第48話①~その活路を切り開くのは俺だ!!~
人の上に時間と空間という柵を作り、そして更にその上に残酷な鎖を作る。
人の運命は決して覆す事は出来ない……
……いや、運命は覆せぬとも――
その先の未来は変えていけるじゃないか!!
桐山剣よ、侍女の止まった時間をその魂で、救い出してくれ!!!
第48話、オープン・ザ・ゲート!!!!
――紅蓮城の時を刻む屋上の時計台が……その眼下、刹那に繰り広げる二人の激闘を紅く、冷徹に見守る――!
アメイジングウォーズ・3rd STAGE、桐山 剣VS時実 桜!!
剣のロングソードと桜のシルバーナイフ、そして両者のカードが交差する激闘はスピーディーかつ、衝撃の展開が連続した!
剣の新切り札≪ヴァルキリー・フレア・ドラゴン≫が初御披露目となり、絆を尊ぶその炎の力で善戦する剣。しかし……
『――――時間停止』
桜のPAS能力が発動し、形勢逆転。
その能力は文字通り、時間を止めて剣達の身動きを止めるチート能力だった。
ブロック不可能の桜の切り札≪時空の使者―クロノス―≫と、殺意を秘めたシルバーナイフで仕留められそうになった剣だったが……間一髪カードに救われ、剣はクロノスを撃退。
――再び滞ったアメイジングのフィールド。現在の状況は、
◐――――――――――――――――――◑
・桐山剣 HP400:手札1枚 EG①
フォロワー:【ヴァルキリー・フレア・ドラゴン】
※≪バインドチェーン≫により攻撃、ブロック不可。
マテリアル:【ボンドストーン】
・時実桜 HP550:手札3枚 EG④
フォロワー:無し
フィールド:『トリックディメンジョン』
※AP/DPステータス逆転中
◐――――――――――――――――――◑
果たしてここからどんな未来が待ち受けているのだろうか?
――運命の後半戦、スタートだ!!
◇◇◇
(……しかし何ていうか、さっきのアイツのPAS能力はかなりビビったぜ……!)
桜のPAS『オールドクロック』の時間停止能力で金縛り状態にあった剣。
今でも神経が痺れるような感覚と、桜の凍てつく殺意に背筋が凍る恐怖心が残っている。
(――改めて痛感したぜ。今まで色んなゲームを通じて俺も強くなった気でいたが、上には上が何時までも居るもんだな……だが!)
剣に襲われていた負の感情を振り払うように、キッと鋭い目付きで気持ちを切り替えていった。
「いくらお前がチート使おうとも、そいつに恐れていちゃ何も始まらねぇぜ!! ――行くぞ、≪ソニックブレード≫!!」
剣の武器≪ファイティングブレード≫から飛び出す斬・衝撃波!!
「……まだ楯突く気ですか、異邦の騎士!!」
桜も遂にフィールドから動き出す! 斬撃を潜り抜けて、相手の陣地に音も立てずに忍ぶように侵攻してきた!!
「オイ勝手に俺のフィールドに入ってくるんじゃねぇよ! ――うわっ!!」
剣の制止に耳も貸さず、桜は手元のシルバーナイフで直接剣に近接攻撃を仕掛ける。音も無く忍び寄る銀の刃の猛撃を避け続ける剣、負けじと剣もファイティングブレードで反撃する。
「くっ……」
その勢いに押された桜は、一旦距離を離して再び自分のフィールドに戻った。そして咄嗟にカードスキャン!
『ツールカード、【精神集中】!!』
◎――――――――――――――――――◎
◎ツールカード◎
【精神集中】属性:青 EG:③
・効果:自分の手札を3枚ドローする。
◎――――――――――――――――――◎
「お前も手札補充持ってたのかよ……」
剣は渋い顔でカード発動を見送る。桜の手札はこれで5枚。
(……これなら仮に騎士がユニットを出してもある程度の防御は出来る、それに当分はあの竜も動けはしない。あとは私がユニットを出せば……勝てる!!)
まだ確信には早い勝利宣言、それは何を意味するかは……読者の皆様は分かりますよね?
(今はアイツの攻撃は避けられても、ユニットが出されたら一巻の終わりだ。――残り10秒、俺のデッキ1枚を信じるのみ!)
幾度もチャンスを作り上げた30秒毎のドロータイムが迫る。
「……へへへッ!」
ピンチは続く剣に無心と勝ち誇るような不敵な笑みが浮かび上がった。
「……何ですか?まだ勝ち誇るには早すぎると思いますが」
「なぁに、気にする事じゃねぇよ。――やっぱさ、俺が最強プレイヤーを目指すために、一生懸命頭使いながらどんどん強くなっていく時が一番俺らしいって思ってさ。
……お前だってそうだろ? 仕事やゲームを頑張り抜いて、御主人様に誉められた時が一番嬉しいと思うんだよな、メイドちゃんだしさ!」
そう、ゲームに強くなるために大事なのは、その目標へ繋ぐ過程であること。剣は今までの激闘を通じた事で、この実感を得られたのだ。
「……………」
桜にも先代城主である丈から、どのような過程を得たのだろうか……?
「――その事については黙秘させて頂きますわ。何を企んでいるか存じませんが、貴方の言葉などに耳を貸すつもりなど毛頭無いつもりですので」
「まぁそうだろうな、言いたくねぇならこれ以上詮索もしねぇよ。
でもこれだけは言っとく、今のお前のやり方じゃこの先持たねぇぜ。それを次のドローで証明してやる!!」
ドロータイムの時間が来た!
両者デッキの1枚を構えるなか、剣の右手から赤いPASの波動が迸った!!
「―――PAS発動! 出てこい俺の切り札、≪エース・ドロー≫ッッ!!!!」
桐山剣のPAS能力≪ロングソード≫!
その能力の一つ、≪エース・ドロー≫はその場に適したカード即ち切り札を呼び起こす事が出来る!!
剣の元に切り札と言うべき1枚が手元に宿る……………ってあれ?
EGも溜まっているのに、一向にカードを出す気配を出さない剣。
どうしたのか桐山剣、そのドローカードを何故出さないのか!!?
「………………」
返事がない。もしかして……不発??
「――どうやらとんだ見かけ倒しですわね。貴方が来ないのなら、私が仕掛けるまでです!!」
あら大変だ、桜がユニットを出してきたよ!
『ユニットカード、【スパイラルソルジャー】!!』
大型飛行機体に乗る滑空の戦士がフィールドに舞い降りた!
◎――――――――――――――――――◎
◎ユニットカード◎
【スパイラルソルジャー】EG:⑤
AP:400 DP:400 AS:15
属性 青 ユニット/ヒューマン
・能力:[フライヤー]
◎――――――――――――――――――◎
「これで攻撃が通れば………」
「――――――今やッッ!!!!」
――何!!?
ユニット召喚時にいきなり剣が動いた! まさか……あの切り札!?
『カウンター・レスポンス発動! ―――アクションカード……【カードスティール】!!』
「か、≪カードスティール≫!? 確かそのカードは………」
「ヘヘッ! こいつは前に倭刀に改心の一撃をかましてやったとっておきのカードよ!詳しくはMr.Gの解説参照」
説明するの面倒くさいからってこっちに回すの止めてくれません? 無論説明しますけど!
◎――――――――――――――――――◎
◎アクションカード◎
【カードスティール】属性:青 EG:②
・効果:相手の手札を見る。自分はその中から1枚選び
自分の手札として加えることが出来る。
◎――――――――――――――――――◎
倭刀とアメイジングで対戦した際に決め手のアクションカードを奪取し、逆転させたカード強奪カードなのだ!
「まさか貴方……私がユニットを出すのを見計らっていたと言うの? それに強奪するなら、私のユニットでも取れた筈なのに……」
色々疑問に思うこともあるが、その理由は発動した剣さん本人にしてもらうのが早いでしょう。そこはちゃんと説明しなさい。
「――簡単な事だよ。束縛されたとはいえ、俺のドラゴンが出てるのにそんなに危機感を持ってなかったのが妙に気になってさ。
そうなるとお前の手札に入っているのはカウンターかツールか、正解は発動してみないと分からない」
確かに、桜は手札を補充しているときに少しだけ安心感も持っていましてね。
「そこで俺はこう睨んだ。お前の強さから読めば……妨害も防御カードも既に備わってる、後は止めのユニットを出すだけ……ってな!」
だから≪カードスティール≫を出す前に、ユニット等でEGを全て使わせてタイミングを計っていたのですか!!
ドローして直ぐに使ってしまったら、また≪カード・ネゲーション≫とかで妨害され兼ねないもんね。
(この男………相手が切り札を抱えてるのも承知して、それを逆利用したというの――!!?)
これには流石の桜も一本取られた様子だ。
「伊達にカードゲームにやりこんで無いんでね。場を見極めて、相手がどれだけ強いのか見抜く力は十分にあるぜ。――果たしてお前の手札で王手を逃れる術はあるかどうか、賭けようじゃねぇか!」
「………………」
桜は無言になりながらも潔く手札4枚を見せた。
その内容は、ツールカード【ディフェンダーオブジェ】、アクションカード【結束の心】、2枚目の【タイムトリップ】。
幸いにもカウンターカードは無かったが……
「【ツール・ブレイク】……これだ!」
◎――――――――――――――――――◎
◎アクションカード◎
【ツール・ブレイク】
属性:黄 EG:②
・効果:フィールド上のツールカードを
1つ選択し、それを破壊する。
◎――――――――――――――――――◎
これは前のクロスデュエルモードでも槍一郎が使っていたツール除去カード! これならドラゴンを束縛する≪バインドチェーン≫も壊せる!!
「俺はお前の≪ツール・ブレイク≫を手札に加えて、そのまま発動する!!」
『アクションカード、【ツール・ブレイク】!!』
「ドラゴンを縛る鎖を破壊!!!」
カードに迸る光がドラゴンを束縛した鎖を破壊し、解き放たれた解放感によって竜の咆哮が木霊する!
「そんな……! まさかこんな小細工で活路を切り開くなんて――!!」
桜の両手は悔しさのあまりに強く袖を強く握りしめていく。
「さぁ………、祭りでもおっ始めまっか!!!」
ブレードを振るう剣とドラゴンの熱い視線が桜を返り討つように向けていく! 桐山剣、反撃開始!!!
次回は3月6日(金)更新予定!!
お楽しみに!!
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