コスプレ大会への参加要望
女性姿の俺は実の母と対面、母は目が点となり俺を見ている、
まあ同一人物とはとても思えない今の俺の容姿・・
バレることは無いだろうと思いながらも母を部屋に案内する。
「おかあさま、よろしかったらお上がり下さい」
「えっ・・ええお邪魔するわ」
母親はゆっくり部屋に上がる、部屋を一通り見て俺の持ち物を確認、
どうやら自分の息子がこの部屋にいたのは間違いなさそうだ、それと・・
目の前の俺・・紗由美の荷物もある、どうやら同棲してると見たようだ。
・・・
自分でも複雑な気分だが・・今は何とか凌ぐしかない、
とりあえず俺は緊張した雰囲気を和ませるためお茶を注ぐ。
「おふく・・いえいえお母さまお茶です!どうぞ!」
「あっ・・ありがとう、頂くわ」
母は戸惑いながらもお茶を飲んでいる、飲んだ後袋を取り出す、
それは買ってきたお弁当、なぜかお好み焼きを3つ買ってきていた、
母は一つを俺・・ややこしいので俺が女性姿の時は女言葉で話す。
「どうぞ紗由美さん、あたたかいうちに食べてね」
「あっ・・ありがとうございます!」
緊張で朝から何も食べていない私は・・お好み焼きの蓋を開け感激、
箸を取りゆっくり食べ・・髪が邪魔なので蓋を閉じていた輪ゴムを掴み・・、
そして髪を束ねてお好み焼きを食べま・・
・・・
母が私を・・ものすごい眼差しで見ています。
・・・
「あの~~何か私の顔についていますか?」
「えっ?いえいえあなたすごく綺麗なのね!驚いていたのよ、
まったく絋ったらどこでこんな美人を捕まえたのかしら?、
どう見てもあなたモデル級だもの、絋とは全然釣り合わないわ」
・・・
自分の息子をなんだと思っているんだ?あんたは・・
・・・
気まずい雰囲気の中だけど・・
私は空腹に耐えきれずお好み焼きを食べます、母も食べ始めました、
ですが・・母は私を見ながら薄ら笑いを繰り返しては食べています、
何か魂胆があるよう・・今はお腹が空いてるので構わず食べます!
「ご馳走様でした!!」
一気に食べた私はお腹いっぱい!思わず床に転が・・母が見ている、
私は眠たいけど母が見てるので・・何とかこらえて笑顔で誤魔化す、
その笑顔を見た母は・・なにを思いついたのか笑いながら語る。
「ねえ紗由美さん?」
「は・・はい!!!なんでしょうか?」
「あなた本当に可愛いわね、それを見込んでお願いがあるんだけど?」
「な・・なんでしょうか?」
「実は来月私が主催している大規模なコスプレ大会があるのよ!
それに参加してみない?まだ余裕があるからエントリーは可能よ!
あなたなら優勝狙えるわ!賞金も出るからぜひ参加して!」
普段何してるんだよあんたは・・
「い・・いえいえ私なんてとても・・」
「あらそう?あなたならマジで優勝狙えると思うけど・・?」
「わ・・わたしは何も衣装がないので・・無理です!」
「それは心配いらないわよ!私が持ってる衣装を貸してあげる!
いろんなサイズがあるから任せて!とっておきを貸してあげるわ!」
何なんだよあんたは・・
その後も私は断ろうとしましたが・・賞金の上乗せを呟かれ心が揺らぎます、
さらに参加賞や交通費なども全額出すと言われたのがトドメとなります、
もう通帳の残額が厳しいのでバイトしようと考えていた矢先の誘惑・・
・・・
「それじゃ来週東京に来てね!これは交通費よ!」
母は10万程置いて笑いながら帰っていく、俺は完全に忘れたようだ、
俺・・いや私はその10万を握りしめ・・意志が弱い自分を嘆きます、
だけど・・このお金で当面は凌げる、さらに賞金が入れば・・
・・・
ちなみに優勝賞金は50万円!準優勝でも20万あるそうです、
もうこうなったら賞金を狙おうと・・この日から女性磨きに専念、
化粧や衣装、言葉使いや仕草など入念に鍛え優勝を狙います。
そうして・・
「ご乗車ありがとうございます、このバスは東京行です!」
俺・・いや私は夜行バスで移動、料金が安いのと人目線を避けるため、
移動中はカーテンを閉めれるので安心して移動できます!
こうして・・
私は東京に移動!
唯一の不安は・・
・・・
逆に男姿に戻るのが怖かったです。