講師にされた私
母猫となったルルの母乳を飲んですくすく大きくなる子猫達、ただ・・
時々ニャン吉が寂しそうな顔をしてますがルルは無視して子供に夢中です、
そしてその横で・・羨ましそうに見ているあんぽんたんな二人がいました。
「うわあああ~~子猫達かわいいね~~~!!!」
「あははははは~~ほんとかわいいね~~食べちゃいたいね~~~~~!」
・・・
お馬鹿モードのマーリットちゃんとミッキーさんが子猫の前で転がります、
これは親馬鹿なのか甘えなのかおふざけモードなのかは私にはわかりません、
ただ子猫を溺愛し熱中してるのは確かなので私は温かい目で見守ります。
翌日・・・
マーリットちゃんが風邪で学校を休みました、原因はほぼ裸で猫達のお相手、
猫は裸なんだから私も裸で接しないという訳のわからない理由で遊んでました、
私は必死で止めましたがなぜか意固地になるマーリットちゃんでしたが・・
・・・
案の上大風邪、その日は少し肌寒かったので私は大慌てで服を着せたのですが・・
!!!!!
えい~~~~~~~!!!!
マーリットちゃんはすぐに服を脱ぎ捨てました、これは反抗期なのでしょうか?
最近私の言うことはほとんど聞かないマーリットちゃんにてんてこ舞いの私です、
でもミッキーさんが帰る時間帯になると照れながら大慌てで服を着込みます!
「ただいま~~~~!!!」
「あっおかえりなさ~~い!!!」
・・・
マーリットちゃんは笑いながら玄関に向かい出迎えます!!
まるで亭主を出迎える妻のような顔をしてミッキーさんを出迎え・・
ミッキーさんのかばんを持ち傍に寄り添う姿はまさに恋する乙女です、
このまま成長すると間違いなく一線を余裕で越えそうな雰囲気満々です。
・・・
まあ前も言いましたが・・その時は私が退いて隠居すればいいだけです、
マーリットちゃんが結婚出来る年齢になったらさっさとバイバイです、
寂しいのはありますが・・まあ一人になってもなんとかなるでしょう。
そう思いながら・・・
私はせっせと食事の支度、ミッキーさんとマーリットちゃんは子猫と戯れます、
少し寂しさが募る私、その空気を察したのかルルが傍に来てくれました、
その後ろにニャン吉も・・珍しいですね、ニャン吉が私を気遣うなんて・・
・・・
ニャン吉は単にルルが心配なだけで私はおまけ程度の対応しかしてきません、
まあ私の立ち位置はこの程度なのでしょう、なので気持ちを切り替えます、
私は黙り込みせっせと後片付けしたあとシャワー浴びてさっさと寝ます。
翌日・・・
ミッキーさんは大学で卒業間近の生徒さんの進路相談に大忙しの毎日です、
私はというと次の舞台が決まらないので自宅で自己トレーニングばかりです、
相手はルルとその子供達、ニャン吉はあくびしながら棚の上で寝ています。
すると・・私のスマホが鳴りだしました、相手はミッキーさんです?
「もしもし・・どうされたのですか?」
「ああ紗由美さん、お願いだ、急いで大学に来てくれ!!」
「えっ?どうしてですか??」
「いいから来てください、大至急頼みたいことがあるのです!!」
「わ・・わかりました!」
私は訳わからず・・・とりあえずタクシーを呼び急ぎ大学へ向かいました、
そして校長室に案内されて・・そこにはミッキーさんと校長先生がいました、
でもなぜか2人とも意気消沈?すると校長先生が語り出しました。
「さ・・紗由美さん、実は殆どの講師がインフルエンザに感染したのです、
臨時に雇った講師達の殆どが同じようにインフルエンザにかかり休んでます、
その為講師が足りないので急遽あなたに白羽の矢を立てたのです」
はい??
・・・
私性転換して大学を逃げた元プータローですけど??
私なんかより遙かに優れた学生達に講師をしろと言われるのですか?
いくら人手不足・・私とても数学や社会等は教えられませんけど?
するとミッキーさんがなぜか自信満々に語り出します!
「紗由美さんにお願いしたいのは人生経験です、とは言っても・・
単純に紗由美さんが体験したことを語ってくれたらいいのです、
学生達は未知の社会に怖さがあるので前々から相談があったのです」
さらに・・
「紗由美さんは深く考えずに語ってもらって質問されたら答えてください、
もちろん言いたくないことは断ってください、それも生徒には伝えています、
ちなみに紗由美さんの講師は多数の生徒からリクエストがあったんですよ!」
それと・・・
「以前臨時講師はして貰いましたからその延長と考えてください、
あっと今回は非常勤講師という扱いですからお給料は当然出ます、
ですが他の先生が復帰するまで・・一ヶ月ぐらい講師してください」
ええええええええ~~~~~!!!
・・・
緊張が止まらない私、そんな大役私にできるのでしょうか??
・・・
心配する私をよそに・・
ニコニコニコ・・・・
・・・
なぜか満面笑顔のミッキーさんと校長先生でした。