表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/132

使いたいのに・・・




今度の私の役は・・沙綾香さん演じる悪役令嬢にいじめられるメイドさん、

貧乏大学生の私が交通事故に遭いその衝撃で異世界に召喚される内容です、

召喚された先はある王城、そこで私は王の娘の沙綾香さんに仕えます。




・・・




私は初日から罵声を浴びせられ紅茶をかけられるなどいじめ生活に陥ります、

人生に絶望しかけた私に救いの手・・それは隣国の王子様・・晴翔さんです、

彼に助けられ私はその国から脱出、そして王子様と結ばれるという内容です。




・・・




私と沙綾香さんと交代できないのでしょうか?




私が悪役令嬢になった方が盛り上がると思うのですが?




それに対して愛華先輩はこう一言!




「貴方はヘタレだから虐める役は向いてないわ!」




仰る通りです。




まあ役としては私は虐められる方が向いているようなので静観します、

ただ沙綾香さんは超不機嫌、イメージがさらに下向くとかなり怒ってます、

まあ気持ちはわかります、グッズの売り上げ見ても不人気は否めません。




なので・・・




沙綾香さんはこの役だと出たくないと出演拒否、相当愛華先輩と揉めました、

愛華先輩は宥めますが沙綾香さんの怒りは止まらず結局出演拒否、

その代わり澪さんが立候補、まず名をあげたい彼女は気合い満々です。




「何してるのよ!この役立たず!こうしてくれるわ!」




「ご・・ごめんなさい!ごめんなさ~い」




無名よりも悪名の方がマシだと気合い入れて役に没頭する澪さん、

その気迫はすざましく・・ブーイングも出ましたが彼女はお構いなし、

とにかくこの役で這い上がるんだと・・殺気に満ちていました。



ただ・・



舞台が終わる度に澪さんは私に詫びの挨拶、どうかしたら土下座も・・

さすがに愛華先輩はそこまでする必要は無いと言いますが彼女は謝ります、

そんな感じで舞台は進み澪さんの気迫で私のモヤモヤは吹き飛びました。



しばらくして・・



舞台は終了、今回もほぼ満員御礼だったので愛華先輩は一安心。



それと・・



澪さんの悪役ぶりが評価され・・以降彼女の出演依頼が殺到しています、

というのも愛華先輩が澪さんが私に謝るシーンを頻繁にネットで流していたのです、

本人はここまで必死・・それを見たファン感激し澪さんを応援しています。



・・・



一気に有名となった澪さんに・・沙綾香さんはものすごく不機嫌です、

別に彼女が嫌いなわけでは無さそうですが・・少し立場が逆転しています、

今迄沙綾香さんに来ていた仕事が澪さんに鞍替えしているからでしょう。




そのため沙綾香さんは・・落ち込む日々が続きます。



・・・




私としては・・自分の立ち位置を全部沙綾香さんに丸投げしたい気分です、

この世界で生きると決めてはいるのですが・・どんどん仕事が増えています、

虐められる役があの後から増えて増えて・・贅沢な悩みなのでしょうか?



・・・



虐められる役はほんと辛いです、分かってはいるのですが日々落ち込みます、

最近はTVでもその役を求められ・・罰ゲームを受けることが多くなりました、

なので心身が疲れ果て・・私は寝込む事が多くなりました。



・・・



休みの度に寝込む私、さすがに律子さんが心配して愛華先輩に苦言をします、

儲け頭を壊してどうするんだと・・愛華先輩はそれを聞いて一旦TVを打ち切り、

そのため仕事は減りましたが私の体調は少しずつ回復していきました。




2ヶ月後・・




楽しみにしていた小動物の番組は打ち切り、私がいないので視聴率激減です、

ただ愛華先輩はこの番組に関しては独自に作成する意欲を見せ放送開始、

具体的には自分達で番組を作成してネットで放送するというものです。




これが意外と好評!私も出演できるしスポンサーも次々決まっていきます、

これに焦ったTV局は愛華先輩に番組をTVで放送してくれと頼んできました、

これには愛華先輩も悩みます。というのも・・・



・・・



TV局とは喧嘩別れしたわけでは無く単純に私がロケに耐えられなかっただけ、

ただTVにすると放送枠の問題が絡みます、まあいわゆる締め切りですね、

その分自己作成のネットならある程度融通が利きます。




・・・



実際ネット番組は日付も放送時間もバラバラなので気が楽です、

融通が利くの加え無料で見れるので視聴者様からの苦情は現時点0、

まあ放送前にその事は告げているので個人の延長感覚ですね。




ただTV放送となれば編集も必要ですしロケ地に出向く必要があります、

それが私には相当負担なので愛華先輩は他の影響を考え断ろうとしました。




実際私は軽減のためロケ地はほとんど行かずに相手に来て貰います、

相手方には宣伝に関しては激安で対応しているので旨みがあるのでしょう、

なので出張もお構いなし・・



!!!!!!!!



スポンサーが減ると危惧したTV局が猛烈に懇願してきました!



・・・



さすがに無視は出来ないので・・



そこで愛華先輩は一週遅れなら放送してもいいと妥協しました、

TV局もそれに応じ一件落着、以降私は負担が軽くなりTVの出演も増えました、

そのおかげで私は給料が上がり通帳を見ると預金高は4千万を超えてました!




これだけあれば・・




少しぐらいなら使ってもいいですよね?




欲しいものも沢山あるし~~~!




ルンルン気分の私は愛華先輩に預金を卸す許可を求めましたが・・




・・・



思いっきり却下されました。



























評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ