刺す。
「ギャオォォォン!」
「効いたっぽいな。もういっちょ!」
さらに出したのは生雷氷の装置。言っておくが不定形の槍は伝導性は高い。さらに伸ばして石突き部分を地面に刺して支えにして、
ーバチッジジジジ
「ガアァァァアアアァァ」
生雷氷の装置で雷を生成、不定形の槍に雷を流して、事象拡大のスキルで雷の威力を上げて竜に流す。一瞬にして丸焦げになった竜はしかしまだ消えない。俺は不定形の槍を回収してその場を離れる。その瞬間竜を丸ごと包む魔法陣ができるが、関係無い。
「チェックメイトだ。紫電一閃」
剣で首を斬った。そして漸く魔法陣が消え、竜の体も消え去った。どっと疲れが出てその場で倒れる。
『GET!称号【竜殺し】を入手しました』
『mission clear!
ダンジョン第三十層クリアおめでとうございます。
条件:本物の竜種の討伐。
報酬:第三十一層への転移陣の使用許可、第三十一層への転移陣の間への鍵、収束砲スキルを入手しました』
『special mission clear!!!!!
発生条件:ダンジョン突入一ヵ月以内に他のテスターよりも先に三十層へと到達する事。
条件:中位竜種→上位竜種の討伐。
報酬:DRポイント500、虹の宝箱一個、金の宝箱三個、銀の宝箱三個、龍紋の髪留め(空想)』
『special mission clear!!!!!(new)
条件:最上位竜種の討伐。
報酬:DRポイント500、竜の血、虹の宝箱三個』
「…あー、やっぱりか。やけに強いって思ったんだけどまさか最上位竜種だったとは。上位から進化して直ぐだったのかね?」
それにしても竜の血って代物は全く知らんな。…後で宝箱の時に鑑定するか。ああ、あと休息ポイントは何処だ?…ってん?転移陣か。嫌な予感はしないが、まあアレ以外だとここから飛び降りるしか無いし乗ってみますか。
重い腰を持ち上げていつ闘っても問題無いようにする。そして転移陣に乗ればまたもや光に包まれた。
ふむ、俺の知っている場所じゃないな。明らかにホテルの最上階とかにありそうなレベルで豪華な場所なんか行った事無い。しかも部屋に絵画の代わりに見覚えのあるタブレット端末があるし……
「もしかして、ここが三十層の休息ポイントか?」
『肯定します。なおここまでの施設は三十層と五十層、以降五十単位での利用が可能となっています』
「この声は04か」
『はい。何かご質問はありますか?』
「あー、とりあえずは確認。今の俺の休息ポイントって何処が設定されている?」
『ダンジョン入り口、第十五層の入り口、第三十層の入り口の三つです』
三十層の入り口地点にあるのか。
「そういえば本来三十層ってどんなステージ?」
『従来の十層毎のボスの間と同じですが、竜種などの飛行可能なモンスターがボスの場合は天井までが遠くなっています』
「あー。って事はボスの間直前に転移できる場所があると?」
『肯定します』
「そっか〜。あ、ダンジョン入り口からここに一気に転移することもできる?」
『肯定します』
「なるほどね。了解、ありがとう」
聞きたいことはもう無い。なので少し前から気になっていた事を調べる。すなわち、装備が進化している気がするので鑑定をしようって事。では成長の剣から!
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激動の進化の刀 レア度:空想級
成長の剣から進化をした結果。使用者の血や魔力と敵の血と魔力などを吸収して半ば魔剣になりかけている。と言っても使用者以外が使おうとすればその者に牙を向く程度だが。
効果:進化、不壊、柄変化、所有者固定、隠蔽擬装、使用時切れ味上昇(永続)
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うむ、使用時切れ味上昇って使えば使うほど切れ味が良くなり続けるって事だろう?ブッ壊れ案件だな。これ以上刀に何を求めればいいんだ?
次行くぞ。次は元々が高ランクだからな。そこまで変化していないだろう。
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暗黒龍のロングコート レア度:空想級
かつて神を喰らったとされる暗黒龍の素材から作られたお洒落なロングコート。ポケットの入り口に入る大きさの物ならば無限に物が入る。上着は同格の物しか着れなくなる。使用者の魔力と氣が多く叩き込まれているので、魔法や氣の効果が高まる作用がある。所有者を認めたために時空を超えて召喚が可能になった。さらなる進化を秘めている。進化の暁には背中の龍と刀の証がはっきりと分かるだろう。
効果:所有者固定、隠蔽偽装、上着半固定【デメリット】、神聖属性以外の魔法吸収、耐久三倍、敏捷三倍、ダメージ軽減、快適状態保持、無限収納(限定)、召喚装着、纏術効果アップ
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秘術の手袋 レア度:空想級
神々の秘術を使い、創り出された素材不明の運動用手袋。他人からは見えなくすることも可能で、自身の通したいもののみを通せるご都合性能。常に快適な状態を保てるが外すことはできない。使用者の魔力と氣が多く叩き込まれているので、魔法や氣の効果が高まる作用がある。さらなる進化を秘めている。進化の暁には手の甲の陽陰の紋が完成されるだろう。
効果:所有者固定、隠蔽偽装、手袋装備不可【デメリット】、障壁展開(手元のみ)、器用五倍、対魔三倍、衝撃変換(手元のみ)、快適状態保持、不可視化、纏術効果アップ
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至上礼装・纏域 レア度:神話級
製作者不明。魔金属と言われる魔石を取り込む事で成長する金属でできた攻防一体の礼装。使用者以外には感知できず、自動で不意打ちの攻撃から守ったり、一部を切り離して使用者の武器にしたりできる。多くの魔石を取り込んだが、多くが低ランクだったために高ランクの魔石を取り込むとより強くなる。さらなる進化を秘めている。
効果:所有者固定、完全隠蔽、装備解除不可【デメリット】、自動防御、分裂、自在変化、成長、不壊、半自動識別、必中、魔石取得時強化
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これ以上進化されても意味がない気がするが、まあ弱体化する訳じゃ無いんだったらいいのかね?