女性姿での初対面
俺は・・身体が女性のまんま母親を出迎えることになってしまった、
あれから水風呂に入ったり裸で冷房ガンガンにして身体を冷やしたり・・
終いには裸のまま大の字になりそのまま寝たりしたが・・そのまんま。
・・・
俺は気持ちを切り替えて・・男の俺は母さんが怖くて逃げたことにした、
女の俺は置き去りにされ鍵も持ってないから外に出れないと言い訳にした、
なので・・家の鍵はシステムバスの天井点検口の中に隠しその時を待つ。
ピポピポピポピポ!!!!!
この着メロは母さんだ!身内に知られると完全アウトなので緊急音にした、
出ない訳にはいかないので・・女の姿のまんま電話に出る!
「もしもし・・」
「もしもし・・あっ紗由美さん?絋は近くにいるの?」
「いえ・・絋さんは先ほど出かけると言ってそのままです」
「えっ?何それ?実の母からなぜ逃げるのよ?」
「それが・・よくわからないのです、一目散に出ていきました!」
「ふ~~ん?で?あなたがなぜ絋のスマホ持っているの?いまどこ?」
「絋さんはなぜかスマホを置いて出て行ったのです、私も出ようと・・
絋さんは鍵を持って逃げたので私はこの部屋から出れないのです、
私は鍵を持ってないので・・鍵をかけずに部屋を出る訳には・・」
「なるほどね、貴方も振り回されているのね、ほんとごめんなさい、
なら絋はとりあえずいいわ、あなたに会いたいからそのまま部屋にいて!」
「えっ?私とですか?」
「そうよ、訳は分からないけど絋は私と会いたくないのは見え見えだわ、
なら近くにいるあなたと知り合っていれば何かと都合がいいでしょ?
今から弁当買ってそこのアパート行くからそのまま部屋で待っていて!」
「えっ??えっ??そ・・それは困るのですが・・」
「なにが困るのよ!あなた絋と付き合っているんでしょ?ならいいじゃない、
もしかしたら私があなたの母親になるかも・・だから一度お会いしたいのよ、
遠慮する必要は無いわ、のんびり待っていてちょうだい!」
「まっ・・待ってくださ・・」
プープープ・・・
母親はさっさとスマホを切り・・俺はスマホを持ったまま硬直していた、
これでもう逃げられない、下手に逃げたらそれこそ警察沙汰になるだろう、
俺は観念して・・女性姿で母親と会うことにした。
俺は急いで化粧をする、何度も練習したので自分でも驚くくらい綺麗になる、
そして着替え、まるでお見合いにでも行うように容姿を整え母親を待つ、
部屋を片付けお茶を用意していたら・・チャイムが鳴る。
ピンポ~~~ン!!!
「は~~い!!少しお待ちください」
俺は深呼吸してドアの前に立ち・・ゆっくりとドアを開けた。
そこには・・母親が立っていたが・・
・・・
「あ・・あなたが紗由美さん?」
「は・・はいはじめまして紗由美と申します・・」
女性となった俺を見た母親は・・
・・・
とてつもなく驚いたみたいで・・
目が点になっていた。