第20話③~プレイヤーの魂~
プレイヤーのプレイスタイル、そしてゲームに対する意思の形で姿を変える潜在能力が存在する――!!
剣には聞いていてなんの事か分からなかった。しかし今までの説明を整理して、剣は結論にたどり着いた。
「……じゃ何か?その遊奥義が使えるのも、自分の個性やアイデンティティが形になったオンリーワンな能力が存在するから……なのか??」
「流石はリーダーだ、飲み込みが早いことで!正に御名答!!
その能力はプレイヤーの個性を形にした魂の能力!
――――その名も『Playing Ability Soul』、略して【PAS】と呼ぶ――!!」
「【PAS】――!!!!」
剣もこれを聞いて眼を光らせてたであろう。何しろ今まで聞いたこともない能力と、自分自身の可能性が光指したようなものであったから!
「あ。そういえば槍ちゃんもレミもPASが覚醒されてるんだったっけ?」
槍一郎もレミも遊奥義を使ってたのだから気になってたようだ。
「僕はオフィシャルプレイヤーになってから覚醒はしたよ」
「あたしは剣君とテトリス手伝ってくれた時より前に既に覚醒してたんだって。豪樹さんが言ってた」
「え、じゃ豪樹さんもPASを――!?」
「皆よりも前から覚醒はしとるで!ただ皆の前では見せんかっただけや」
「怖っ……じゃ今までのは本気じゃ無かったんじゃん……」
剣は改めて豪樹に身震いした。
「詳しい話はまだ研究しているけど、本来PASはゲームの経験と闘争心に反応して覚醒する仕組みになっているらしい。
でも剣は経験値は十分、プレイヤーステータスで必要な数値やスキルも備わっている。後は自分の個性を自覚さえすれば覚醒も近いと思われる」
槍一郎は剣との1ヶ月の特訓の成果から、PASを覚醒させる事も計算しての計画であった。
「てことは、俺も近々PASが覚醒するって事か!?」
「そういう事。だからこの研究所で自分のPASを自覚させたかったんだ」
槍一郎がこの研究所を知ってたのもきっと同じようにPASの事をここで知ったからだろう。
「それはありがたいぜ!これであいつらと存分に戦える!!
――で、どうやってやるんだ槍ちゃん?」
「それは専門家の人に任せよう!先生、お願いします!!」
研究所の向こう側のドアが開いた。
出てきたのはみすぼらしさが目立つオールドオーソリティー感抜群の老教授、Mr.ノイマン(72)だ。
彼の異様なオーラに剣は少しビビった。
「……こんな緊急時の時に、何とも興味深いプレイヤーを連れてきたようだな!槍一郎君」
興味あり気に見つめるMr.ノイマンに槍一郎は満足そうに答えた。
「ええ!彼といると退屈しませんよ!!」
◇◇◇
――一方、プレイヤーバザールから離れ遥か北へ向かった先に小さな島のような大陸がある。
ドス黒い雲にマッチするかのような赤く染まった中世の城のようなものが。
その名も【バスター・キャッスル】!!!
詳しい事はまだ不明である。
その城の中に一人、玉座に座り退屈そうにしている男。そして玉座の間から一人の侍女が。
「――失礼致します。現在のゲームワールドの状況を報告致します、銃司様」
玉座に座る男、立海遊戯戦団のリーダーの『立海銃司』である。
次回、第21話。予選後半戦前夜!!
PASの覚醒に急ぐ剣、独裁するBLACKHERONの真意とは?
そして、それを見つめる立海銃司の影……
それぞれの意志が交差する中に、戦士達よ戦いに備えよ!!!




