第1話 クライス
こんにちは、Nです。
深夜テンションで書いた物なので文がおかしな所や誤字脱字が修正しきれてないかもしれません。
初心者の下手な物ですが良ければ感想意見待っています。
[HQよりAlpha各機へ通達。敵機と思われる熱源体を確認。数5、距離1600、交戦中は敵のジャミングで通信が出来ないので戦闘中の判断は各々に任せます。]
このまま永遠に止まないのではと思うほど強く振り続ける雨の冷たさが、コックピットの中まで伝わってくる。
『了解』
『おっけー!』
『5!?多いよ!あわわわ!』
『ハル君、落ち着いてください。たかが1機多いだけじゃないですか』
『いやいや!平井さん冷静すぎない!?』
『落ち着いてハル、俺とユナが敵に切り込むから平井とハルで後方から援護を頼む。』
『よーし、ユナ頑張っちゃうぞー!』
『八一がそう言うなら…分かった。頑張ってみるよ』
『ありがとう、ハル。よし、このまま市街地をぬけて一気に距離を詰めるぞ!』
クライスのエンジンが急速に熱を帯び一気に加速する。
『敵前方目視で確認』
『よっし!いっちゃぇぇ!』
時速280kmの速度で敵に突っ込む。瞬間、敵の機体の脇腹から右肩にかけてすくい上げるように切り込む。
グシャァ
まるで紙を握るような、鉄の塊から発せられたとは思えない音が出た直後、ユナの刃も敵の腰あたりを真横に切り裂いていた。
『よし!一旦このまま直進して態勢を整える!』
『きゃっ!』
『ユナ!』
敵がワイヤーをユナの脚に絡ませユナの機体が敵ごと地面に派手にぶつかる。
『ユナ!答えろ!ユナ!』
ノイズが流れるだけで通信用デバイスからユナの声は聞こえない。
『くそ!ハル!平井!援護射撃!』
『でもその距離だと八一が巻き込まれるかも!』
『そんなの気にするな!撃て!』
残りの3機が八一目掛けて突っ込んでくる。
『ハル君、風速と距離は?』
『えっと…風速3m/sの距離600!』
ドォンッ!
爆音のような音が聞こえた直後、一番先頭を走っていたマクロプスの胴体が弾け飛ぶ。
『ッ!』
爆発の衝撃が骨まで伝わってくる。
クライス専用に造られたアンチマテリアルライフル。AMへカート。元々は対マクロプス用に造られた固定砲台の砲身を改良して作られたもの。威力は絶大だが次弾装填まで時間がかかるのが欠点。
『このまま2機とも倒す!ハル、ユナを任せたぞ!』
『うん、任せて!』
ユナに引き摺られて一緒に倒れた敵のもう一機が不安だが今は目の前の敵に集中しなければならない。
『高周波ブレード、展開』
折りたたみで収納された高周波で振動するブレードを肩から抜く。
一気に間合いを詰めてくる敵に対して八一も正面から突っ込む。
『8、7、6、5、今!』
その距離が5mを切ったところでクライスの左足部分のジェットブースターを最大出力で発進させる。八一の機体は右脚を軸に半円を描くようにして回る。
『うおぉぉぉぉ!』
直進してきた敵は八一の動きに間に合わず機体の反転が間に合わない。
カイの高周波ブレードが敵の背中を突き刺す。
『最後の一機は…んなっ!』
後ろから迫っていたもう一機の攻撃をギリギリ防ぐがぬかるんだ地面に足がハマって身動きが取れない。
『くそっ…!脚が…ハマっ…てる』
どうする、このまま耐えるか?ハルの助けを待つか?いや、無理だろう。
『ちょっと、耳塞いでて』
『え?』
またさっきと同じ銃声が聞こえる。
直後に目の前で鉄塊が鉄くずになる。
咄嗟に耳を塞いで鼓膜は守れたものの、衝撃はさっきの比じゃない。カイの機体も数十メートルは吹っ飛んだだろう。
『いっってぇぇぇ…』
『ごめんなさい、衝撃の事を考えてなかったわ』
『絶対…分かってやっただろ…』
『だって、《そんなの気にするな》って、八一君が』
『ぉぉぉぉぅ…』
そこから先はよく覚えてない。
ハルはあの後ユナを連れて戻ってきたらしく、俺は機体ごとひこずられて基地に戻っていた。
『ユナは大丈夫なのか?』
基地内にある医務室で隣のベッドに横になっているユナは平気そうに
『全然だいじょV、ちょっと腰が痛いけどね』
この調子なら明日には普通に戻れそうだと安心する。
『八一の方は?超至近距離でソラの弾食らったんでしょ?平気なの?』
『平気なわけないだろ、あいつやべぇよ、全身いてぇよ』
『あはは、まあそうだよね』
ユナは笑っているが、あの時は死を覚悟したまである。
『それにしても、八一は凄いね。初陣で撃破数2だもん』
『それを言うなら平井もだろ』
『あ、確かに。』
2人でそんな会話をしていると扉がノックされた。
『やあ、2人とも、調子はどうだい?』
櫻井要俺たちの隊の担当教官。今は10代パイロットのメンタルケアなんかも行いながら実戦訓練なども行うエキスパート。めちゃくちゃ美人。
『どうしたんですか?要さん』
『その前に他のメンバーもここに集められるかい?』
『どうしたの?急に全員呼び出すなんて』
ユナが不思議そうな顔で要さんに問いかける。
『唐突ですまないが、今日からこの隊に新しいメンバーが加わる』
新しいメンバー?そんな話は今まで聞いてない。
『さあ、入りたまえ』
ドアが3回ノックされ、ゆっくりと開けられる。長い銀髪に、ユナより少し小柄な160前半辺りの背丈、目鼻口はとても整っていてまるで昔のアニメからそのまま飛び出てきたような顔立ちの少女がそこに立っていた。
そして彼女はまるで鉄のような冷たさで
『私の名前は、フィーデン・メルナ』
あまり詳しくもない知識分野での創作だったので大変でしたがとりあえず終わらせられたので良かったです。
スピード感がえげつない気がしますが、あんまり気にしないでください。最後まで読んでくださりありがとうございました。