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なぜキャンプ?





私は普通の服を着て晴翔さんを待ちます、まあ襲われたくはないです、

なので普通の服を着ておけばその確率は低い・・と気休めではあります、

本気で襲われたらこんな服すぐに・・もう考えないことにしました。




「おい来たぞ!」




晴翔さんがノックもせずに部屋に入ってきて・・なぜか手を引っ張られ外へ、

そして連れてこられたのは・・




・・・







なんですかここ?




まるでキャンプ場のようですが・・




「よし!これからキャンプをするぞ!」




あなたは一体なに考えているのですか?




今は午後11時ですよ?




いくら敷地内と言ってもこんな真夜中にキャンプする気がしれません、

おまけに寒いしテントは簡素な作りで・・私はホテルの中で休みたいのです・・




「よし肉を焼くぞ!傍に来て手伝え!」




・・・




ヘタレな私は言われるがままに傍に行きお肉を焼くのを手伝います、

別にお腹は減ってはいないのですが・・いい匂いがしてきました。




「よし食うぞ!このタレは絶品なんだ!」




・・・



「い・・いただきます・・」




私は言われるがままにお肉を食べます・・




!!!!




た・・確かに美味しいです!




「どうだ美味いだろう!もっと食え!!!」




「は・・はい!」




外なので少し寒いからもあるからでしょうか?




このお肉がメチャ美味しいので私は無我夢中で食べまくります、

晴翔さんはかなりの量のお肉を用意してくれていましたが・・

私と晴翔さんは焼いては食べるを繰り返し・・・完食しました。




・・・




「ふう美味かったな、ほらお茶だ、ゆっくり飲め」




「あ・・ありがとうございます」




ほんのり暖かいお茶を頂いた私は・・しっかり飲み干します、

なんだかホッとした気分、するとトイレに行きたくなりましたが・・




「トイレに関しては離れのあそこを使え!早く戻って来いよ」




「わ・・わかりました」




まるで読唇術でもあるかのように晴翔さんは私の心を読んでいます、

私は急ぎトイレを済ませ傍に戻ります、当然手はしっかり洗います、

すると晴翔さんが・・




「ほら寒いだろ?これをかぶれ!」




「あ・・ありがとうございます」




私は毛布に包まり・・その後晴翔さんが私を抱き寄せます、

かなり近いのですけど・・でも心は男の私は全然ときめきません、

ふと晴翔さんの顔を見ると・・なぜか空を見ていました。




「ほら綺麗だろ?この空をお前に見せたくてキャンプしたんだ」




私はその言葉を聞いて空を見てみると・・




・・・




!!!




空は・・凄く綺麗・・無数の星が煌めいていて圧巻の光景です、

そういえば・・私はほとんど室内に籠もっているので空を・・

特にこの時間帯は寝てばかりなので・・凄く新鮮でした。



・・・



・・・



私と晴翔さんは・・寄り添いながらもお互い空を見続けていました、

異性には無関心の私ですが・・この自然の美しさには胸がときめき・・

気がつけば日付が変わっていたのですが・・



・・・



スースース-・・・・



いつのまにか晴翔さんは寝ていました、よく見ると目にクマがあります、

おそらくこの準備のために疲れ果てたのでしょう・・・



・・・



晴翔さんの寝顔を見ていて・・



・・・



恋心よりも・・なんか申し訳無い気分に陥っている私です、

普通ここまで想いを寄せてくれたなら・・



・・・



女性なら猛烈にときめくと思うのですが・・・



・・・



でも私はその感情はありません、気持ちは理解出来てはいます、

だけど私はこれからも異性にはときめかないでしょう、ホント困ります、

むしろ・・ますます沙綾香さんにこの場を譲りたい気分が増します。



・・・



スースース-・・・・



・・・



晴翔さんの気持ちは理解出来ます、でも私はとても受け止められません、

いっそ身体だけの関係なら割り切ることも出来ますが・・そうではないんです、

晴翔さんは本心で私に接して欲しい・・その気持ちだけは痛いほどわかります。




・・・



ほんとに・・どうしたらいいのでしょう?




・・・




この生活が苦しい・・本当に・・男に戻りたい・・・



・・・



皆は私の美貌を羨みますが・・




・・・



私は・・平凡でもいいので普通に生きたいのです、野心はありません、

本当なら・・平凡でも普通の大学生活を送って普通に就職してたはず、

ほんとあのサプリが憎い、あれさえ飲まなければこんなに苦しむことは・・



・・・



あれ?




・・・




私はあのサプリを飲んでこの身体になったのですよね?




!!!!




もしかしたら・・・



・・・



あれをもう一度飲めば・・私は元に戻れるかもしれません!



!!!!



翌日・・・




私は母に電話します!




「あら紗由美?どうしたの?」




「おかあさん!お父さんが私の飲ませたあのサプリまだあるの?」



すると?



「うふふ・・そう言うだろうと思って用意してはいるけど・・

欲しいなら取りに来なさい、いつでも待っているわウフフフフ・・」







なぜか不気味に笑う母に・・



・・・



私は違和感しか感じませんでした。










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