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【GAMEWORLD ONLINE】極限遊戯戦記 ゲームウォーリアー  作者: Kazu―慶―
第4章【アメイジング・ウォーズ編】

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第49話⑦~今、パラディンは風になる~

・天野槍一郎 HP1200:手札6枚 EG⑩

 フォロワー:【シルヴィ・テンペスター】


・大森穂香 HP1700:手札5枚 EG⑧

フォロワー:なし

自分フィールド一部:【マナ・グラス】


 

『ククク……眼鏡外しても本当に大した心掛けだ天野槍一郎君。だが所詮は投げやりの管理機関の犬……貴様の紙切れのような薄っぺらい直感がGNAに通じると思ってんのか!!?

 神に祈ることしか出来ないクソプレイヤーが!!!!!』


 開始早々で本性表したな大森賢士朗め!!


「うるさい堅物! 百発百中で引きたいカード引くとか、都合良く引きたいとか言う奴は、大抵()()()()()()()()する奴が無駄にせがむんだ!!


 ――神頼みしたって良いじゃないか! 何が引いたって構わない、俺はカードを信じて戦うだけだ!!!!」


 それに比べてどうだ! 眼鏡を外した槍一郎は心のリミッターを解除して清々しい程に本心を吐き出す。心の持ちようがまさに雲泥の差と化している!


「さぁ朴念仁(ぼくねんじん)なギャラリーはほっといて、始めようぜ穂香ちゃん!!」


 覇気ある槍一郎の掛け声に、穂香も自然と臨戦態勢に入る。


 先に動いたのは槍一郎、3枚のカードを手にして繰り出すは、穂香を確実に仕留める程のコンボなのだろうか……!?


「――――行くぞ、3枚連続カードスキャン!!!」


『アクションカード……【トルネードシューター】、【ハリケーンシューター】、【サイクロンシューター】!! ――超越必殺技(エクシードストライク)!!!』


『エ、エクシードストライク――!!? マズイ、その組み合わせは……!!』


 おっと、賢士朗クソ親父が動揺している。これは期待しても良いんじゃないか!?


「俺の特大のエクシード・ストライク、【グレイテスト・タイフーン】!!


 だが、この必殺技には少し()()()()()あってね。こいつは、あるユニットがフィールドに居たときに普段以上に凄まじい威力に変わる!

 ――そのユニットが、≪シルヴィ・テンペスター≫だ!!!」


 ◎――――――――――――――――――◎

 ◎エクシード・ストライク◎

【グレイテスト・タイフーン】

 ・融合素材:『トルネードシューター』+『ハリケーンシューター』+『サイクロンシューター』=合計コスト⑦

 ・属性:青 AP:70×10


 ・能力:①相手フィールド全体に

 青属性の10連物理攻撃を起こす。

 ②[ワーク・トゥギャザー]:≪シルヴィ・テンペスター≫:相手フィールド上のフォロワーを全てデッキに戻し、

 プレイヤーの行動を15秒間停止させる。

 ◎――――――――――――――――――◎


[ワーク・トゥギャザー]とは、フィールド上のユニットが居ることを条件に、()()させる事でパワーアップした能力を追加させるカード能力なのだ!


「まぁフィールドはさっき俺が掃除したからデッキに戻すものと言えば≪マナ・グラス≫しか無いけど、大事なのはそこじゃない」


「私の行動制限――!!」


 穂香は察してしまった。連携による15秒間行動不能が、スピード重視の槍一郎に対し何を意味するのか。


 それは彼には武器の『トライデント』がある。プレイヤー単体で攻撃が出来るという事は、槍一郎に最大の隙を作るという事――!!


『だ、だが、いくら攻撃に隙が出来ようともフィールドから離れていれば……』


「そこも対策済みだよ!!」


 エクシード・ストライク発動前に積み上げて、更にカードをスキャンする槍一郎! いいぞ、もっとやれ!!


『アクションカード、【シャドー・ムーブ】!!』


 ◎――――――――――――――――――◎

 ◎アクションカード◎

【シャドー・ムーブ】

 属性:青 EG:③

 ・効果:自分は10秒間、移動スピードが倍になる。

 ◎――――――――――――――――――◎


 ムーブカードシリーズ第2弾! フィールドの移動範囲の垣根を捨てて、スピードを加速させる影の如く突き進むアクションカードだ。


「これで私は……槍一郎さんの攻撃を避ける事が出来ない――!!」

「その通り! これが風とスピードを力に付けた俺のカードタクティクスだ!!!」


 組み立てて繰り出す戦略よりも、スピードに勝ることは無い。そんな槍一郎の信念から生み出した超音速カードコンボ。


 ――いよいよその真骨頂への秒読みが始まった……!!


「カード効果解決! まずは≪シャドー・ムーブ≫の効果を適応させて、エクシード・ストライク発動!!」


 大嵐の予兆を告げるそよいだ風の音が、フィールドに木霊する……



「――――吹き荒れよストロングウィンド!! 超越必殺技【グレイテスト・タイフーン】ッッ!!!!!!」



 ――――ビュビュビュワワワワワワッッ!!!!!!


 猛烈な風の音を立てて、フィールドの≪マナ・グラス≫も穂香も吹き飛ばし、穂香は天高く舞い上がった!!


「ぅ……ぁぁぁぁああああああ!!!!」


『――穂香ッッ!! 貴様分かってんだろうな!! 負けたら価値など無いと思え!!!』


 ギャラリーがどんなに吠えようとも、負ける側には只の負け犬の遠吠え。いい加減お黙りなさいな☆


 槍一郎も天高く飛び上がって、トライデント片手に攻撃ラッシュを繰り出――――


『………だから、()()()()()()()()()?』


 ………………………え?


「……はい」

『カウンター・レスポンス発動、アクションカード、【メタルオーラ】!!』


 ――カチンッ!


 穂香の身体が全身鋼に覆い尽くされたかのように、硬直した!?


 ◎――――――――――――――――――◎

 ◎アクションカード◎

【メタルオーラ】属性:無 EG:③

 ・効果:発動後、自分に与えられるダメージが

 全て0になる。ただし自分は10秒間行動が出来ない。

 ◎――――――――――――――――――◎


「何!!?」


 空中にて繰り出す槍殺法も、鋼鉄の体には成す術が無かった!!


 何ということだ……会心のコンボが水泡に帰された!!!


 そしてエクシード・ストライクの効果が切れた為、穂香は地に降り立ち、風も鳴りやんだ。


(これは誤算だ……ダメージ無効で攻撃を防ぐなんて――!!)


 これは物凄い痛手になってしまった。

 コンボの発動で手札も大量消費し、EG(エネルギーゲージ)が空になり、手札の≪ライトクリスタル・ドラゴン≫を出そうにも時間を待たねばならない。


 一方フィールドはがらんどうになったが、穂香には手札もEGも豊富だ。……まさか――!?


「今度は……私の番です!!」


 穂香も3枚のカードを手に持って、カードスキャン!!


『アクションカード……【プラントルーツ】、【ウッドルーツ】、【フォレストルーツ】!! ――超越必殺技(エクシードストライク)!!!』


 何ぃ!!? ここで穂香がエクシード・ストライク返しだ!!!!


「エクシード・ストライク発動!! 【ビッグツリードレイン】!!!」


 ◎――――――――――――――――――◎

 ◎エクシード・ストライク◎

【ビッグツリードレイン】

 ・融合素材:『プラントルーツ』+『ウッドルーツ』+『フォレストルーツ』=合計コスト⑨

 ・属性:緑

 ・能力:相手フィールドのプレイヤー、フォロワー全てを対象に、1秒AP100の速度で減少させる根を張らせる。これを受けた場合10秒間行動が出来ない。

 ◎――――――――――――――――――◎


 発動後、槍一郎のフィールドの床から突如巨大な木の根が飛び出し、槍一郎に縛り上げた!! 触手プレイだーーー!!!(木の根だけど)


 〔槍一郎 HP1200→1100→1000〕


「ぐ……苦しい――HPもみるみる減少していく………!!!」


 こんな事があって良いのだろうか? 穂香の戦略封じに行動不能にさせた槍一郎が、それを覆されて、逆に穂香の手によって束縛される事になろうとは――!!


 そしてビッグツリードレインの効果が消えようとも、穂香の武器『マジェスティック』の必殺技でフィニッシュされて一巻の終わり……


 スピードが売りの槍一郎に行動制限は致命的、何という悪夢だ!!!


『これでもうおしまいだな、WGCの犬め。GNAの遺伝子を持つプレイヤーに敗れる………ククク、予定通りだ。これで私の人形の方が有能だって確証されたんだ!!! ヒャハハハハハハハハハハ………!!!!』


 穂香の逆転勝利を確信したのか、賢士朗はイカれ……いや、有頂天になりながらホログラフィーの通信を切った。


 最後の最後まで憎たらしくなんて目障りな黒幕なんだ!! もう次のゲームで絶対観賞させないからな、来たらミュート掛けてやる!!


「くそッ……ここまでか――! 俺がリタイアされるなんて、後で剣や倭刀にどやされるんだろうな……」


 槍一郎は万事休すの状況をひけらかすかのように軽く笑って返した。


「………」


 ――――カチッ。


『アメイジングバトル・一時停止(ポーズ)


「………………?」


 おっとどうした? 穂香が自ら一時停止のボタンを押して、今回3度目のゲームストップだ。



「……槍一郎さん。貴方がゲームワールドを管理するWGCの元に居ることにどれ程の想いがあるのか、私には分かりかねません。

 ――でも貴方に私から言えることがあるとするなら……倭刀(やまと)は多分、私以上に貴方の事を信用してたと思っています」


「……………」


「あの子はいつも楽しそうに貴方とゲームした事とか色んな事を話していて……私はそんな楽しそうな倭刀を見れただけでも、ホントに幸せでした。

 だから……ありがとうございます。倭刀を良くしてくれた事を、心から感謝します。どうかこれからも――」



「………そこまで言えるなら、何で倭刀の元へ自ら行けない? 倭刀がそれを一番望んでいるのを、穂香ちゃんも分かっているだろう!?」


「私は……貴方のようにゲームにも心にも強くはありません、槍一郎さんのような信念は持っていません。それでも私は……


 ―――貴方のような人形のままじゃ、イヤだ―――!!!!」



 賢士朗が居なくなった事によって、ようやく想いの丈を話した穂香。しかし、今の状況から見ても余りにも遅すぎた。

 再開のボタンが起動されると同時に、魔導師の杖から必殺技が解き放たれた。



「必殺技発動、≪エレメント・マジック≫!!!!」



 発動した時には既に槍一郎のHPも200、風前の灯火を消し去るように、AP200のエレメント・マジックが槍一郎目掛け突っ込んでいく。



(倭刀……剣……すまない、後は頼んだ――ッッ!!!!)


 ――ズドォォォォォン!!!!!


 〔槍一郎 HP200→0 KNOCKOUT!〕


『ゲーム、セット――!!』


 アメイジングの激闘の終焉を告げるコールが鳴り響き、無機質なフィールドから解放された二人。

 そして彼女もまた笑顔を無くした無感情の人形のように、この場を静かに立ち去る。



(これで……あと二人………)



 ◇◇◇


 アメイジングウォーズ4th STAGE(フォース ステージ)、大森穂香の勝利によって戦況が大きく変化した。


 シャッフル・オールスターズは、天野槍一郎のリタイアにより、残りは池谷倭刀と桐山剣の2名のみ。

 現在倭刀はあろうことかハズレくじを引いて、SASUKEとメイドプレイヤーの2連地獄の真っ最中。


 そして剣は桜に勝利したことにより、もうすぐ新たな対戦カードへと進行する事になる。



 ―――その組み合わせは……【剣】と【銃】!!


 いよいよ立海遊戯戦団の王将、立海銃司(たつみ じゅうじ)との戦いだ!!

 今、約一年の静寂を破り、宿命の好敵手達のリベンジマッチが幕を開ける――!!!


次回、第50話!!

皆様大変長らくお待たせしました!

桐山剣VS立海銃司との、一年ぶりのリベンジマッチが始まる!!!


全国のゲーム・ウォーリアーファンの皆さん、刮目して読もう!!

4月8日(水)更新、お楽しみに!!!


そしてブックマーク、感想、評価等もお待ちしております!!

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