第25話①~いざ!ファイナルゲームへ!!~
戦いが増すことに、友が、プレイヤーが次々と傷つけられていく……
8つのゲームで織り成す『G-1グランプリ』の激闘、いよいよFINAL STAGE、最後のゲームに突入する!!!
右手に持つカードを騎士の刃に変えて……
シャッフル・オールスターズの切り札、桐山剣出陣!!!!
第25話へ!!オープン・ザ・ゲート!!!!!
ゲームワールド・デュエルフィールドにて激戦を繰り広げるなか、その周辺『プレイヤー・バザール』内ではもう1つの戦いをする者がいた。
シャッフル・オールスターズの河合みのり達である。
「ちょっとみのりさん!私達逃げなくて大丈夫なんですか!?」
みのりと逃げているのはブラックヘロンから逃げ出した白鳥美律子。オールスターズに助けを求めたプレイヤーだ。
「――逃げてどうなるの?ゲームワールドから出られないし下手に動いたらブラックヘロンに捕まっちゃう!だったらやることは1つ!!」
「……何をする気ですか?」
「私達だけでもプレイヤーの皆を助けるの!!」
「えぇ!?そんな無謀な……」
「無謀でも何でも良いの!!剣君達が命懸けで戦ってるんだもん、私だって何か出来るはずよ!!」
みのりの決心は本気だった。予選で負傷したケガを押してまで仲間の為に動く彼女を見て、白鳥は心を動かした。
「――だったら私に良い考えがあります!みのりさん、私に着いてきて下さい!!」
「白鳥さん――?」
◇◇◇
白鳥が率先して案内したのは、プレイヤーバザールの入り口。トランスホールを通じて現実世界に繋がっている『エントランスゲート』だ。
「あの組織がゲームワールドを閉鎖させたのは各エリアのエントランスゲートにロックを掛けたからなんです。でもこれさえあれば――!!」
白鳥はゲートの管理プログラムの前にブラックヘロンから奪い取ったパソコンとUSBを取り出した。
「そうか!白鳥さんなら閉鎖させたセキュリティを知ってる!」
「逆も然りです!私の知識とハッキングさえ出来れば……」
「解除も出来る!!これで助けを呼べるわ!!!」
「でも時間は掛かります。奴等が来ないうちに解除させないと――!!」
白鳥は直ぐ様パソコンにプログラムを繋げ、ロック解除を開始した。
(ゲームの神様、仏様、女神様!どうか誰も来ませんように――!!!!)
みのりは必死の勢いで天を拝んだ。
しかしその願いは――10秒で破綻された。
「――何してるんだ貴様らァ!!」
((ギクゥ!!来るの早いって!!!))
2人の心の叫び虚しく、ブラックヘロンの団員達に見つかってしまった!
「オイ!お前は確かボスに歯向かった白鳥じゃねぇか!!」
「トランスホールに何かする気じゃねぇやろなワレェ」
「取り敢えず、2度と動けないよう焼き入れたろかコラァ!!」
鉄パイプを持った団員達の脅迫に怖じ気づいた白鳥。そこにみのりが前に立ち、庇う姿勢に入った。
「白鳥さんは早く解除を!ここは私だけでも!!」
「邪魔すんなこの女ァァァァァ!!!!」
一斉にみのりに殴りかかろうとした時――!!
ズドォォォォォォォォォン!!!
耳をつんざく轟音と共に、団員達は倒れていく。
「――女に手を出すとはとんだ腐れ外道だな、テロリスト共が」
みのりの前に現れた貴族の出で立ちをしたプレイヤー。
団員達に放った砲弾のようなエネルギーが彼の手先にPASの波動として迸っている。
「……貴方は確か――!!」
立海遊戯戦団の団長、立海銃司だ。
そしてその周囲には侍女の時実桜と参謀長の大門史也が。
「ん、貴様は確か剣と一緒にいた……」
銃司は冷ややかな目付きでみのりを睨んだ。
「みのりよ。貴方こそこんなところで何しに来たのよ!?」
以前大阪で出会った印象からみのりは警戒している様子だった。
「……俺の勝手だ。それより貴様らゲートを開けるんだろ?」
「そうよ、それが何よ!」
「そう怖い眼をするな。史也、ロック解除を手伝ってやれ」
「……承知」
緊迫するなかでも無表情の大門史也は白鳥を払いのけ作業に移った。
「――非力な女二人がこんな修羅場を何の用意も無しに突っ込むなど、無謀にも程がある」
「うぐっ……」
みのりは銃司に見透かされたように図星を突かれた。
「……だが、危険を省みず友のために行動した勇気は誉めてやる。これは俺からの奉仕だと思え」
みのりの銃司に対する感情に変化が出たようだ。
「意外と素直じゃないのね、貴方!」
「……フッ、ほざくな。俺はただゲームを低俗な輩に潰されたくないだけだ!」
銃司は眉をひそめて返事した。
そんな中でも史也はぶつぶつ言いながらゲートのロックを解除していく。
「こんな低レベルなセキュリティで何で対処出来ないかなWGCは……よし、解除完了だ」
「は、速い……!!」
白鳥は予想外の解除の速さに驚愕した。
「これで、やっと助けが来てくれるのね!!」
みのりもやっと希望が見えたかのように笑みが溢れ落ちた。
「……さて、それじゃ本題に入らせてもらおうか?みのりよ」
「え、本題って何のこと?」
「決まってるだろ、桐山剣のゲームを拝見させてくれ――!!」
◇◇◇
一方、デュエルフィールド。『ハイパーチェス』の死闘を終えて勝利した剣達だが、仲間の槍一郎が犠牲になった故にゲームで重症を負っていた。
控え室に戻り、剣は槍一郎の様子を伺った。
微かだが息はしていて心臓の鼓動もある。間一髪命は助かってはいるが、手当てが必要だ。
「……豪樹さんは槍ちゃんをお願いします。レミはみのりの所の病院行って、医者呼んで至急手当てさせて。
――俺は槍ちゃんの言う通り……戦わなきゃ」
剣の覚悟は決まっていた。リーダーとして、1人のプレイヤーとしての頑なな意志が……
「……大丈夫!剣君なら絶対勝てるよ!!だって今の貴方は、何だって出来る気がするもの!!」
レミは剣の後ろからおんぶするように寄りかかった。
「俺はレミ達よりも強くないよ、それにまだPASだって……」
「あたしはただパズルが得意なだけ。でも剣君は大事なものいっぱい持ってるじゃない!友達想いなとことか、勇気があるとことか!!」
剣は一瞬だけ緊張が解れ、笑顔を見せた。
「おっ、その笑顔や!」
豪樹も横から剣に近づいてきた。
「剣、強さってのは力だけが示すもんやない。ゲームを心の底から楽しむような、ありのままの自分を魅せることで真の強さが見えてくるんや。今の笑顔みたいにな!」
「皆……ありがとうな!俺らしく、頑張ってくるよ!!」
「その粋や!!!」
豪樹は剣の背中をバンッ!!と思い切り平手で叩いた。
剣にとっては痛烈な痛みだったが、それが逆に落ち込みかけていた自分を奮い立たせた。
会場では既に最後のゲームの準備は済ませていた。残るは剣とブラックヘロンエースの烏田を待つのみ。
「じゃあ――行ってくるぜ!!!!!」
剣は会場に差し込む光を浴びながら突き進んでいく。
シャッフル・オールスターズの想いを胸に!桐山剣、FINAL STAGEへ――――!!!!




