EX STAGE2-③~インベーダーゲームは進化する!!~
『アーケードタウン』を探訪中の桐山剣と河合みのり。伝説のゲーム『スペースインベーダー』を終えて、二人は好奇心の本能のままに次なるゲームへと突き進む。目指すは300メートル北へと一直線。
「ねぇ剣くん! 何なのよ、その“進化したインベーダーゲーム”っての!!」
ただひたすらに一直線に進んでいく剣に対し、みのりは体力が追い付かず、彼の背中を追うのに精一杯だ。
「へへッ! 着けば今に分かるぜ。アーケード・タウンはな、ゲームの歴史を紡いだ筐体ばかり置いているエリアじゃねぇ!
――次世代に繋げるために、ゲームが進化を遂げる為の場所なんだ!!」
「今そんな事言われても私には分かんないよ~! ちょっと剣くん、待ってェ!!」
無我夢中で目的地目掛けて全力疾走する剣に、みのりに気遣う余裕は無い。長らく一匹狼で、協調性が欠けてきていた剣の悪い癖が出たようだ。
◇◇◇
「さぁて着いたぁ!! ――ってあれ、みのりは?」
貴方全然気づいてなかったんですか! みのりさんはまだ100メートルほど先でヒーコラ走ってますよ!
「あッ! やっべ、つい夢中になってもうた」
友達を持つことは、他人のペースを合わせる事が重要になる。マイペースな剣が着いてから約30秒後にはみのりは息切れぎれになりながら到着。次第に彼女の顔も膨れっ面になっていった。
「ハァハァ……もぉ、私を置いて突っ走るなんて酷いじゃない!!」
「いやぁ悪かったみのり! 後でリンゴジュース奢るから、堪忍な!」
「やだ! ブドウジュースがいい! それも果汁100%の!!」
「やれやれ、ここ自販機あったっけか……?」
女の子をふて腐れちゃったら後が怖い。一つお勉強になりましたな、剣さん!
「うるへェ。それよりここだ、ここが進化したゲームの溜まり場【EVO・SPOT】だ!!」
アーケード・タウンの暖かみのある下町から一変、『EVO・SPOT』はスチームパンクなSF映画の風景をで切り抜いて、そのまま張り付けたような変わり様。そのミスマッチなギャップから、プレイヤー達にとっては見た目分かりやすいスポットとして待ち合わせ場所に使われるんだとか。
しかしこのスポットの目的は、無論そこに配置するゲームにあった。
「ここは筐体のゲームは置いてないのね。遊園地のアトラクションみたい」
「そらそうやろ。ここは内容もシステムも格段に進化したゲームがこのスポットに集中してんねん」
こんな進化したスポットが出来たのには理由がある。
電脳ネットワークで構成された『ゲームワールドオンライン』が様々なゲームを各エリアに構築する際に、ゲームのデータとそれを収集する回路が網のように張られている。
それらを用いてゲームを創るとき、何らかの影響で集中した場所に予期せぬバグが発生し突然変異を起こした為に、人工的なゲーム技術を超越した進化を起こしたから、と言われてるんだとか。
さて、そんなスポットにインベーダーゲームは何処にあるのだろうか?
「………あった、これや!」
「え、これェ!?」
進化したインベーダーとは、なんと本家の『スペースインベーダー』から相当かけ離れたゲーム台。
巨大な球体の透明ガラスで覆われた大きな空間に、空中に浮かぶはカプセル型のコックピットを搭載されたツインキャノン式の砲台が2基。
これが新時代の進化したインベーダーゲーム!
――――題して、【ハイパーディメンジョン・インベーダー】!!
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PLAY GAME No.6
【ハイパーディメンジョン・インベーダー―HYPER DIMENSIONS INVADER―】
・ジャンル『EVOゲーム』
・プレイヤーレベル:25
概要・ルール
『スペースインベーダー』が超次元ゲーム時代に進化を遂げたゲーム。
立体回転で操作するカプセル型砲台で周囲のVRビジョンで出現するインベーダーを残機3基以内で全滅させるのが目的。
従来のインベーダーゲームとは異なった新しいギミックも多数搭載、普段のインベーダーの常識に囚われていると痛い目を見るかも……?
インベーダーとそれを連ねるボスを全滅した時点でクリアとなる。
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「なぁにこれぇ……これがインベーダーゲームなの!?」
みのりは球体のゲーム台を見て、口を開けながら唖然としている。
「目の前の画面でチョロチョロしてるようなのとは訳が違うぜ。この球体の隅々にインベーダーが出てくるから三次元……いや、四次元の感覚でインベーダーゲームが楽しめるって訳だ」
「三次元を越えてるって……どんな感覚なのかしら?」
それはプレイしてみないと実感は湧かない。
早速剣達は球体のゲーム台の中に入り、2基の砲台に乗り込む。
1プレイ料金は500円、ここは剣がコックピット内にセットされた硬貨入れに入金する。
「うわっ! 動き出した!!」
砲台が球体の中央までリフトアップ。
そしてガラス状の空間が急に暗くなり、音声アナウンスが鳴り響く。
『READY――?』
ところが。ゲーム開始直前になって急に不安になったのか、みのりは剣に質問してきた。
「ねぇ剣くん、こんな時に確認して悪いんだけど……このゲームも前にやったことあるんだよね?」
「――――――いや? まるでだ」
「………ふぇっ???」
『――――GO!!』
みのりの心境から察する間もなく、「聞いてないよぉ!!!」と大絶叫で混乱に陥る間もなく……
暗い銀河のVRビジョンの彼方から、インベーダーの大群がこちらから迫ってくる!!
「やった事が無いから何だってんだ!! それを承知で挑んでこそのゲーム戦士だぜッッ!!!」
剣は気合い十分、みのりは不安で充満。
二人の力を合わせて、超次元インベーダーを攻略せよ!!




