第24話③~予測不能!ワープ&プロモーション!!~
ハイパーチェスの特殊ルール、フィールド全体をランダムな位置に瞬間移動する『ワープディメンジョン』によりブラックヘロンのナイトが一気に剣達の陣に攻め込まれた!
ナイトの位置はF-3、剣のキングに向けてチェックのコールがかかった。
(ヤバイぞ……かくなる上は――!!)
剣のキングに移動コールをしようとするが、
「待った!キングは動かすな!!」と槍一郎。
「今ワープかかってる中でキングを動かしたらそれこそ危険だ!ここは僕が行く!!」
「でもそしたらお前が――」
「僕達の事は気にするな!コールを!!」
剣は躊躇ったが、ここは迷いを振り切りナイトにコールした。
「……G-1、F-3のナイト討伐!!」
槍一郎ナイトは右斜めのナイト目掛け、鋭いドリルでブラックヘロンのナイトを貫く。
バキッ――!!!
「ゲェッッ!!!?」
ナイトは真っ二つに割れるとそのまま爆散して欠片が辺り一面飛び散った。
ナイトに乗っていたプレイヤーは爆破の瞬間に逃げた為、フィールドの床で腰を抜かしていた。
「出来れば僕はこんなゲームは――おっと!?」
ブラックヘロンナイトを討伐したのも束の間、槍一郎ナイトは瞬間移動しそのまま……
「――――え」
チュドォォォォォン――!!!!!
ポツンと立っていたC-3のポーンの上から強引にナイトが乗っかり、そのままポーン討伐してしまった。
「……死んでもやりたくはない!!」
悲惨な状況に唖然するのを通り越して憤った槍一郎である。
次はブラックヘロンのターン。
『C-8ビショップ、E-6ポーン討伐』
ビショップは将棋で言う『角』の役割を持ち、4方向斜めのみ移動する。
先程自分のポーンを討伐した剣達のポーン目掛けビショップは機関銃のようなものでポーンを蜂の巣にさせ爆破した。
そして……ワープ!!
着いたのはH-3、ワープしたレミのクイーンの射程距離に入っていった!
「おい、嘘だろ!?」
反撃から危機に転じられたビショップ。しかしここは戦場、情けをかける余地はない。
「レミ頼むぞ!D-1クイーン、H-3ビショップへ討伐!!」
(危ない所にワープしませんように――!!!)
レミはクイーンを移動させながら手を合わせ神頼みをした。
クイーンは8方向何処でも進むことが出来る。将棋で言えば角と飛車が合体したような動きをする万能駒だ。
ビショップ討伐!そして――ワープ!!!
着いたのは……?
「……あれ?戻ってきちゃった!」
クイーンの初期位置のD-1にとんぼ返りするように行って帰っていったレミのクイーン。そしてゲーム内のアナウンスが鳴る!
『フィールドチェンジ!プロモーションクロス!!』
渦巻きワープホールから一転し、A-1~H-8とH-1~A-8の斜め直線に虹色のパネルがクロスに交互したフィールドと化す。
「良かった~!もう変な所へ飛ばされないのね!!」レミもひとまず一息付いた様子だ。
しかし――!?
(シャッフルの愚か者共が、このフィールドが来るのを待っていたんだ!!)
ブラックヘロンのターン。総本部の烏田はニヤリと笑みを浮かべ、コールする!
『F-7ポーン、F-6へ――
プロモーション!!!!!』
「……はぁ!!?【プロモーション】!!!?」
剣は驚きと同時に文句も押し寄せそうな態度になった。それには訳がある。
★【プロモーション】★
別名『昇格・成る』。相手側の最終列に達したポーンは、同色(味方)のクイーン、ビショップ、ナイト、ルークのどれか好きな駒に昇格することが出来る。
将棋の『成り』に似ているが若干異なるうえプロモーション出来るのはポーンのみである。
―G-バイブル『チェスより将棋のが独特なんです』より抜粋―
剣の文句の言い所はプロモーションを行う配置である。
元々相手側の最終列、終点で行うが『プロモーションクロス』よってX型の虹色パネルに乗ったポーンはそこでプロモーションを行うことが出来たのだ。
Fの列にプロモーションされたクイーン。このままでは剣達のビショップは危ない、剣は直ぐ様ビショップをG-2に避難させる。
だが、すかさずブラックヘロン追撃が!!
『D-7ポーン、D-5へ。プロモーション!!』
――最悪だ。語る側から見ても地獄絵図が文章の中から見えてしまった……!!
「クイーンが……3つだと――!!!!??」
絶望により青ざめてしまった剣。ダメだ、こんな所で諦めてはいけない!!
槍一郎達がお前にリーダーを託した意味を、思い出してくれ――!!!!!




