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脱走失敗




私は荷物をまとめアメリカに・・と言っても持ち物は何もありません、

既に母が男の時の荷物を全部没収しているので着ている服だけです、

これも借り物なので・・返すと本当に裸一貫になってしまいます。




そう晴翔さんに告げたら・・




・・・




「お前・・本当に一体何者なんだ?」




晴翔さんが私の詳細を聞き呆れ顔、ですが私はプータローとしか言えません、

なのでパスポートも無し、これではアメリカに行くことも出来ません。




それを聞いた晴翔さんは・・さらに考えこみます。



・・・



私は秘かに期待しました、文字通り裸一貫なので身分証明等も当然ありません、

こんな得体のしれない人物を晴翔さんが使うわけない・・追い出されるかも?

まあ母が絡んでいるのでそれは無いとは思いますが・・




・・・



晴翔さんは考えこみます、私を使いたいのは変わらないみたいですが・・

規制の厳しいアメリカになにも無い女性をさすがに連れてはいけません、

この話は白紙になる・・私は変な話ですが追い出される事に期待しました。



・・・



・・・



晴翔さんはスマホを取り出し席を外し庭に出て誰かと長電話しています、

愛華先輩は別用があるので既に移動、この部屋には私と女性SPが3人、

そのSPは全員晴翔さんを気にしてるので・・チャンスと考えました。



・・・



「あ・・あの~すみませんトイレに行きたいのですが・・」



「えっ?ああいいわよ、勝手に行っていいわよ!」



「あっ・・はいわかりました」




SPさんは晴翔さんに夢中、私はゆっくり部屋を出てトイレに行きます、

用を済ませた後脱走計画、周りは晴翔さんを気にして私は蚊帳の外です、

今なら逃げ出せる・・




私は裏口に周り・・・



・・・



あっさりと外に出れました!!!!




「やったぁ~~~~~~~!!!」




声を出すとまずいので・・私はジェスチャーで喜びを表現しました。




さてここからは・・




私はなにも無いのでまずは役所に行き難民として援助を仰ぐことにしました、

男の時役所で外人さんが難民申請していたのを見て思い出したからです、

今の私なら難民扱いしてもらえるはず・・かすかな希望を抱きます。




さて・・こっちかな?




私は役所があるであろう方向に歩きだし・・



・・・



・・・



えっ?



なんで私浮いてるの?



・・・



私はゆっくり後ろを振り向くと・・




!!!




「お前・・なにしてるんだ?」




は・・晴翔さんーーーー???




私は猫の子のように首根っこを掴まれ宙に浮いた状態、

逃げようにも足が地面に接していないので逃げられません、

めちゃ怒る晴翔さんに連れられ屋敷に戻される私、脱走失敗です。




!!!!!!




晴翔さんの猛烈な怒りに怯える私、脳天グリグリゲンコツの刑を受けました、

後から聞いた話ですが・・私の着ている下着には発信機がついてたそうです、

なので私の行動はバレバレ、脱走した私に晴翔さんの怒りは止まりません。



!!!




!!!




1時間ほど怒られた私は半泣き状態、周りのSPさんは呆れ冷ややかな視線、

やっと解放された私は部屋で一休み、窓から外の景色を見て落ち込みます、

唯一のチャンスだったのに・・以降私の監視は特に厳しくなりました。




翌日・・・




なにやらお偉いさん達が次々屋敷に来て晴翔さんと話をしています、

私は蚊帳の外で部屋に籠らされます、ただ時々写真を撮られました、

しばらくして晴翔さんが部屋に来ました、まだ怒っているようです。




「お前の身分証明書だ、大切に扱えよ!」




えっ?




晴翔さんが机の上に出してきたのは・・私のパスポート?

他にもビザや健康保険等が私の・・篠崎紗由美の名が刻まれています、

一体どうして?私は戸籍も経歴もないのに・・




「知り合いに頼みまくり用意してもらった、これでアメリカに行けるぞ」




どうやら晴翔さんの知り合いは役所関連もいるようで用意できたそうです、

母が養子として迎えようとした紗由美の名前がそのまま残っていたらしく・・

なので合法的に用意できたそうで・・晴翔さんはなぜか私を睨みます!




「今度逃げたら・・わかっているな?!!」




虎に睨まれたような殺気を感じた私・・



・・・



「は・・はい・・わかっています・・」



静かに頷くことしかできませんでした。


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