メイドさんからの陰険な虐め
晴翔さんは怒りながら私がいる部屋を出ていきました、というのも・・
自分がこれだけ配慮してるにも関わらず・・私は操り人形と言いました、
これは晴翔さんにとっては・・多分自分が苛めてると考えたのでしょう。
・・・
確かに晴翔さんは言葉も通じ私を大事にはしてくれます、でもそれだけです、
おそらく母から自分の息子の行方を知る私を甘やかすなと言われたのでしょう、
今迄の扱いから見てもそれは間違いないようで・・私は完全な容疑者扱いです。
でも・・
愛華先輩が言いましたが・・私が息子の絋そのものだと言っても通じません、
完全に異なる私が何を言っても無駄でしょう、さらに持ち物は没収されました、
なので私は警察に突き出されると思いましたが母はそれは躊躇ったようです。
というのも・・
母は娘を欲しがっていました、そういう意味では私は理想の存在です、
最初にこの姿で面会した時母は私を見て驚き・・美貌に惚れたようです、
そういう意味では人形のように操れる私を手放したくないのでしょう。
・・・
えっ・・・?
・・・
なぜかこの後から食事が来なくなり・・
私は思わぬ形で兵糧攻めにあっています。
・・・
疑いたくはないのですが・・もしかしたら怒った晴翔さんが止めたのでしょう、
部屋からは出れない私、空腹を誤魔化すため洗面所の水を飲み凌いでいます、
お腹の虫が鳴りやまない私、出来るだけ動かないようにして体力を温存します。
・・・
・・お・・お腹すいた・・
・・・
3日後・・
飢えのレベルにまで達した私は意識が朦朧、さらに疲労も重なりました、
今迄の舞台の疲れも重なり・・立つことも難しくなった私、ちなみに・・
何度もドアを叩いたり等訴えはしましたが完全に無視されています。
その時・・ノックの音がしました。
「おい入るぞ!新たな舞台の話だ、そこに座れ!」
晴翔さんは沢山のパンフレットを持って机に広げます、でも私は・・
何とか椅子までは移動しましたが・・晴翔さんの説明は頭に入りません、
朦朧とする私、その顔を見た晴翔さんは・・
「お前・・俺の説明聞いているのか?」
「えっ・・、は・・はい・・」
「俺を馬鹿にしてるのか?話をしっかり聞け!」
「は・・はい・・すみませ・・」
バタアーーーーー
次の瞬間私の意識は飛び・・そのまま倒れ気を失いました。
「おい!大丈夫か?しっかりしろ!!!!!」
ここから先は・・
意識を失った私は記憶が無く・・
気がついたら病院でした。
・・・
病室の外から怒声が聞こえます、この声は晴翔さんのようです、
後から聞いた話ですが・・
私が晴翔さんを怒らせたと勘違いしたメイドさんが私を恨んだようです、
そのメイドさんは私の食事担当、食事をゴミ箱に捨て笑っていたようです、
憧れの晴翔さんを怒らせた罰だと・・完全な逆恨みのようです。
そのため私は衰弱し動けなくなり・・
舞台は代役で対応するようで問題はなし・・人気はイマイチのようです、
ちなみにそのメイドさんは解雇、晴翔さんに怒られ屋敷から出たそうです、
予定が狂い猛烈に不機嫌な晴翔さん、でも私は立つ事すらできませんでした。
・・・
5日後・・
やっと立てるようになった私、思ったより衰弱していたようで震えます、
しばらくリハビリを・・すぐに退院させられまたあの部屋に戻らされます、
まあ当然でしょう、私は無一文・・SPさんが現れある説明を受けます。
「あなたに言いたいことがあるわ!」
「は・・はいなんでしょう?」
「今回の件だけど・・これは絶対口外したらダメよ!」
「えっ?」
「わからないの?あなたを飢えさせたとマスコミが知ったら大事よ、
あなたはもう有名人なんだから変な言動はしない事!わかったわね?」
「ど・・どういう意味ですか?」
「悟りなさいよ!この事がマスコミに知れたら晴翔さんが大迷惑よ、
ただでさえあなたを苛めてると噂があるんだから騒がれては困るわ、
だからあなたは何も言わずこのまま過ごせばいいのよ!」
・・・
私はこの言葉である程度理解しました。
後から聞いた話だと・・どうやら以前の地元TVのインタビュー、
スタッフの中に日本語がわかる者がいたらしく私の会話を聞いていました、
でも通訳は全く異なる内容を伝えたので・・これが発端のようです。
役つくりとはいえ・・生気があまりにもない私を見て疑問を抱いたようです、
さらに私はほぼ監禁状態、年頃の娘が一切外に出ない事を疑い出したのです、
もしかしたらあの娘は監禁や虐めを受けている・・と報道されてるようです。
・・・
まあその通りなのですが・・
今回の事が外部に知れたら全体管理者の晴翔さんはピンチに陥ります、
特に危惧されたのが人権団体、以前から晴翔さん達に目を光らせています、
場合によっては逮捕される状況らしくSPさんは私に念押ししました。
「いい?絶対晴翔さんに迷惑をかけちゃダメよ!わかったわね!」
私は少しカチンときました、と言うのも被害者の私は無視しているからです、
こんな態度だからおそらく虐めが常習化してるのでしょう、ほんと呆れました、
私からすると虐めていた貴方方がどうなろうと知ったことではありません。
なので・・
晴翔さんも・・どうなっても知ったことではない・・
!
えっ?
なぜか・・
・・・
突然晴翔さんの事が気になって・・
・・・
私は焦りが止まりませんでした。




