ダンジョンアタック!
お久しぶりです。そろそろ暖かくなってきたので上着を脱ぎたいですね。
「持ち物の準備よし。後は、ステータスチェックと装備品の再確認だな。ステータスオープン」
ーーーーー
タケバヤシ タクミ 二十四歳(固定済) 男
種族:半神半人 職業:戦巧者、魔法師
DRポイント:2175(+250)
適性:グランドマスター、観測者etc.
称号:シーフの鑑、格上殺し、神話の再来、神眼保有者…
HP :46,275/46,275→347,155/347,155
MP :1890/1890→4,536/4,536
筋力 :216 →475
耐久 :310 →341
敏捷 :189 →586
器用 :990 →1,386
魔力 :1890 →4,536
対魔 :950 →2,268
スキル:短剣術、無手術、速読術、早熟、弱体耐性、ストレス耐性、バックスタブ(暗殺術)、罠感知、嗅ぎ分け、痛覚耐性、new再生(強)、new毒耐性、new刀術、new剣術、new初級仙術、new土魔法、new上級錬金術、new風魔法、new雷操作、new魔法凝縮術、new闇魔法、new影操作、new弓術(暗殺術)
上位スキル:超直感、意思感知、時空間魔法、逆境、new高速マッピング、new四属性魔法耐性、new物理攻撃耐性、new上級錬金術、new上級暗殺術、new上級鍵開け、new上級罠解除、new上級罠作成、new上級暗殺術
最上位スキル:神眼、武の才、確殺、並列思考(極)、new魔法の才、new全言語習得、new魔力操作(極)、new感知術(極)、new周辺精査、new夜間戦闘術(極)
ーーーーー
うーん、HPは減った感覚が一切無いのに倍倍ゲーで上がっているな。今までの結果から考えるに筋力と耐久と敏捷の倍率をかけたらHPになるのか。いつか打ち止めがありそうだが、当分先かなぁ?
今回の一番の上がり方は敏捷か。ダンジョンからの帰りや木々を移動するトレーニングをしたからな。まあ順当だろう。後は、そろそろスキル欄のまとめ機能が欲しいな。ごっちゃになって分かりにくい。
「次、先にスキルオーブ使っておくか。その後装備の確認で。鑑定は…両方ともしたからまあ良いだろ」
ーパリンッパリンッパリンッ
『高速回復(眠)を習得しました。
毒攻撃を習得しました。
戦術を習得しました』
古災龍の装備一式、ソードブレイカー(帯剣中)、アイテムバック(主に食材と武器)、登録型召喚腕輪(成長の剣)、暗黒龍のロングコート、秘術の手袋、纏域、無限ポーション(ポケット内)。うん、大丈夫だな。
今回は素手で攻略するつもりだ。その為の厨二病まっしぐらな格好なのだから。じゃなかったらこんな精神を削ってまで痛々しい格好はしないし、(精神的な意味で)着るつもりの無かった暗黒龍のロングコートも装着していない。
よし出発!
ダンジョン突入〜木曜日午前五時(食事済)〜
第一層〜第三層、最短ルートで敵は頭部を蹴るか殴って瞬殺
第四層、ウッドゴーレムの核を貫手で入手。初めて貫手なんかやったが意外と簡単だった。
第五層、ウルフの首を衝撃変換を使い手刀にて斬る事に成功。ただし首を掴んで握り潰した方が早い。
第六層、石矢にて撃墜。
第七層、走りながら弓矢で撃破。命中率は七十八%ほどと低めだった。またもやクレバーホークがいたので特別撃破報酬で木の宝箱とDRポイント25を得た。ドロップ品にダブりのブラットホークスの鎖鎌(希少級)も得た。
第八層、炎の波を起こして全部燃やした。魔力枯渇を起こしたので一時間ほど休憩。
第九層、ジャンプして首を捩じ切ったり、手刀でスパッと切った。試しに心臓部を貫いたが五秒ほど生きてたので使わない様にした。
第十層、最初のジャンプ以外ずっと地面に着地せずに全滅させる事に成功。連携されたが戦術スキルのおかげか、相手の次にする事が手に取る様に分かった。オークキングだったので特別撃破報酬で銅の宝箱とDRポイント25を得た。
ここからは未知の層!という事でダンジョンの鍵束から「XI」の数字が書かれたもので鍵を開けた。一応錬金術でも鍵を作って試したのだが、魔法的な処理がされてる様で開かなかった。ちょっと悔しいが属性の存在しない魔法陣だったので直ぐに真似できた。
『魔法陣構築(極)を習得しました。
鍵開け(極)を習得しました。
罠解除(極)を習得しました。
罠作成(極)を習得しました。
罠の極意を習得しました。
GET!称号【魔術師】を入手しました。
GET!称号【細工師】を入手しました』
称号に泥棒の鑑でも入手したらどうしようと思ったが心配のし過ぎだったようだ。
そうして辿り着いた第十一層は広い洞窟だった。全マップ制覇すべく移動すること10分、モンスターが現れた。多分スライムだ。多分がつく理由は、ポケ◯ンのベト◯ターの目と色がないバージョンだからだ。まあ粘液と表現した方が早いかもしれんが。
ズルいとは思ったが神眼で視たところ、身体の何処かにあるコアを破壊もしくは抜く事で倒せるそう。ただし武器や素手で触ろうものなら強酸に触れたが如く溶けるらしい。強力な溶解液だな。魔法か弓矢で対処するのが良さそうだ。移動速度は遅い。走って逃げれる遅さだ。
「む。…結界、伸びろ」
魔法は溶かせない様で結界でコアを押し出した。コアを見れば魔石と一緒。ドロップ品はと言うと、スライムのジェルだ。見た目は水風船でぷよんとしている。
ーーーーー
スライムのジェル レア度:普通2
素手で触れても害はない。飲み物の代わりになり、意外と重宝する。薬を調合する時に、純水の代わりにも使える便利なもの。その存在を知られれば高く買い取りされるだろう。
ーーーーー
「…意外にも高評価。にしても水の代わりになるのか。これでダンジョンに居られる時間が延びるな」
そう思い直ぐに走り回る。スライム狩りだ。そうして三十分ほどで完全制覇。スライムが低いからなのか、この階層の罠は全て100メートルほどくらいの位置にあった。中々に凶悪で、麻痺毒噴霧や細い丈夫な糸(触れたら切れるほど鋭い)に毒が塗られていたりした。まあ一つも引っ掛からなかったが。
そして大広間に通じるだろう扉(施錠済み)を開けた。そしてそこにはうじゃうじゃと気色悪い量のスライムがいた。ちょっとどころじゃ無いレベルで気持ち悪いな。
「炎波」
『mission clear!
ダンジョン第十一層クリアおめでとうございます。
条件:百体のスライムを討伐。
報酬:第十二層への鍵、ドロップ品自動収集スキル』
「ん?…(魔石は纏域行きだから収集されても)お、おお!?このスキル良いな!勝手にマジックバックの中にスライムジェルが入っている。しかも魔石は目の前にあるじゃねえか!!」
多分魔石含めて回収されるのは嫌だと考えたから、魔石だけはマジックバックの中に入らなかったのだろう。いや、にしてももしマジックバックを持ってなかったらこのスキルって良くないのかね。でも目の前に魔石だけを集めれたから別の場所に集めれるのか?…まあどっちでもいいか。結果良ければ全て良し!
次の階層への扉を開けてみれば、その先はさっき見た様な風景だった。つまりは広い洞窟だな。さっさと行こうか。
「っと、蜘蛛か。ここまでデカイと軽くホラーだな」
意気揚々と歩き始めて一分程で高さ1メートルほどの蜘蛛に出くわした。直ぐに糸を飛ばしてきたので避けたが、ナイフを横から切っても逆にナイフが折れた。つまりはそれだけ硬い糸なのだろう。そして広いとはいえ1メートルもある蜘蛛からすれば足を広げたら埋まる程度の空間だ。攻撃回避は難しいと考えて間違いないだろう。
そういう訳で攻撃は危険。速攻で頭を殴って潰す。グシャッという気持ち悪い(ちょっと硬かった)感触と共に直ぐに死体が消えた。はて?虫は生命力が高いから中々死なないと思っていたが一瞬か。……回復しないからかね?まあ何にせよ頭を潰せばいいんだな。
ドロップ品は魔石と、糸玉?
ーーーーー
ヒュージスパイダーの糸 レア度:普通3
シルクの様に滑らかで、並の釣り糸より丈夫。斬撃を弾き、打撃も吸収するので服に加工すればとてもダンジョンに向いた性能になる。火魔法にはめっぽう弱い。
ーーーーー
「これはその内売れそうだな。さっきのスライムジェルと同じ時期じゃないとダメだけど」
再びスローター!と思ったのだが、中々ヒュージスパイダーがいない。ヒュージスパイダーのものと思われる罠とダンジョンの罠がとにかく多いのだ。ダンジョンの罠からは何も入手できないが、ヒュージスパイダーの罠からは「自在なる蜘蛛糸」が入手できる。それもかなりの量だ。
ーーーーー
自在なる蜘蛛糸 レア度:希少級
ヒュージスパイダーの巣に多くあるトラップの中心部を統括する魔道具の一種。先端だけが粘着質な糸を出すことができ、生半可な魔法では破壊できないほど丈夫。出した糸は100キログラムまでなら浮かせられるほど粘着性が高い。
効果:粘着糸生成、伸縮糸生成、伸縮糸操作
ーーーーー
とまあ、要するに腕当てに引っ付ければスパ◯ダーマンと同じようなことが可能になる。実際に使ってみたらコツが必要だが楽に移動できた。ただまあ片手使えないので、そこはちょっと不便だ。
そんなこんなで結局ヒュージスパイダーは十体しか倒せてないが、魔道具が手に入ったのでよしとしよう。マップ制覇して今は大広間?の前にいる。こちら側から大広間と言うか、縦長の巨大な木の洞が見える。まあ巨大な蜘蛛らしい住処と言えばそうなんだろう。
中に入れば扉など無かったはずだがいつの間にか退路が扉によって無くなっていた。うーん、スペシャルなミッションの予感。
「キシャァァァアア」
「とりあえず上には糸で繋がってるのね。じゃあ結界、トルネード」
竜巻をイメージした魔法。敵が多い時に集めて、トルネード内で鎌鼬を発生させて斬り刻む無差別広域殲滅用として使う予定だったが、こういった広い場所で単体に対して使う無差別攻撃としては中々に良いのではないかと思い直す。
「ん?魔法が、掻き消された!?」
ーズドオォォン
「キシャァァァアアア!!!」
「血塗れだけど致命傷じゃないから元気ですってか?お望み通り戦ってやるよ!」
天井に引っ付いていた糸は流石に切れたのだろう。落ちてきた巨大グモに向かって走る。右手に成長の剣を召喚して斬りかかる。巨大グモは糸を口から出して迎撃しようとするが、甘い!スパッと切れ味が上がった成長の剣で糸を斬る。
逆袈裟斬りを狙った一撃を振るうも、糸いぼから出した糸で後ろに移動され避けられる。若干驚きながらもその勢いで回転斬りを行う。そして魔法を合わせて、
「一輪!」
届かないはずの位置にいる巨大グモは、何かを感じたのか前脚を魔力で多い防ぐ体勢になったが、魔法によって強化され広範囲に出された斬撃に前脚を切り飛ばされた。同時に壁(木の部分)にも切り傷ができる。その結果に俺は若干の驚きを得た。
本来なら蜘蛛が防御体勢をとっても問題無くその巨体ごと切れたはずの一撃が、魔力を一部に集める事で防がれたのだから。だが動きは止めない。再び巨大グモに近づき成長の剣を大上段に構えて、
「なんちゃって次元斬り」
縦に振り下ろした。巨大グモは横に移動しようとして体の三分の一を切り飛ばされた。バランスを崩した巨大グモに追撃として土で鞘を即興で作り、居合い斬りを行った。
「ふぅ」
『mission clear!
ダンジョン第十二層クリアおめでとうございます。
条件:ジャイアントスパイダーの討伐。
報酬:十三層への鍵、部分硬化スキルの獲得』
『special mission clear!!!
発生条件:初見で第十三層を全て踏破し、自在なる蜘蛛糸を入手した状態でボスの広間に到着すること。
条件:クラウンスパイダーの討伐。
報酬:DRポイント100、銀の宝箱三個、金の宝箱一個、忍術のスキルオーブ』
「うーん、忍術ねえ。ま、使うか」
ーパリンッ
『忍術スキルを習得しました』
「……なるほどね。中々いいスキルだ」
クラウンスパイダーのドロップ品の魔石と「自在なる蜘蛛糸の強化材」を拾いながら忍術スキルの有用性を確認する。まあ良い部分は「魔力を消費して空中以外ならどこでもくっついて歩ける」とか「少ない栄養で長時間活動できる」とか「道具作成が魔法陣無しで素材さえあれば可能になる」とかか。
特に最後の技能は今丁度必要としていたところだ。早速「自在なる蜘蛛糸」とその強化材を使ってみよう。
ーポンッ
「…今ので完成かよ。あとこの煙はなんだよ。まあ手間が無くていいけどさ」
ーーーーー
縦横無尽の糸の魔法陣 レア度:伝説級
自在なる蜘蛛糸が強化され、自分の身体の一部に魔法陣を付けることでそこから縦横無尽の糸を使える様になるアイテム。空中以外ならどこにでもくっ付ける糸を出して俊敏のステータスの倍の速度で移動ができる。
効果:人体付与(一回)、糸無限生成、糸性質加工(三つまで)、糸操作
ーーーーー
「中々いいね。糸に性質を加工できる部分も良い。視たところ性質の種類は自分のステータスを反映できる点も素晴らしい。片手が埋まるのは仕方無しか。左手首の甲の方に付けよう」
腕時計で隠せる位置に魔法陣を付けると四角い魔法陣ができた。試しに糸を出せば、感覚的にどんな性質を加工できるか、どれだけ同時に糸を出せるかまでも分かった。だがこれは並列思考が無いと使い熟せないな。まあいいか。
早速「十三層への鍵」を鍵束から出さずに糸で魔法陣を付与して解錠。むむむ、ちょっと難しいが…できた!そして糸を消して十三層へ向かう。
扉を抜けたらそこはまたもや洞窟だった。ただし地面はレンガで加工されていて、横に五メートル縦に六メートルというとんでもない広さだが。それにしても、
「臭い、というかこれ致死毒とかなり薄いけどモンスターの臭いだな。いやー毒耐性持っててよかったわ。入ったら即毒状態で、歩き回るうちに毒は悪化してそのままエンカウントした敵と戦うとか笑えん」
そして今俺のスキルは毒耐性だ。決して無効化では無い。時間はかけられないな。だが、全マップ制覇すべく、ガスマスクを装着する。全マップ制覇は譲れん!
ここで問題が発生した。視界については神眼や周辺精査でクリア、音もちゃんと聞こえるし、触覚も問題無い。だが嗅ぎ分けのスキルの効果が薄くなった。大したことない?いやいやそんな事はない。一から九階層はエンカ率を下げれたし、逆に十一層と十二層はエンカ率を上げれた。結構重要なスキルなのだ。
「まあ、全マップ制覇するならあんまり関係無いかもしれんがな」
ーズドンッ
「っと!?今のフラグだった?」
嗅ぎ分けではなく周辺精査で感知できたソレは、ガイコツだった。いや、多分スケルトンだな。しかもこのスケルトン大剣を振るうスピードがめっちゃ速い。更に言えば十体以上いる。うーん、たしか倒し方は魔石を抜く?だっけ。まあやればわかる。
再び大剣を振り攻撃するスケルトンの大剣にそっと手を触れて逸らす。そして隙だらけになった心臓部に浮いてる魔石を奪取すれば、スケルトンはドロップ品の何かの骨っぽい大剣を残して消え去った。うん成功。
弱点が分かったなら速攻で動く。十三もの魔石を抜き取り纏域に吸収させる。ドロップ品は全てマジックバックの中。稼ぎ場かな?売る場所無いけど!
「まあ、結果は上々かな。トラップは全部ガス系。物理攻撃系は一切無し。マッピングも終了。ではオープンザセサミ」
廊下と同じく大きな扉を糸で開け進むと、そこには人間さがかなり残ってるゾンビが七体。人間らしさが少し残ってるが魔石が覗けるゾンビが五体。そして立派な金属製の盾と、ひと目で名品だと分かる剣を持ったスケルトン?が一体。そして豪華な品のあるマントに王冠を被り、仙人が持つかのような杖を持つスケルトン…いやリッチか?が一体いた。
そして俺が広間に入ったら当然のようにひとりでに閉まる大扉。一斉にこちらを向くゾンビと半ゾンビ。睨むように見るスケルトン?とリッチ。
「まあとりあえず、燃えろ。火龍」
ゾンビと言えば炎に弱いというイメージなので、火でできた龍を突撃させる。雑魚ゾンビ十三体を骨も残らず焼き尽くしスケルトン?に向かわせると、
「マジか。盾一つで全身飲み込める大きさの火龍を防ぐか!!!」
止められた。火龍が全身を飲み込める大きさなのは間違い無い。少し唖然としたがこれ以上は無駄だと判断、火龍の口からリッチに向けて火を吹かせる。が、
ーザンッ
「……はあ!?一撃で俺の火龍を消し飛ばした!?!?どんな化け物だよ!…チッ、せめてもの救いは火龍を消し飛ばすだけで、俺まで攻撃が届かなかったことか。ならば近接戦で勝負じゃあ!!」
右手に成長の剣を召喚、左手から糸を出して高速移動。その勢いのまま突撃して剣を振るう。
ーキキキキンッ
「!?」
盾と剣を上手く使われ弾かれる。その後もシールドバッシュを避け糸を出せば剣で切られ、盾を弾いて手刀を振るえば剣で拮抗される。そして数合切り結び後ろに跳べばリッチの黒球で追撃される。コレを切れば仮称スケルトンナイトに切られるので避けるしか無い。そうして更に距離を取れば復活したゾンビたちが襲いかかってくる。
「(クソッ!)炎輪!」
そして魔法で完全に焼き払い再度突撃。突撃しなければ仮称スケルトンナイトが魔法を使った隙に襲ってくる。さっきからこの繰り返しだ。何か隙を見せれば即切られる。だから迂闊に魔法も使えずに突撃する他ない。千日手だが、こちらはガスマスク付きな状態なので、スタミナ限界がいつも以上に早くくる。つまり、いつかは負ける。
「クハハッ!」
そんな状況だからこそ、思わず笑い声が出る。スタミナで競い負けるなんて修行不足。呼吸がしにくいからスタミナが早く切れるなんて修行不足。剣を弾かれるなんて修行不足!
ーキキキキキンッキキンッ
無駄を無くせ。粗を探して潰せ。敵が振るう剣を正確に捉えて僅かに攻撃をずらす。直ぐに修正されたがこのまま修正を繰り返せばいけるか?否、これではない。こんな小手指では生身の人にしか通用しないだろう。
弾かれてまたもやきた魔法とゾンビたちに囲まれる。魔法でゾンビのみを燃やす。魔法は斬る!
ーキキキンッキンッ
先手を取られた。それは本当に魔法を斬ったからか?違うだろう?あのスケルトンナイトを視れば分かる。俺が魔法を斬る動作によって無駄が生まれ、その隙を狙われたからだ。スケルトンナイトなら隙が生まれていないだろう!?
だからもっと洗練された動きをしろ!無駄を無くしてもっと早く動け!そうすれば時間が生まれる。そうすれば魔法なぞ容易く乗り越えられる。もっともっと、斬れる物を増やせ!!それがヤツらとの重みの差を無くす最善手だ!!!
ーキキキキキンッ
ーキィィン
今度は斬った。魔法も、盾も、スケルトンナイトも、リッチごと。魔法に対して絶大な信頼があったのだろう、斬ったとしても隙が生まれると。盾と剣に絶大な信頼があったのだろう、敵から守ってくれるし斬ってくれると。
それ故に強く、それを破れば勝てた。それだけの話だった。
『見事なり、その剣を誇れ。ありがとう』
『その魔法をもっと誇れ。ああ儂からも、ありがとう』
そんな声が聞こえた気がした。
そうだな、そうするよ。剣と魔法は誇りだ。
『mission clear!
ダンジョン第十三層クリアおめでとうございます。
条件:ゾンビとグール十三体とスケルトンナイトとリッチの討伐。
報酬:第十四層への鍵、契約魔法の獲得』
『extra mission clear!!!
条件:初めて到達したボスの広間から出ずに単独でのスケルトンナイトとリッチの討伐。
報酬:DRポイント100、銅の宝箱』
『special mission clear!!!!!
発生条件:状態異常に一度もならず、第十三層を全てマッピングし、全てのスケルトンを討伐した上でボスの間までやって来ること。
条件:閉じ込められたボスの広間全ての魔物を倒す事。変更されたキングリッチとデスパラディンの討伐。
報酬:DRポイント500、虹の宝箱一個、金の宝箱三個、銀の宝箱五個、武器強化の種(幻想級)、マジック収納系アイテムの効果増大の同化布(空想級)』
『secret mission clear!!
発生条件:猛毒漂うボスの広間にて毒状態に一度なりながらもボスを撃破した。
報酬:DRポイント50、銅の宝箱三個』
『secret mission clear!!!!!
発生条件:変更され過去を思い出したリッチキングとデスパラディンを信仰魔法を使わずに成仏させる。
報酬:DRポイント500、銀の宝箱二個、虹の宝箱二個』
「……なるほどね。やけに経験の重みがある連携と戦闘だった理由は過去を思い出したからか。さぞかし強いコンビだったんだろうなぁ」
世界は広い。俺はまだまだ強くなれる。
毒が綺麗さっぱり無くなったボスの広間で倒れながらしみじみとそう思った。
一から十階層は約五時間で突破した。
十一階層は約三十分、十二階層は約五十分、十三階層は一時間半かかった。と考えています。
【魔法の説明】
・炎波
自分の前方に炎でできた波をぶち当てる火の広域攻撃魔法。炎の威力は弱い上に持続時間も長くないので、とにかく面攻撃をしたい時に便利。
・トルネード
自分を若干巻き込む範囲で竜巻を起こし、竜巻内部で鎌鼬を大量に発生させて竜巻外部にも飛ばす広域殲滅魔法。使う時は先ず自分を結界で守らないと自滅する。消費魔力が多いので多用はできない。
・なんちゃって次元斬り
剣を振るいできた隙間からディメンションカッターを放つ技。実際に次元斬りができない故の技だが、棚から牡丹餅的にディメンションカッターよりも早く・広く・正確に使える。
・火龍
龍(東洋の方の蛇みたいな竜のこと)を模して火で作った、操作性、威力、範囲、正確性、応用性、耐久性全てにおいて主人公の使える魔法の中でもトップクラス。牙が最も熱く攻撃力が高いが、範囲は小さい。また火龍を火で模しているだけなので物理攻撃では一撃で消し飛ばさないと消せない。
・炎輪
自分を中心に炎でできた輪を広げて、触れた敵を燃やす技。威力は弱いのだが、速射性と範囲に優れている。炎波より持続性が無いが、威力は高い。あくまでも炎波と比べた場合だが。