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【GAMEWORLD ONLINE】極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー  作者: Kazu―慶―
第2章【G-1グランプリ予選】編
92/310

第21話~激闘前夜・それぞれの思い①~


プレイヤーの魂『PAS』とブラックヘロンの野望、そして立海遊戯戦団……


とてつもない激闘が行われようとしていた前夜に交錯する3つの意思。

その時未来は誰に微笑んでくれるのか――!?


第21話、オープン・ザ・ゲート!!

 プレイヤーバザール、デュエルフィールドよりも更に北の彼方に位置する赤く染まった中世の城、【バスター・キャッスル】


 ゲームワールドに挑むプレイヤーの中には、圧倒的な実力や勢力を持つ者がいる。

 ただ難関のゲームを制するだけでなくゲームワールドのエリアの権力を持ち、逆に挑戦者に立ちはだかるプレイヤーも存在する。


 バスター・キャッスルの玉座に座る男もその1人、立海遊戯戦団のリーダーの『立海たつみ銃司じゅうじ』である。


「――それで?ゲームワールドの状況はどうなったんだ、さくら


 銃司に報告する侍女、水色をベースにしたメイドドレスに白銀の長髪をした立海遊戯戦団の侍女兼プレイヤー、時実桜ときざね さくら(15)である。


「はい、グランプリ予選より出現したテロリスト集団『ブラックヘロン』による転送装置の全面閉鎖から4時間経過しましたが……未だに変化は無し。硬直状態が続いています」


 桜が淡々と報告が終わると、銃司は眉を更にしかめて小言を言う。


「全く……WGCの無能さにも呆れ返る」

「私達で会場に乗り込みますか――?」

「ふん、予選の三流試合など誰が興味を持つものか。テロの始末は管理者自身で付けさせれば良いだろう」


 立海遊戯戦団は関東でのプロプレイヤー集団として名を馳せている。

 プロにもなると予選での試合など遊び当然に見えてしまうのだ。


「それでもテロがエスカレートするなら俺直々に()()。一応の準備はしておけ!」


「はっ――!!承知致しました」

 桜は早速行動に取り掛かるべく一礼して玉座の間を去った。


 暫くするとまた玉座の扉からノックの音が聞こえた。


「チッ……今度は何だ?」


 扉から出てきたのは、立海遊戯戦団の参謀長プレイヤー、大門史也だいもん ふみや(21)だ。


「銃司、客人だ。WGCの角田つのださんがお前に会いたがっていたぞ。かなりやつれている」

「何――!?」


 ◇◇◇


 銃司は早速、WGC関西代表の角田銀次郎を城へ通した。銃司も角田とは親しい面識がある故、躊躇いなく話せる数少ない人物でもある。


「ハァハァ、こんな時にすまん立海君……」

 相当息を切らしている様子の角田である。


「角田さん――!こんな緊急時に何があったんですか!?わざわざ俺の城まで……」


 銃司は威圧的な態度が目につくが、流石に恩意のある年上の人には礼儀正しい。


「……関西地区でのG-1グランプリ予選のテロは知っとるな?」

「えぇ、俺の桜がたった今調査してた所です」


「今総本部から会場までブラックヘロンが完全に独占状態に入っとる!

 ――例を見ない緊急事態や。お前の手で助けてやってくれへんか!?」


 いくら角田の願いとはいえ、弱いものを助ける義賊的な行為は銃司にとってプライドに関わるものであった。


「……俺が偽善な事が嫌いなのを知ってるでしょうが。起こったテロや不祥事を止めるのがWGCの務めでしょう!?」


「……駄目や、WGCでも止めることが出来んことになるまで進行しとる。社長の外崎さんも捕まってもうて、今奴らは転送装置の『TRANCEHOLE(トランスホール)』を使うて、とんでもないことを企むつもりなんや!!」


「……その極秘の話、聞かせてください」


 角田は銃司にブラックヘロンが極秘に計画していた情報を知ってる限り教えた。

 トランスホールの仕組みや研究等を踏まえ、何を企んでいるのか知っていること等々である。


「――成る程、改めて思うが……奴らホントに()()()()()な」

 銃司は傾聴した後に呆れ果てていた。


「わいも総本部から必死に情報を奪って、ボスの顔を見たときは驚いたよ。まさか()()()()にまだ恨み持ってたとは思わなんだ。

 ―――だが余りにも愚かすぎる、己の私情に駆られ、多くの人を巻き込んでまで行う復讐など……!!!」


 怒りの衝動、ひねくれた性根によって罪の無い者を傷つけるテロは何時の時代も許すまじ行為である。それは銃司も当然分かっていた。


「……これを会場にいるプレイヤーはただ見ているだけなんですか?」


「いや、()()だけいる!!本気で奴らを潰そうとする勇気あるプレイヤー達が!」

「……少しはマシなプレイヤーも予選にいたもんだ。どんなプレイヤーです?」


「あぁ、確か『シャッフル・オールスターズ』の桐山剣君達なんやが……」



「桐山剣……!?」



 銃司はあの剣とのゲームを覚えていた。後にも先にも、圧倒的な力を持った銃司の前で、逆らい抗ったのは彼だけだったのだから。


「――なんや、立海君は桐山君の事を知っとるのか?」

「いや………そのなまくら刀の三流がどうかしたんですか?」


「……桐山君と何かあったかは知らんが、今の桐山君はお前が言うほど三流ではない。

 大会の様子を観てわいは実感したんや、桐山君は戦いを重ねて()()()()()()()()()()()()()()()!!

 この調子だと、本当に立海君のライバルになるかもしれへん」


「………………………」

 銃司は暫くの間黙りこんだ。


 王に歯向かう下級平民のような印象だった剣がライバルになる。


 信じがたい、だが本当に自分にとっての好敵手となるのなら…全力戦いたい!!!

 銃司はそう思い、決断をした。



「―――分かりました角田さん。だったら俺の方から準備はします、ただし!!」


「……ただし?」



「約束を1つ、剣に会わせてください!俺の好敵手ライバルに相応しいか、確かめてやる!!!!!」


 銃司は不敵に笑いを浮かべた。


 立海遊戯戦団、予選後半戦に何を仕掛けるのか!?

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