第48話②~時空をも支配するもの~
・桐山剣 HP400:手札1枚 EG0
フォロワー:【ヴァルキリー・フレア・ドラゴン】
マテリアル:【ボンドストーン】
・時実桜 HP550:手札3枚 EG①
フォロワー:【スパイラルソルジャー】
フィールド:『トリックディメンジョン』
※AP/DPステータス逆転中
――剣の強奪カード≪カード・スティール≫炸裂!
その巧みな駆け引きにより、桜の手札からカスタムツールカードによって束縛されていた騎士竜を解き放した!!
剣の切り札騎士竜≪ヴァルキリー・フレア・ドラゴン≫も自由になれて嬉しそうに雄叫びを上げている。
「よくも俺の可愛い騎士竜をぐるぐる巻きにしてくれたな! 攻撃………したら俺がやられちゃうからこのまま様子を見ようぜ」
ご主人様の指示にドラゴンも大人しく相槌を打った。お利口な竜だ。
「なんていうこと……あんな戦術でまたしても仕留めを掻い潜るなんて! それに池谷倭刀のような平民プレイヤーの二の舞を食らうなど……!!」
何度やっても剣を仕留められない、そんな歯痒さに桜は強く唇を噛み締める。ましてや倭刀と同等の手にやられた事が彼女にとって屈辱的であった。
「――あんまり俺の仲間を侮辱すんなよ。倭刀はな、ゲームに勝つためなら相手を知り尽くして意地でも勝利を掴もうとしてたんだ。その洞察力は俺でも真似できねぇ、紛れもなく強者の面構えだぜ――!!」
その台詞、実際に倭刀に聞かせてあげたいですね。素晴らしい!
「流石はシャッフル・オールスターズのリーダー……、お仲間の事も信頼されているのですね」
何処かしら皮肉めいた桜の称賛である。
「俺の事は嫌ってもしゃーないけどさ、倭刀まで嫌うこたぁねぇだろ? お前ら互いにプレイヤーなんだし、結構似た者同士だし……
――まさかお前、倭刀の事羨ましがってんのか?」
核心づいた問いに桜は暫く口を固く閉ざし、やっとの思いで開きだした。
「…………………別にどうもしませんわ」
「――ま、いっか」
さて、ここでフィールドの状況を見てみよう。
現在のフィールドのユニットは、剣のAP/DP共に500のドラゴンと、桜のAP/DP共に400の≪スパイラルソルジャー≫、一対一で睨み合う。
つまりドラゴンが攻撃して、仮にダメージが通ったとしても桜に50のHPを残し、桜のユニットでジャストキルされて剣の負け。
逆に≪スパイラルソルジャー≫が攻撃してもドラゴンにブロックされて破壊、剣に大きな隙を作って桜の負け。
どのみち一方が指令を出しても只では済まない。一旦硬直状態が続く。
そして時は流れて、1枚のドロータイムを経て桜がようやく動き出した!
「私はこのツールカードを出します!」
――カードスキャン!
『パーマネントツールカード、【ディフェンダーオブジェ】!!』
その時、頭上からドーン!と重い落下音を立てて、砦の煉瓦を高く積み上げたチェスの『ルーク』のようなオブジェが立ちはだかった!
◎――――――――――――――――――◎
◎パーマネント・ツールカード◎
【ディフェンダーオブジェ】
属性:無 EG:⑤ DP5000
・効果:①このカードは他のカードの効果を受けない。
②相手がプレイヤーやユニット・ツールを攻撃する時、
自動的にこのカードでブロックされる。
◎――――――――――――――――――◎
「DP5000って、随分固ぇなオイ……」
剣も呆れ返る程の固さだ。更にカードの効果も受けず、自動ブロック機能付き。動く砦とはこの事を言うのかもしれない。
(ドラゴンは野放しにしてしまったけれど、オブジェの防御で時間もイニシアティブも稼げる。――――こんなプレイヤーごときに、負けるものですか……!!!)
冷ややかな態度とは裏腹に、桜の強気な思いがこちらの方まで伝わってくる。そして時間は次のドロータイムへ。
現在剣の手札は2枚。ここで何かアクションを起こさないと、防御で固めた桜に先手を許してしまう。
――さぁ、何を引くのか!?
「行くぜ、カードドローッ!!」
互いにデッキからカードを引き、剣はそのカードを確認するや否や、急に顔色を険しく変えてそのうちにニヤリと笑みを浮かべた。
「……………分かったぜ。コイツの使い方が!」
『コイツ』を指すのは、ゲームスタート時からずっと剣の手札に温存していた1枚のカードであった。それに先程のドローカードが来たことによって、何やら思いがけないコンボを思いついたようだ。そして彼曰く、
「どうやらこの勝負………俺の勝ちみたいだな」
――――え!!?
「!? 何を血迷った事を……」
さっきの勝ち誇りや、せっかちな勝利宣言とは訳が違う。
剣のこの宣言は確実なものであった。
「まぁ見てなって! まずは俺がさっき引いたカスタムツールカードをドラゴンに装備するぜ」
『カスタムツールカード、【KIZUNA・ソウル】!!』
◎――――――――――――――――――◎
◎カスタムツールカード◎
【KIZUNA・ソウル】
属性:黄 EG:②
・効果…装備したユニットは攻撃でダメージを与える度、
そのAPと同じ値でプレイヤーのHPを回復する。
◎――――――――――――――――――◎
ドローカードはカスタム・ツールカードだった。これでドラゴンが攻撃しても1発で相手のユニットにやられることはない。
「――待たせたなヴァルキリー!! 攻撃だ!!!」
ドラゴンは『待ってました!』と言わんばかりに叫び立てて猛烈な火炎弾を桜に浴びせようとするが……
「≪ディフェンダーオブジェ≫でブロック!」
〔《ディフェンダーオブジェ》DP5000→4500〕
動く砦に火炎弾は跳ね返されてしまった。
「ブロックはされたけど……ヴァルキリーのAP500分のHPは回復させて貰うぜ」
〔剣 HP500→900〕
今の剣には有り難い施しだ。ただHPを回復するだけでは桜に迎撃されて持たなくなるが……?
「その通り、だからこっからが本番だ。お前がどんだけ時間操作を仕掛けようとも、俺のカードでそれを覆す勝利を見つけたもんね!」
それがこの最初から持っていた1枚のカード。果たしてこれで何を仕掛けるのか?
「お前が時間と空間を司るなら、俺はその上を………!!」
カードスキャン――!!!
「このゲームの運命を支配するッッ!!!!!」
『フィールドカード、【フォーチュン・サンクチュアリ】!!!』
逆転の異次元≪トリック・ディメンジョン≫を翻し、新たに変換されたアメイジングフィールド。
まるで無数の鎖で繋がれている禁断の結界が敷かれたフィールド、別名『運命の聖域』!!
≪フォーチュン・サンクチュアリ≫、その驚異の能力は次回を待て!!!
次回は3月9日(月)更新予定!!
お楽しみに!!
お陰さまでブックマーク100件達成ありがとうございます!!
今後もこの作品に対するブックマーク、評価、感想等もお待ちしております!!




