第41話⑤~すれ違う意思、剣VS穂香~
ゲームワールドの空に飛び交う立海遊戯戦団の戦闘機の群れ、その1機から下に降りてくるプレイヤーが……
「!!」
上空から舞い降りた天使……いや、この事件の引き金を引いてしまったプレイヤー。大森穂香が剣のいる草原に降り立った。
「………………」
顔全体が影曇ったような顔で剣の視線を反らす穂香。
「……俺さ、どうすれば良いのか分かんねぇんだよ。『んな事する子じゃないでしょ?』って言いたくてしょうがねぇんだよ!!」
剣はお母さんですか。
「何があったんや、どっかの悪タレに金せびられたんか!!?」
「申し訳、ありません……」
Gパーツを奪ってから謝罪しか返せない穂香に剣もやきもきしてきている。
「いや何で謝るんだよ!こんな事するにも相応の事情があるんだろ、そうなんだろ!?」
「いえ、Gパーツを奪ったのも立海遊戯戦団との共謀を図ったのも、全て私の意思です。私は……卑怯者、自らの目的の為にプレイヤーを最大限に利用する。それが本来の私です……」
だがその答えに直ぐ様剣は異議を唱えた。
「見え透いた嘘言ってんじゃねぇ! お前が他人に優しいことくらい俺とみのりが良く知ってらぁ!! 汚ねぇ奴が『ブルーバード』を謙虚に遠慮なんかするか!!!」
「剣さんが何と仰ろうとも……私はGパーツを奪った張本人です。その事実は拭えませんし、無論ここで止まるわけにもいきません。――貴方の阻止を打開するためにもゲームがあるのですから」
「――!!」
ここに来てプレイヤーの性をぶちこんできた穂香。強引なやり方とはいえ、ゲームの勝ち負けで白黒はっきり付けられるルールに剣は苛立ちを感じた。
「……思い直す気は無いんか? ゲームに勝ったところでやったことへの清算は付かねぇんだぞ!? もう後戻り出来ねぇんだぞ!!?」
「後戻りなど、当の昔に捨ててます!!!」
「――――畜ッ生ォ……ッッ!!!!
仕方ねぇ! だったら力ずくでもゲームでお前を止めてやる!! アメイジングで来い!!!!」
勝てるか勝てないかなど、打算的な感情は剣には要らなかった。
今はただ親友を必死に止めること。剣はアメイジングのデッキとカードスキャンブレスを抜き臨戦体制に入った!
「良いでしょう。私が勝ったら、ゲームワールドの要、Gパーツは頂きます」
そして穂香も自らのアメイジングデッキを取り出し、カードスキャンブレス装填、起動させて構えに入る。
「……穂香は俺にとってアメイジングを教えてくれた親友だが、親友の犯した間違いを許すほど俺は甘くねぇ。――意地でも勝つ。そして、お前を止める!!」
「手加減は無しです。剣さんがそれほど負けたくなければ、本気で挑むことを覚悟してください……参りますッッ!!」
「上等や!! 行くぞッッ!!!」
「「『決闘の境界』展開ッッ!!!!!」」
遥かなる草原の地に無機質で無限のエネルギー満ちるVRフィールドが展開された!!
久方ぶりのゲームバトル、そして久方ぶりの『AMAZING』が始まろうとしていた!!
プレイヤーの魂・PASが戦う者の職を例えるなら、剣が騎士、穂香が魔導師。しかし片や穂香はまだ詳細が分からないものもある。
怯むな剣よ、己の力を最大限に使い親友を止めるのだ!!
さぁ2人とも……覚悟は出来たかッッ!!?
「「アメイジングバトル!READY!!」」
『START UP!!!!』
その開始直後から――!!
「……!!?」
穂香の麗しい表情から一変。殺気に満ちた表情で剣の目の前に瞬時に移動し、武器カード『マジェスティック』の魔力を剣にぶつけようとする!
その距離は……ゼロ!!
「『エレメントマジック』ッッ!!!!!」




