やっときたプロポーズ
講師となった私は日々壇上に立ち今迄の経験を語り授業しています、
流石に性転換の事は伏せてますがそれ以外はありのままを話します、
特にいじめがあって殺されかけた事に関しては生徒が興味津々でした。
「さ・・紗由美先生、その時はどう対処したのですか?」
「あの時は母が解約したスマホをカバンに入れていました、なので・・
それを作動させ録音して証拠として先輩に事情を説明したのです、
それ以降その輩達は追放され私の前に二度と姿を現しませんでした」
・・・
生徒達は黙り込みます、話の内容からして始末されたと思ったのでしょう、
まあ風の噂でそのような目に遭ったそうですが私は当然だと考えています、
それに・・なんで自分を殺そうとした輩を庇う必要があるのでしょうか?
そう思った私は当時の気持ちと記憶をありのままに伝えます。
「当時先輩は大事な舞台を延期せざるを得ず涙を流しお詫びをしました、
特にこの舞台は欧州進出を賭けた大事な舞台でしたが数々のスポンサー様、
待ち望んでいた観客さん達も説明に納得されて延期は了承されました」
「ですが・・」
「ど・・どうなったのですか??」
「一部の関係者は膨大な損失に加え憧れの先輩の涙を見て激怒しました、
私は噂でしか知りませんが私を貶めようとした輩達は以降消えています、
それらがどのような結末を迎えたのかは・・私は本当に知りません」
さらに・・
「私が皆様にお伝えしたいのは・・自分を守る術をまず身につけること、
そして危険を感じたらすぐその場から逃げる事です、それは恥ではありません、
まずは生きることが最優先、そして出来る備えは可能な限り準備することです」
ここで質問が出ました!
「紗由美先生はその輩達に復讐しようと考えたのですか?」
「それは当然ですね、私はその輩達にはなにもしてません、ですが・・
輩達は単に私に嫉妬して殺人まで行おうとしました、これは理不尽です、
なのでその時まで耐えチャンスを模索して実行に移しただけです」
「それと・・私も寿命を全うしたい、途中で殺されるのは絶対嫌です、
それが嫉妬や嫌がらせならば尚更です、それは皆様達も同じの筈です、
なので私はその時まで耐え自分を守るために行動を起こしただけです」
そして私は締めの言葉を語ります!
「嫉妬や嫌がらせは人間の本能だとは思いますが・・制御は出来る筈です、
これを繰り返すといずれ自分に返ってくるでしょう、その時はもう遅いのです、
どうかしたらこの世から消される可能性もある・・なので慎むことを推奨します」
「人それぞれ長所・短所があります、それを理解して慎むのです、
逆を言えば相手の短所と自分の長所で対立があるでしょう、そこで勝つのです、
もちろん負ける時もありますがその時は精進して追い越せばいいだけです」
パチパチパチパチ!!!!
私は教壇に立った時はこんな感じで人生経験を語る毎日が続きます、
個別の指導ではこれまた私の経験そのまんまを語ります、例えば・・
「紗由美さんは舞台に立つとき何を考えているのですか?」
「私は深く考えません、ただ役の人物になりきり人生を生きるのです」
そうなんですか・・
生徒さんの殆どは私が何か秘策があると思い込んでいたようです、
ですが私はそのまんまを話すと意気消沈するので励ます事も多いです、
そんな感じで自然体で接する私ですが・・正直疲れまくる毎日でした。
一月後・・・
やっと先生達がインフルエンザから解放されて次々と出勤してきました、
なので私の仕事も終わり、やっと家に戻りのんびりする事が出来ます、
ですが舞台の話は未だに無し、なので私はルルと遊ぶ毎日を過ごします。
数週間後・・
身体がなまるので日々トレーニングは欠かさない私、ルルも一緒です、
その時はレオタード姿、まあ昼間は誰もいないので大胆ポーズもします、
そしてとても恥ずかしいポーズを披露、するとドアが突然開きます!
!!!!
ドアを開けたのはミッキーさん、どうやら早退したようです、でも・・
そんなことは聞いてない私、すぐに起きましたが大胆ポーズは見られました、
私は大慌てで起き上がり・・するとミッキーさんが突然抱きついてきました!
そして・・
「さ・・紗由美さん、僕と結婚してください!」
???????
突然のプロポーズに戸惑う私、まあ待っていたので一応頷きました、
そのままベットインかと思いましたが抱きかかえられた先はなぜかリビング、
そして私を座らせ・・なにやら神妙な顔で理由を語り出しました。
別に理由は聞く必要は無いのですけど・・
さっさとヤルことをやってくれればいいだけなので・・
・・・
ミッキーさんが凄く複雑な顔をしていたので・・
・・・
私は一応突然のプロポーズの理由を聞くことにしました。