親父の帰宅
親父が海外出張から帰ってきた。
なんでも東南アジア各国の工場を周ったそうだけど・・
俺としては早く約束の小遣いがほしいので催促した、
親父がくれた封筒の中身は・・夏目漱石さん一枚だった。
・・・
あれだけの想いしたのに?
かなりテンパっていたのに・・これ一枚?
まあ女性の姿になったことは報告してないからな~、
普通のビタミン剤扱いならこの額でもしょうがないか、
ありがたく受け取っておこう。
さて・・
その親父は母さんを連れて、コスプレ服を沢山持って外出、
俺も誘われたが・・さすがにその世界に入る勇気はない、
てなわけで、一人部屋に籠り考え込んでいる・・
まず・・
外出時に女性姿になった時が問題だな、さてどうしよう?
着替えは用意できてるけど・・その時点から俺は別人になる、
知り合いはもちろん・・父さんと母さんも赤の他人なのか~。
・・・
!
重大な事に気が付いた!
待てよ?
その場合俺は天涯孤独ってこと?
家にも入れないってこと??
身分証明書も全部使えないってこと???
・・・
考えれば考えるほど恐ろしいんですけど?
俺まだ高校生だから・・来年大学だけど未成年だよね?
女性姿になっても未成年なのは変わらないのか?
俺はスマホを取り出し以前撮影した画像を見る
・・・
どーみても俺だとは思えない、声も違うから完全な別人だ、
ただ同じ年頃なのは感じる、ということは高校生扱いなのか?
・・・
とにかく・・この姿にならないように気をつけよう、
万一変わった時に備えて、くしゃみをする薬が要るな・・
・・・
くしゃみを抑える薬は効いたことあるけど・・
逆は無いよね?
俺は急ぎ台所に行き空き瓶を手にとりマスクをして外に出る、
窓の下の土を叩き土埃がたくさん舞ったので急ぎ瓶につめる、
これを吸い込めば自在に変われるかも・・
部屋に戻りさっそく実験する。
窓にカーテンを、各部屋を閉め切り玄関と勝手口には鍵、
瓶を空けて、思いっきり土埃を吸い込む~~~~~~~~~!
~~~~~~~~!
『はっくしょん!』
身体の変化を感じながら、俺は女性の姿になり鏡を見る!
・・・・
自分じゃなかったら・・彼女になってほしいよ!
!
俺は服を全部脱いで鏡を見る、夜のオカズになるかも・・
・・・
妙だ?
これだけの美女が全裸なのに全然性欲が沸かない・・
なんか母さんの裸を見てる感覚だ、どうやら?
この姿になった時、男の俺の性欲は完全に消えるらしい。
『ただいまー!』
やばい!
母さんたちが家に帰ってきた、親父も一緒にいる!
瓶!瓶!
俺は急ぎ瓶の中の土埃を吸い込んだ、けど?
えっ??
おいおい・・くしゃみが出ないぞ?(汗)
急ぎ服を着てもう一度土埃を吸い込む、
でもくしゃみが出ない?免疫が出来たのか?
『絋~~何してるの?さっさと降りてきなさい!』
返事が出来ない!声が変わってるから返事が出来ないんだ。
階段を上がってくる母親、俺はすぐさま押入れに隠れた。
・・・
服!服!!
俺は押入れから急ぎ出て自分の・・男の服を急ぎ着ているが・・
・・・
胸がひっかかる・・
Dカップ位あるのかな?俺の服だと小さい、急いでるのに~~
・・・
何とか服は着れたが・・このままだとヤバいな。
「絋いい加減にしなさい!いるのはわかっているのよ!」
なぜわかったんだ?
や・・
やばい!
と・・
とにかく隠れないと・・この姿だと不審者だ!
警察に突き出されるかもしれない!
「絋!入るわよ!」
やばい!!
俺は急ぎ押入れに隠れた、そしてふすまをしっかりと抑える、
そして・・母親が部屋に入ってきた!
「あら?誰もいないの?おかしいわね~~」
母親は部屋をさっと見て・・押入れの俺に気付いて無いようだが・・
!
は・・鼻が・・かゆい・・
・・・
母親が不審に思い押入れのふすまを開けようとする・・
!!!
俺は押入れのふすまを押さえ続けた、そして・・
危機一髪だった!