第43話⑥~One for All、All for One!!~
――剣、槍一郎、倭刀の必殺技が炸裂し、ドラゴンの装甲に埋め込まれた赤いコアを打ち砕いた!
「グゴォォォォォ……」
ドラゴンは苦しそうに呻き声を上げて、真っ赤な体も消し炭のように黒ずんできた。
「どうだ……!?」
剣は恐る恐るドラゴンの状況を伺う。だがしかし!
…………ブァァァアアアア!!
「ゲッッ?!!」
急にドラゴンの口元から蒼白い炎が出ているのに気づいた剣は咄嗟にドラゴンから離れた。
すると炎が徐々に全身へと広がりはじめ、黒ずんだ体から蒼炎の体になったドラゴンが再び立ち上がった!!
「――――ゴアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!!!!!」
壮大な咆哮を放ち、怒りで我を忘れたドラゴンが蒼い炎を剣達目掛けて口から放射した!
先程の赤い火炎弾よりも強力な熱を放つ蒼炎に剣達は交わすのに精一杯だ。
「あの野郎、まだやる気かよ!?」
「このままじゃ僕らも持たないぞ!」
倭刀、槍一郎が炎を避けて狼狽えているなか、剣はドラゴンの眼を見詰めて何かを感じ取った。
「――もしかしたらアイツ、まだ物足りないんじゃないか?」
「はぁ? 何が!?」
「あのドラゴン、俺達の必殺技を受けても耐えていた。俺、あの眼が『それが本気か!?』って訴えてるようにしか見えなくなった!!」
ドラゴンのバトルに満足しきれてない眼に剣は真っ先に気づいていたのだ。
「……じゃどうやって満足させられるんだ?」
倭刀は疑問に思った。これ以上の技を出せるかも分からない状況で。
「さっきの必殺技が個々の能力なら……今度は力を合わせてぶつければ良い!! 早い話が【団結】だ!!!」
「……そしたら、どうする?」
槍一郎は剣の提案に乗り掛かる。
「試しにさ……3人で1枚ずつカードを出して『超越必殺技』繰り出してみないか!?」
通常一人が連続で3枚以上出して発動するエクシードストライク。これを3人で分担して発動しようと剣は言うのだ。
「俺は剣さんの提案乗りますよ。俺の意思を尊重してくれたように、俺も剣さんの力になる! 仲間ってもんの底力……見せてやりましょうぜ!!」
その倭刀の言葉に剣と槍一郎の心を動かした。
「……よしそれで行こう!!」
「グォアアアアアッッ!!!!」
※通訳『いつまでもいちゃついてんじゃねぇ!!!!』
でも空気読むだけ偉いですよ、ヴァルキリーフレアドラゴン。
両者臨戦体制に入ったVRフィールドに一時の沈黙、3人の片手に1枚のカード、ドラゴンの体内から蒼炎の熱が宿る。
そして、――時は刻まれた!!!
「ゴォォォォォォォアアアアアア!!!!!!!!」
ドラゴンが特大級の蒼白い炎を散らす!!
「……っしゃ皆、行くぞッッ!!!!」
「「おう!!!!」」
剣の掛け声に槍一郎、倭刀も応え、3人同時に……カードスキャン!!
『アクションカード、【ウォーソード】!!』
『アクションカード、【ソニックソード】!!』
『アクションカード、【ビッグソード】!!』
招来した3つの剣が宙に交わり、強烈なエネルギーと共に融合した!!!
「「「シャッフル三剣士、三位一体ッッ!!!!!
――――『超越必殺技!!!!!』」」」
剣達の前方に3つの剣が融合した巨大な剣を呼び起こし、それを前に突き出してドラゴンの炎をも貫いた!!
そしてその巨大剣を上へ大きく振りかぶり、ドラゴン目掛けて……振り落とす!!!
「「「【巨大剣ビッグバンソード】必殺!!
『ぶっち斬り大刃斬』ッッ!!!!!!!」」」
フィールドをも揺るがす巨大な斬撃が、ドラゴン諸とも真っ二つ!!
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォ…………」
――敗れ朽ちる烈火の騎士竜。この激戦、一片の悔いなし。
その最期の表情は全力を出し切り、満たされた表情だった。
「やった――!!」
VRフィールドから解放され、戦い終えた剣達に笑顔が戻った。
「やれば出来るんだな、僕達の勝利だ!!」
「どうだ倭刀? 仲間と協力して勝ち取った勝利の味は?」
「格別だよ……!! 気分は最ッッ高だ!!!!!」
倭刀も満面の笑みを浮かべ、3人は互いに手を強く握りしめあい、絆の力を再確認した。
すると倒れたドラゴンの体が消滅してきたと思いきや、1枚のカードを残していた。
「何だ――?」
剣はそのカードを拾うと、その内容に驚愕した。
「オイこれ……さっきのドラゴンじゃん!!」
それはパックにも無い幻のアメイジングカードだった!!
◎――――――――――――――――――◎
◎ユニットカード◎
【ヴァルキリー・フレア・ドラゴン】EG:⑥
AP:500 DP:500 AS:10
属性 赤 ユニット/ドラゴン
・能力:[フライヤー]
①このカードがフィールドに出たとき、
自分フィールドのユニットと
自分の武器のAPを300アップさせる。
◎――――――――――――――――――◎
「……もしかしてあのドラゴンが僕らを襲ったのは、自分の持ち主に相応しいか力を試したかったから、じゃないのかな?」
槍一郎の推察を聞いて剣は手元のカードに問いかける。
「それじゃ……俺達の力になってくれるのか――?」
剣の問いに答えるように、カードがキラッと光を反射した。
「これは、剣が持った方が良さそうだな。騎士竜は切り札騎士の君にぴったりだ!」
「俺も譲りますよ。俺には《ダークフォース・ドラゴン》がいるし!!」
剣は相当嬉しそうな顔で早速デッキを取り出し、ヴァルキリーフレアドラゴンをカードスリーブに入れた。
「じゃ、これからも宜しくな!! ヴァルキリーフレアドラゴン!!!」
騎士竜が剣のアメイジングデッキに仲間入りを果たしたところで、みのり達と合流した。
「3人ともスッゴいカッコ良かったよ!!」
「カッコ良かったってもんじゃないわよ、カッコ良すぎるわ!!!」
「何かこう……三銃士って感じやった! 一人は皆の為に、皆は一人の為に戦う3人って感じや!!」
それを聞いた3人は……
「三銃士てか、『三剣士』のが良いかも俺達! 3つの剣で戦うって意味で!!」
「そのネーミング気に入ったよ。僕もそれに賛成だ」
「シャッフル三剣士! 良い響きや~♪」
ここにシャッフルオールスターズ、随一のエースチーム【シャッフル三剣士】が誕生した!!
「――さぁウォーミングアップは終わりや、城へ急ごう!!」
絆を確かめあった荒野の激戦を終えて、遂に6人はバスター・キャッスルの門の前に立った!
◇◇◇
「ここが……バスター・キャッスル……」
「赤レンガ倉庫よりも真っ赤ね!」
他にマシな例えは無いのかレミ。
「見ろよ、この門に書かれた文字……」
剣がゲートに書かれた文字を読み説いた。
≪誇り高き立海の紅蓮城、真の強者以外の下等プレイヤーは即刻立ち去れ≫
「弱い奴には心底眼中に無いんだな、あのプレイヤー貴族」
「だが条件はしっかり満たしている。レベル50のプレイヤーが居ればチームでもこの城に入れる、剣が頑張った甲斐があった!」
剣は大きなゲートを手に当てて呼吸を整えた。
「もうこのゲートを開いたら後戻りは出来ない……準備は良いか!?」
剣の応えに全員頷いて合図を交わした。
「――――ゲート……オープンッッ!!!!!」
巨大なゲートが開き、紅蓮城は壮大な全貌を露にして剣達を迎え入れた!!
そして入り口のガーデン、巨大な入り口の扉の前に一人の赤毛で黄緑色のチャイナ服を纏った女性プレイヤーが……
「……来ましたね、シャッフルオールスターズの皆さん。お待ちしてました」
このプレイヤーこそ、立海遊戯戦団の城前に立ちはだかる守護者、立壁 瑠璃(24)である。
「やっぱり待ち構えていたか……あのクソ真面目な警備のねーちゃん!」
倭刀は以前より立海と交流があった為、ある程度の情報はあるようだ。
「クソ真面目で結構! でも私には銃司様から任された大切な務めは果たさなければならないの、一秒たりとも気は抜きませんよ」
「へぇ……つまり姉ちゃんが、この城の門番、最初の難関って所か!」
豪樹は同年代である瑠璃に馴れ馴れしく話しかけた。
「そう、私は立海の守護者。銃司様が認めた好敵手のチームとはいえ、ここから先は通せませんよ!どうしても通りたければ……
――私、立壁瑠璃と、紅蓮城の門『トライゲート』を越えてからにしてください!!」
――遂に、バスター・キャッスルにて最初の激闘の火蓋が切って降ろされた!!
2つの意志と異次元の遺伝子が交差するプレイヤー達のWAR GAME!!
シャッフルオールスターズVS立海遊戯戦団!! 【アメイジング・ウォーズ】の幕が上がる!!!!
ついに始まったシャッフルオールスターズVS立海遊戯戦団との激闘!!
最初に立ちはだかるは鉄壁の門『トライゲート』と守護者とのバトル!!
今、オールスターズのスキルが試されるとき!!
次回、第44話!!
絶対という名の壁をぶち破れ!!!!




