陰湿なやつの恋の結果
僕はオタクな高校生だ。オタクに恋は難しいというよりも、
そもそものコミュニケーションが難しいと思う。自分が楽しく
なっちゃえば、周りが見えなくなり自分の楽しい話をして、
周りがドンびいて人がサーっといなくなる。それが怖くて周り
との会話を避け同じような人種の友達としか付き合えず騒いでる
人達を見て、羨ましいと思いながら蔑む毎日を送るようになる。
それでも安定した毎日を送れると思い気にも留めないように
していた。いやそうゆう類いの気持ちと向き合うのから何年も
逃げ続けていた。
そんな僕が恋をした。自分でも滑稽なくらい好きになって
しまった。しかもその相手はトップクラスに可愛くてアイドル
もしているクラスの人気者まさに高嶺の花としか言えないような
相手だった。
オタクのしかも暗い男が叶うはずもない。叶ったら相手の頭は
大丈夫かと疑うレベルだ。それでも思いを伝えたかった。
まず、自分を変えることから始めた。告白しても相手が笑われ
ないように、それが思いを伝える最低限の義務だと思ったからだ
流行りのドラマを見てファッション雑誌を見てやれることは何で
もやった。そして誰から見ても暗いやつと思われないようになる
までに半年かかった。そしてそのアイドルの握手会のはがしの
バイトにこぎつけた。
「うわ~◯◯くんじゃん!ど~したのー?」
「バイトだよ!」
「うん。ふふっ見れば分かるよ!今日はよろしくね!」
「こちらこそ!」
話せるだけでも至福の時間だった。それからの彼女は大変そう
だった。次々来るファンを笑顔で迎えての繰り返しだ。少しの
休憩も僕と話してくれた。
そんなこんなで握手会が終わりトイレついでに彼女の部屋に
挨拶に行こうと思い楽屋を前にすると声が聞こえてきた。
「ざっけんじゃねーよ!あのキモオタが!はがしにまで
来てんじゃねーよ!会いたいなら金はらってこいや!急に
高校デビューかと思ったら今度はストーカーかよ!キモいやつは
何やってもキモいんだなwww」
僕の半年が無駄になった瞬間だった。