第58話①~大いなる伝説の聖剣~
【アメイジングゲーム状況】
・桐山剣 HP700:手札4枚 EG②
ユニット:【サラ・チャンドレイユ】
・天野槍一郎 HP1200:手札4枚 EG⑥
・池谷倭刀 HP1100:手札1枚 EG④
・大森穂香 HP2000:手札3枚 EG⑦
・大森賢士朗 HP1950:手札3枚 EG③
フォロワー:【大いなる伝説の聖剣―GXキャリバー―】
――アメイジング・レイドバトル中盤戦!!
剣達四人に襲い掛かった紫属性の科学兵器ユニットの驚異が去ったのも束の間、更に凶悪な驚異が迫ろうとしている。
その驚異とは、地面に突き刺さった聖剣、G-パーツの剣≪GXキャリバー≫だ!
「G-パーツをデッキに入れてたというのですか……!?」
穂香は聖剣から放たれるオーラに恐れつつも賢士朗に問いかける。
「ククク……何を馬鹿な事を……手に入れた遺産の力を今使わねば宝の持ち腐れというもの。お前らポンコツナイト共を切り刻むには良い剣ではないか!?」
「うっせぇよボケェ……!」
G-パーツの事はここまで読んでくれた読者の皆様は存じているでしょう。
電脳世界『ゲームワールドオンライン』の膨大な容量を維持させる程の超パワーを放つ禁断の遺産・G-パーツ。
それらは皆トランプやサイコロなど、遊戯道具と同じ形をしているが、そのエネルギーからアメイジングカードを造り出したり、超次元空間のゲートを解放させたりと桁外れな力を持っている。
そんなG-パーツが自らアメイジングカードと化した。ということは唯一無二の最強カードが君臨したと解釈しても良いだろう。
そしてその能力が、これだ……!
◎――――――――――――――――――◎
〈カスタム・ツールカード〉
【大いなる伝説の聖剣―GXキャリバー―】
属性:無 EG:③
・効果:[カスタムクロス:プレイヤー/ユニット/EG③]
①装備したユニットまたはプレイヤーは[セーフガード:プレイヤー]を得る。更にプレイヤーはAP400のソード系攻撃、ユニットはAP・DP+200の調整を得る。
②装備した状態で攻撃し相手プレイヤー、ユニットにダメージを与えた時HPを500回復。その後墓地からユニットカードを手札に戻す。
◎――――――――――――――――――◎
☆[カスタムクロス]とは、召喚時には直接装備されずフィールドに置かれた状態でセットされるが、EGを追加消費することでプレイヤーやユニットに移動装備出来るカードシステムなのだ。
―G-バイブル『カードスキャンの時はアドベ◯トとは言わないで!』より抜粋―
「つまり誰でも使える装備カード……! しかも装備したユニットが破壊されても剣は残るし、厄介なこったなオイ――!」
「それだけじゃないです……装備した途端に攻撃強化、防御、回復、カードサーチのメリットバーゲンセール――! 一気に戦況を返しかねませんよ!!」
剣も穂香もカードの詳細を分析しつつもその強さに身震いすら覚えた。これが遺産G-パーツのカードの強さか。
「……驚くのは済んだか? なら早速恩恵に与らせて貰おう。――≪GXキャリバー≫の効果[カスタムクロス]!! EGを③支払って私に聖剣を装備する!!!」
賢士朗は突き刺さった聖剣を力ずくで引き抜いて、その矛先を剣に向けた。
「オイ! 人に刃物を向けるなって先生に教わったやろアホ!!」
切り札騎士の剣さんが言っても説得力が無い……。
しかし頭がイッテる大人が刃物を持つことは殺害予告にも等しいので、確かに危険だ。
「クククク……これで私は[セーフガード:プレイヤー]を得られた。これならお前らの攻撃も無効となる……だが、先に斬り殺すのは貴様だああああ!!!!」
向かった先は、剣のエースユニット【サラ・チャンドレイユ】だ!!
「死ねえええええええええ!!!!!」
―――ドスゥゥ……!!
サラの腹部に突き刺さる嫌な感触、傍観する側から見ればサスペンス劇場そのもの。
ステータスもジャストキルされたサラはそのまま破壊された。
「サラ――!!」
エースを無惨に倒され、剣は苦虫を噛む。
「憎たらしいガキ共のユニットを殺す快感……キモチイイイィィィィ☆」
いや、今は剣達や読者の皆はお前の狂気にドン引きである。それどころか更に腹ただしいオプションも付いてくる。
「私が戦闘ダメージを与えた事により、≪GXキャリバー≫の効果発動!!
まずは私のHPを500回復、そして墓地からユニットカードを手札に戻すのだ!!」
〔大森賢士朗 HP1950→2450〕
これで賢士朗のHPは2450に、更に墓地から甦らせるユニットは……≪リモースクラスターロケット・オネスト≫だ!!
「お前、ふざけんなよ……!」
「せっかく何枚ものカードを消費させて倒したのに、これじゃまた逆戻りじゃないか――!」
槍一郎も倭刀もこの盤面には絶望すらも垣間見えた。そしてユニットが破壊され丸腰になった剣も焦りが見え始める。
(冗談キツいぜ……クソ親父に刃物って組み合わせですら家庭崩壊もんなのに、手札にまたクラスターロケット蓄えてちゃ戦争もんだよ全く……!)
※ゲームでの例えです。
「剣さん、私から展開させて下さい!」
穂香自ら名乗り出てカードスキャン!
『パーマネント・ツールカード、【プラントウォール】!!』
◎――――――――――――――――――◎
◎パーマネント・ツールカード◎
【プラントウォール】
属性:緑 EG:③ DP2000
・効果:このカードがフィールドに出たとき、自分はカードを1枚ドローする。
◎――――――――――――――――――◎
「≪プラントウォール≫の効果で私はデッキから1枚ドローします」
成る程、これで剣や皆の防御の壁を作って凌ごうというわけか。更にカードも引けて一石二鳥!
「どうだ、何か引けた?」
剣は効果で引いたカードを穂香に伺う。
「――ダメです、あの聖剣を壊すカードがありません……せめて剣さん達の回復くらいなら……」
「頑張ってもその場しのぎ、ってか……」
剣は依然として厳しい状況に顔を曇らせる。
「幾ら考えても無駄だ。所詮お前らも、外の人形軍団と戦ってる仲間の連中も潰されて終わる運命なのだ」
「……! まさか、銃司達が押されてるってのか!?」
「慌てるな、あっちはまだゲームが終わっていない。だが敗北も時間の問題だろうがな……!!」
急に剣の顔が青ざめる。そしてプレイギアの無線を作動させて遠方のみのりに自ら呼び掛けた。
「――オイ、みのり! 銃司達の状況はどうなってるんだ!? 皆まだ無事か!!?」
しかし応答には数秒の空白が空き、ようやくみのりから返答が返った。
『……正直言って、厳しい状況よ。レミちゃんも豪樹さんも、あの銃司くんでさえも皆苦戦してる――!!』
このコロセウムの手前では銃司率いる立海遊戯戦団のプレイヤーだけでなく、同じメンバーのレミと豪樹も戦っている。
そしてみのりの言う通り、全員が賢士朗の仕掛けた人形プレイヤー達に苦戦していた。
ここでその状況を詳しく説明しようにも、皆が苦悶の表情で抗うばかりで読むに耐えないであろう。
幸いにも同じ場で人形プレイヤーと戦っていた槍一郎と倭刀はタッグバトルというのもあって、突破出来たのは奇跡に等しいかもしれない。
しかし剣達はこれを肯定したくはない。仲間や好敵手の敗北など認めたくはないのだ――!
「…………分かったみのり。俺らは大丈夫だから、レミや豪樹さんのフォローに優先してくれ」
『分かったわ、剣くんも気をつけて!』
そして無線は再び切られた。
「少し強情張りすぎたか、剣」
槍一郎が心境を察して剣に言った。
「……無茶くらいしとかんと、こんな時に迷い見せたら目の前の勝利も見えなくなるぜ」
剣は仲間への不安を無理矢理振り切って、ゲームに切り替える。そして仲間にある提案を掲げた。
「さっき穂香は俺達の回復なら出来るって言ってたよな。……槍ちゃんと倭刀は何が出来る?」
「……俺なら除去とかユニットの始末ぐらいなら出来ますぜ」
「僕は防御、それも迅速に対処は出来る」
槍一郎、倭刀と己のアイデンティティの主張のように自分の役割を定義した。
それを聞いた剣は思いきって仲間全員に作戦を企てた。
「……よし、こっからは感情抜きで120%アイツを突破することだけ考えようぜ。決して一人でやろうとしないこと、そして命は第一に自分の得意な役割だけを果たすんだ」
「待て、剣はどうするんだい?」
回復、除去、防御……そして剣に出来ることは――?
「俺にもう一度力を貸してくれ。――――あの聖剣と真っ向勝負したい!!」
不可能とか、理屈とかはどうでもいい。
剣は全身全霊で聖剣GXキャリバーに挑む覚悟を決めた!!
…………でもその前に、読んでいる君達には聞こえるでしょうか?
――聖剣からの呼び声が……!
(―――――アノナイト、オモシロソウダナ……!)
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