第57話④~怒り爆発!!~
【アメイジングゲーム状況】
・桐山剣 HP1500:手札5枚 EG⑤
・天野槍一郎 HP1200:手札4枚 EG⑧
・池谷倭刀 HP1100:手札2枚 EG⑥
・大森穂香 HP2000:手札4枚 EG⑦
・大森賢士朗 HP2300:手札4枚 EG0
ユニット:【ソルファーアシッド・ファントム】【リモースクラスターロケット・オネスト】
桐山剣に向けられる亜硫酸の鉄拳と怨念のクラスターミサイル!! これが通れば脱落確定だが……?!
「――――んな所でやられっかよ!!」
『カウンター・レスポンス発動』
ただでやられるような剣ではなかった! 反撃のカードスキャン!!
『アクションカード、【アタックキャンセル】!!』
◎――――――――――――――――――◎
◎アクションカード◎
【アタックキャンセル】
属性:黄/EG:②
・効果:フィールド上のユニット1体を対象にする。
そのユニットは60秒間攻撃出来なくなる。
◎――――――――――――――――――◎
「≪リモースクラスターロケット・オネスト≫を1分間攻撃不能にする!!」
剣の右手から放たれた波動がトラックに乗せたロケットの発射を一時中断させた!
「チッ、小賢しい……ならば片方の≪ソルファーアシッド・ファントム≫で攻撃!! そしてユニット[デリート]効果で手札を2枚捧げるのだ!!!」
「分かってるよ!!」
剣は4枚の手札から2枚墓地に送る。これらは自身で攻撃するタイプのアクションカード達である。
「ならば亜硫酸ガスの地獄の正拳を受けてみるがいい!!!!」
「ぅ……グッ!? かは……ッッッ!!!」
ガスの生命体の実体化させた拳が剣に触れた瞬間、ガス状となって剣の身体に包み込み、次第に呼吸器を刺激するような苦しみが架空空間さながらに実感させられた。
『つ、剣くん!!?』
イヤホンの奥から聞こえるみのりの声さえも遠くなるような苦しみの中、ようやく敵の攻撃が解放された。
〔桐山剣 HP1500→700〕
(ハァ……ッ、ハァ……! なんちゅー攻撃や……マジで死ぬかと思った――――!!)
このユニットの攻撃だけでも800ダメージ。その紫属性ユニットの大打撃は、ゲームで寿命が縮み掛けるほどにおぞましいものになっていた……!
「剣さん……」
「良かった、即死だけは免れたようだな」
「野郎……舐めやがって!!」
穂香のように心配する者、槍一郎のように冷静に状況を分析する者、そして倭刀のようにえげつない攻撃に憤怒する者。
それぞれの個性が様々な反応を示すなかでも、間違いなくあの一撃は心の底で戦慄を覚えたことだろう。
『剣くん、大丈夫……?』
「あぁ……大丈夫やみのり。んなもん喰らった所で死ななきゃ安し、ってな!」
みのりがイヤホンの無線越しに剣を心配する声に強情を張りながら剣は応答した。
――だがただ一人、この紫属性ユニットの驚異に恐怖を抱き始めた者が。
「――? どうした穂香、顔色悪いし……震えてないか?」
当の穂香は剣の問いにも反応せずに、ただ自我の中で目の前が真っ暗になっていた。
(怖い……私の想像の遥か彼方にいるようで、4対1でも勝てる気がしない……! あれが紫属性の力なの――!?)
「……香、オイ穂香!!!」
「――は、はいッッ!!?」
真横で剣が大声で呼び掛け、我に帰った穂香はビクッとしながら少し跳ねた。
「どうしたんだよ穂香? ……もしかして怖くなってきたんか――?」
「…………はい、とても怖いです」
穂香は潔く自分の心の縁を仲間に打ち明けた。
「何か人の感情の中で触れてはいけない領域に入ったような……そんな怖さが急に沸き上がったんです」
長いこと虐待させられた父を前に、理不尽な行為に対する恐ろしさがフラッシュバックされたのか。
危険を予知させる人間の本能的なものが、穂香の感情を過剰に反応させたのだ。
「……あんなでも穂香の親だもんな。逆らえないし、歯向かったら殴られるとかってのが染み付いちゃったのかな……」
「そう思うと恐くて震えが止まらなくなるんです……! こんな大事な時なのに――!!」
これが虐待の被害にあった子の性なのか……小刻みな震えが足の方から強くなり、ついには立つこともままならなくなる。
同じ戦場に立つ倭刀や槍一郎、そして遠方のみのりもただ無言で見守るしか出来なかった。
「クククク……! さっきまでの威勢は何処に行ったのやら。所詮小僧どものレベルなどその程度なんだよ。
――これで理解できただろう穂香! お前のPASで培ったゲームセンスなど、私の前では程遠いんだよ!! お前の実力、心、そしてお前の存在そのものが失敗作だったんだよぉぉぉ!!!」
「…………それは――――ッ!」
ガス生命体とロケットを前に勝ち誇る賢士朗。これが憎たらしいほどに相手に悔しさを与え、固執なまでに穂香を蔑む。
「お前みたいな不良品など、そこのガキ共とごっこ遊びしているのがお似合いだろぅなぁぁぁぁ……ヤンキーなポンコツナイトに――」
(…………!!)
この時、剣達の罵倒に走った賢士朗に対し、先程まで怯えていた筈の心に変化が起きていた。
――――怯えた眼から鋭い眼光に変わり……
「感情なしの役人人形に……」
――――唇を強く噛みしめ……
「礼儀知らずの低脳侍もよぉぉぉ!!」
――――わなわなと強く握り拳を作り……
「せいぜいこいつらに子守りされながら、自己満足の道具に成り下がるのがお似合いなんだよクズ共が!! あっひゃひゃひゃひゃ!!!!」
――――そしてとうとう……理性がブチッと切れた!!
「テメェ……いい加減にや」
「やかましわボケェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェッッッッッッ!!!!!!!!」
――――!!??
……えっと、これ剣さんが言いました?
「……いや、俺ちゃうよ……」
じゃ、倭刀?
「俺でもあらへん……」
槍一郎……な訳無いか。
「違うけど一応は聞いてよ……」
じゃ、正解は……?
「――――あ゛ぁ゛ん? 何だと穂香……!?」
…………なんと。チャキチャキの関西弁に顔を真っ赤にさせて腹底で叫んだのは穂香だった!!
「うわぉ……たまげたなオイ……」
これには剣達も動転が収まらなかった。
(そーいや穂香姉ちゃん、生まれも育ちも大阪の浪速っ娘って言ってたっけ)
倭刀さん、そーゆーのは初めに言いなさい!
「お父様、貴方は強いです。それ故に孤立してやりきれない苛立ちを私にぶつけた事を覚えていないかもしれません。私を貶めるのは勝手です。ですが……
――――剣さんや倭刀、それに私を迎えてくれたみのりちゃんや仲間の皆を馬鹿にするのは、貴方でも絶対に許しませんッッ!!!!!」
おぉ~~!!(拍手)
遂に娘がクソ親父に怒った! 反抗期にしちゃ少し遅かったけど!!
そしてこの時賢士朗にも異変が……
「――――けひゃヒャひゃひゃははははハハははははッッッッ!!!!!!」
いや、余計狂っちゃった!!!
「吠えたな失敗作が!! その割には今の台詞上出来だよ完璧だよ100点満点だよおおおお!!!
この期に及んで神に喧嘩を売った!!! ならばその報いで骨も残らずになぶり殺してくれるわあああああああああああ!!!!!」
怒り狂う賢士朗。しかし穂香の怒りの咆哮が逆に仲間たちを鼓舞する結果となった!
「良く言ったぜ穂香、お陰で勇気が沸いてきた!!」
「穂香ちゃんの怒り、確かに受け取ったよ!」
「どうせならここで一発クソ親父を思い切り殴りたい所だけど……三人分殴る許可欲しいな穂香姉ちゃん!」
剣、槍一郎、倭刀とシャッフル三剣士が穂香の前に出て揃い踏み。意地でも罵倒された分を倍返ししたいようだ。
「その前に、あのガス化けもんとロケットどうにかしないと。この時点であれを倒せる手立てはあるか?」剣が提案する。
「……残念ながら、私の手札にはありません。――ですが今は剣さんに、槍一郎さんに倭刀もいます。3つの刃の魂があれば、不可能な事は無い筈です!」
「「「…………」」」
三人は互いに顔を合わせる。それと同時に紅蓮城の広野で繰り広げた数々のチームプレイの事を思い出した――!
「……やるしか、ねぇな!!」
三剣士の意見は一致、残り少ない時間の中で四人は臨戦体制に入る!
「次のドロータイムでカードを引いて2体のユニットを倒しましょう! 私は剣さん達を全力で守ります、だから……皆も自分の力を信じて下さい!!」
「オッケー! プレイヤーの底力魅せてやらぁ――行くぜ!!」
シャッフル・運命のドロータイム、カウントダウン!――3、2、1……!!
「「「「4カード・エースドローッッ!!!!」」」」
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