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危険な状況





悩んでいる私に母がある提案をしてきました。




「紗由美じゃあこうしない?あなたが男に戻ったら自由にするわよ」




突然の母の提案に戸惑う私、すぐさま真意を尋ねます。




「ど・・どういうことですか?」




「だからね~愛華さんも晴翔君も貴方が美しい女性だから留めたいのよ、

でもあなたの本当の姿・・男の姿には用は無いから戻ると価値がないのよ、

そういうことでしょ愛華さん?、私間違っているかしら?」




「い・・いえ・・失礼ですがその通りです」




これを聞いて・・




・・・・




私はとてつもなく落ち込みます、実の母から価値無しと言われたのです、

ですが母の言うことも一理あります、男に戻れば確かに私は用無しです、

自由にはなれますが・・でもそれだけでは・・」




「もちろんタダじゃないわよ、その時は貴方が稼いだ全額を支給するわ、

今でも数百万あるから当分生活は困らないわ、それならいいでしょ?」




そう言って母は私・・いえ篠崎絋の通帳を取り出し私に見せます、

その額は・・・



・・・




!!!!!!!!




875万4829円の残高が記載してありました、一体どうして?

私が母に没収された時には数万円しかなかったのに・・




「貴方が劇団で働いてた報酬そのまんまこの口座に入れておいたのよ、

愛華さんと晴翔君はあなたの出演料やグッズ関連の印税を払っているわ、

だからこれはあなたのもの・・でも今は渡すわけにはいかないわ!」




「ど・・どうしてですか?」




「答えは単純よ、いまこれを渡したらあなた確実に逃げるでしょ?」




それは当然です・・・




「でもそれだと困るのよ、もうあなたの出演予定ぎっしりだからね、

この先もあなたは愛華さん達の所で働いてもらわないと彼女達困るのよ、

愛華さんも言ってたでしょ?あなたはドル箱だって・・」




なんという母親なのでしょう!!!




今は女ですけど・・もとはと言えば私はあなたの子供なんですよ!!




それを用無しとか・・よくそんなこと言えますね!!!




私はものすごくムカつきましたが・・話に続きがありました。




「それとね・・あなたはもう一般にはなれないわ、とても危険なのよ」




「えっ?どういうことですか?」




「今の貴方は有名人、演劇関連で貴方を知らない者はいないと言っていいわ、

だから危険なのよ、とても1人にはできないの?意味わかる?」




「い・・いえ・・・」




「さっきお見合い写真見たでしょ?貴方を娶りたい男性は数多いのよ、

それに加えストーカーも増えてるわ、だからSPさんを傍に置いてるの、

貴方は知らないけどね、愛華さんの劇団に脅迫文まで来ていたのよ」




「そ・・それはどうしてですか?」




「単純にあなたに惚れてるのよ、だけどそれは危険な輩達なの、

貴方を手に入れられるなら過激な行動もするでしょうね、もうわかる?

貴方はもう引き返せないの、愛華さん達の守りが無いと危険なのよ」




・・・




あまりにも理不尽な言葉を聞いた私は心で憤慨・・でもすぐ冷めました、

よく考えると私は本来この世界にいない人間ですから・・・




・・・



自分にはわからない・・特別な魅力が私にはあるのだと思います、

だから愛華さんも・・晴翔さんも私の正体を知っても求めています、

それは他の男性達も・・・確かに一人だとものすごく危険のようです。




でも・・・




またあの屋敷に缶詰にされるのは嫌です、でも私には何もない・・

私は母とDNAの繋がりすらありません、なので今は完全な他人です、

今更子供だと訴えても無駄でしょう・・




・・・




私はどうしたらいいのでしょう?




絶望で落ち込む私を見て・・愛華先輩が口を開きます。




「紗由美さん!聞いてくれる?」




「は・・はい!!」




「貴方を監禁していたことは謝るわ、でもしょうがなかったのよ、

貴方の人気は私の予想を超えてたわ、もちろん晴翔も同じ考えなのよ、

でも私は・・自分より美しい貴方を妬んでもいるの」




私は恐怖で黙り込みます、愛華先輩の眼が怖いからです。




「でも言い換えれば・・あなたが私達の傍にいてくれたら夢が叶うの、

私達姉弟には夢があるのよ、それは自分の劇団が世界に認められること、

そして・・その世界の頂点に立ちたいの、だから必死で努力したわ」




つづけて・・




「でも越えられない壁もあったのよ、だから今はもがいている状態、

でもあなたを見て・・あなたがいれば夢が叶うかもしれない、そう感じるの、

だから私達の傍にいてちょうだい、私達はあなたを必要としているわ」




・・・




正直演劇や劇団には全然興味のない私ですが・・・




・・・




今の話だと・・どの道私は誰かに狙われ命を狙われる状況のようです、

この姿のままだと一般に戻るのは・・というか私は元々いない存在です、

なので強大な後ろ盾が無いと間違いなく攫われ最悪人体実験にされる・・




・・・




怖さと孤独さで頭が混乱し取り乱す私、どの道も希望は無さそうです、

ならせめて身の安全だけでも・・愛華先輩の言葉に心が揺らぎます、

もう私にはこの道しかない様です、なので・・




「じ・・条件・・いえお願いがあります」




「なにかしら?言ってみて!」




「わ・・私が男に戻ったら本当に自由にしてもらえるのですか?」




「ええそれは約束するわ、正直男の貴方には興味はないの、それと・・

監禁は貴方を守る為だから早まった行動は絶対やめて!その代わり・・

待遇は改善するわ、ある程度の我侭も聞いてあげる、これでどう?」




これを聞いた私は・・・




・・・




頷くしかありませんでした。




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