第41話⑦~深緑の魔導師パワー!!~
――EG増幅カード『オーバーチャージ』によってEG③となった剣、深緑のカードに対抗すべくカードスキャンを図った!!
(ここでやらなきゃ、圧倒的に穂香のペースに圧される。やるなら今しかねぇ!!)
「俺はEG③全て使って、3枚連続カード発動!!」
『アタックカード……』
「EG②【ファイアブレード】、EG①【ワイドアタック】、EG0【バーニングエンジン】!! ――『超越必殺技』ッッ!!!」
炎の剣で攻撃するファイアブレード、攻撃を広範囲に遠方に飛ばすワイドアタック、赤属性カードのAPを300上げるバーニングエンジン。
3つのアタックカードで繰り出すエクシードストライクで勝負を仕掛ける剣!!
(やはりエクシードストライクで攻める魂胆でしたか……それにこの組み合わせは――!)
穂香には既に推測の域に立っていたようだ。
「喰らいやがれ!! エクシードストライク【灼熱遠斬波】ッッ!!!!!」
赤く染まった荒波の如く、灼熱の斬撃が穂香のフィールドに向かって突き進む!!
◎――――――――――――――――――◎
◎エクシード・ストライク◎
【灼熱遠斬波】
・素材カード:【ファイアブレード】+【ワイドアタック】
+【バーニングエンジン】
属性:赤 AP:400
・能力:相手のフィールド上のプレイヤー、
フォロワー全てに赤属性の遠方斬撃を与える。
◎――――――――――――――――――◎
――しかし穂香は咄嗟にブレスのボタンを押した。
『カウンター・レスポンス、発動』
巨大な斬撃の動きを一時停止され、アメイジングの時を止めた穂香。
「……はい??」
剣は目が点、穂香のEGはいつしか①溜まっていた。
「私はこの瞬間にアクションカードを発動します」
『アクションカード、【欲張った報酬】!!』
◎――――――――――――――――――◎
◎アクションカード◎
【欲張った報酬】属性:青 EG:①
効果:互いのプレイヤーはカードを3枚ドローする。
◎――――――――――――――――――◎
「この効果で私と剣さんはカードを3枚ドローします!」
両者の手札を補充するカード、剣には何故それで迎え撃ったのか理解が出来ていない。
「……ハッまさか、オークか!!」
剣はフィールドの変動に気づいた。穂香のフィールドにいる『オーク・インカネーション』のAP/DPは手札を5枚に補充された事で500までパワーアップされていた。という事は……!!
「これでオーク・インカネーションは剣さんの【灼熱遠斬波】のダメージを耐久します!」
そしてカウンター・レスポンス解除、エクシードストライクの効果解決で《ブルーバード》《スパイラルフェアリー》は撃破。穂香のHPもそのまま400ダメージを受け1600に。
しかしフィールドが火の海と化しても《オーク・インカネーション》のみ、DPを100残して生き残った。
「やられた……自分の手札を増やしてオークをパワーアップさせるとは……!」
「ただしオークは400の蓄積ダメージを受けています。もし私が1枚でも手札を消費すればステータスが100引かれて破壊されますのでそのつもりで」
穂香は律儀にオーク・インカネーションの能力上の説明をした。曖昧な設定を残さないのが作者の信念だという。自分もいい加減な癖に。
《欲張った報酬》の効果で持ち札が増えた両者、だがEGはチャージされるが溜まるまでは硬直している状況。
……だが穂香は別だ。
「オーク・インカネーションで剣さんに攻撃!!」
「ッッ!」
AP500までパワーアップしたオークの鈍く重い攻撃をまともに受けた剣、HP900まで減った。
そしてようやくEGが②まで溜まった剣、カードスキャン!
『ユニットカード、【スピーダーランサー】!!』
騎士デッキの小型、EG②のAP100の力を持つユニットだ。
(よし、これであの唐変木を……)
唐変木の意味はズレてるが。これで尺を稼ぐ剣、そしてようやく1分が経過し両者ドローが可能となったとき穂香が動いた。
「スピードランサーに対し、アクションカード【ビーティングショット】を発動します」
◎――――――――――――――――――◎
◎アクションカード◎
【ビーティングショット】属性:赤 EG:②
効果:プレイヤーまたはフォロワー1体を対象に、
AP100+墓地のこのカードの枚数×100のダメージを与える。
◎――――――――――――――――――◎
穂香の除去カード、墓地の同名カード分を加算したダメージを与える。
だが墓地には《ビーティング・ショット》は無い。よって100ダメージをスピードランサーに与え、破壊した。
「クッ……」
「続けてオーク・インカネーションで剣さんに再度攻撃!!」
「ぐああ……ッッ!!!」
剣に2度目の500ダメージで残りHPは400、これであとは無くなった。そして時間経過による2回目のカードドロー。
だが先に動いたのはまたしても……
「EG⑤でアクションカードを発動します」
先手にEGを⑤まで増やした穂香のカードスキャン。
『アクションカード、【ユニット・リライブ】!!』
◎――――――――――――――――――◎
◎アクションカード◎
【ユニット・リライブ】属性:桃 EG:⑤
効果:自分の墓地に置かれたユニットを
自分フィールドに出す。
◎――――――――――――――――――◎
別名、死◯蘇生・自分のみバージョン! 蘇生させるカードは?
「『ブルーバード》をフィールドに蘇生させます!」
幸せを呼ぶ青い鳥が再びフィールドに現れた!
(しめた、やるなら今だ!!)
穂香のEGがゼロになった瞬間に剣がカードスキャン!
『アクションカード、【火の玉】!!』
相手のユニット、プレイヤーに200ダメージを与えるEG②のカード!
「オーク・インカネーションを攻撃、破壊だ!!」
DP100の命からがらなオークをようやく撃破した剣。
(オークが暫く倒せなかったのが痛いな……残りHP400で逆転できるかは分からねぇ。……でもそれ以上に分からないのは穂香の戦術だ。このゲームで見る限り4色以上のカードをデッキに入れてる筈が、全然動きに無駄が無い!!)
剣が称賛する通り、穂香は緑をベースにアメイジングの色彩豊かなカードを巧みに駆使する。一長一短なカードの色を他の色で補い、メリットに変換させるエキスパート戦法。
プレイヤーは彼女の事を【深緑の魔導師】と呼ばれているのは、この所以があってこそだ。
一端はゲームの状況が落ち着き、穂香は剣に言い諭した。
「――私は剣さんの強さを疑ったりはしません。剣さんの意思に宿る剣が芯の強さ、ゲームの強さに物語っています」
「……へぇ、分かってるじゃねぇか」
「でも……それでも私が勝ちます。私にも貴方のような魂に宿した形、あの人を守る為の【魔導杖】があるんですから!!」
それは即ち、穂香にもプレイヤーの魂・PASが宿っているという事――!
「……俺がバカなのか知らねぇが、穂香の言ってる意味は分かんねぇよ。大事な人を守る意志がある奴が親友に謝罪してまで魂かける必要があるかよッッ!!?」
「私がここで戦わなければ、魂をかけなければ……あの人の守るものが無くなる。傷だらけになってもいい、私だけでもあの人を守る戦士になるんです!!――この魔導師の命に賭けてもッッ!!!」
この瞬間、穂香のPASの波動が鮮やかな深緑の色にその体を宿した!
「……上等な心構え、だが俺には引っ掛かることが多すぎるぜ――!!」
そして剣もそれに反応するが如く、紅蓮の赤いPASのオーラを宿した!!
「だったらその矛盾した魔導の力、ねじ伏せてでもお前を止めてやる!! ――俺は絶対負けねぇ、来やがれッッ!!!!!」
紅蓮の剣、深緑の魔導杖。2つの交差する魂。
その決着を分かつ切り札は……幸せの青い鳥、【ブルーバード】――!!




