第24話②~やられたら最期!!~
8thSTAGE『ハイパーチェス』、会場内の巨大な駒をプレイヤーが乗り込むルールが仕組まれた。
「そんなアホみたいなルールがあるか!!」
剣も色々と葛藤するなかでのぶっこんだルールに突っ込まずにいられなかった。
「どうするんだよ、どれに乗り込む?」
チェスはポーン、ビショップ、ルーク、ナイト、クイーン、キングの六種類の駒がある。ゲームの要になるのがキング。
「……よし、ここは剣がキングに乗り込め」
槍一郎が剣に指示をした。
「俺が!?」
「そう、キングにはリーダーに乗って貰わないと。それにチェスのやり方知ってるだろ?」
「そりゃ知ってるけどさ……」
剣は乗り気では無かったが、槍一郎の考えに乗り、剣はキングを選んだ。
「豪樹さんはルーク、レミがクイーン、僕は――ナイトでいくよ」
シャッフル・オールスターズ4名の配置駒が決まりそれぞれ巨大駒の上に乗った。
剣のキングを中心に左隣のクイーンにレミ、右端のルークが豪樹、そして豪樹の左隣に槍一郎のナイトが並んだ。
そしてブラックヘロンは大勢の団員から駒の数32個分の人数でぎっしりとセットされた。
そして総本部を牛耳った烏田はアナウンスで指示する形で高みの見物だ。
(……絶景だな、ここが戦場になると思うと――!!!!)
烏田の眼の瞳孔が開くほど高揚した。
『――巨塔と見まごうような駒に乗り込んだプレイヤー達、それが何を意味するのか我々には想像は出来ませんがこれだけは宣言しよう!
……プレイヤー達よ、無事に生き残り、勝利を手にするのだ!!』
試合開始、その合図はコールではなく先攻のブラックヘロンが動いたときに始まる。
突然、総本部からのアナウンスが聞こえた!
『G-7のポーン、前方2マス移動』
剣側の左端のルークから見て下から1~8と上がり左からA~Gと、マスの位置は記号で記されている。
そこで音声コールをすることで各駒は自動で移動する。
ブラックヘロンのポーンは2マス前に進む。ポーンは最初の移動のみ2マス動き、残りは1マス前進、駒を取るとき斜めの敵のみ。
「……どう動く?」
剣は槍一郎に相談をした。初手とはいえ最初が肝心だ。
「左側から攻めていこう」
「……よし!――B-2のポーン2マス移動!」
剣達のポーンも自動で動く!!
暫くはポーンで両者の動きを伺っていた。
そしてD-4とE-5のポーンが斜めに向かい合った!剣達のターン!!
「……ねぇ、まさかと思うけど駒を取るときって本物の決闘とか――しないよね??」
レミは何か不吉な予感を剣に言い諭し、一瞬手の動きを止めた剣。
しかしコールしない限りゲームは進んではくれない。一旦間を置いて、剣のコール。
「……D-4のポーン、E-5へポーン討伐!!」
次の瞬間、剣達のポーンが光り相手のポーン目掛けてレーザーを放った!!
「え、ちょっとま……わぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
――ドカァァァァァァァァァァン!!!!!!
上に乗っていたブラックヘロンのプレイヤー諸とも爆破が爆破された。
これを見た剣達とブラックヘロンの一員は愕然とし、血の気が一気に失せた。
「…………嵌められたかもな俺達。あのクロサギの大将、このゲームで血祭りにあげる気らしい――!!!」
剣はそう言うと、更に緊迫した顔になりながらも身を引き締めた。
(こんな状況でもう迷ってられねぇ!1歩でも気ぃ抜いたら――殺られる!!!!)
更にゲームは進んで、剣達はなるべく乗っている4人を動かさずに襲い来る敵の猛攻にひたすら防御を固めた。
「H-4ポーン、G-5へ!【アンパッサン】!!」
すると4の列に隣り合わせになっていたポーンが移動と同時にG-4のポーンを取った!
★【アンパッサン―En Passant―】★
フランス語で「通過中」の意。ポーンが最初の位置から2マス進み、相手のポーンの横に止まった時(言いかえると相手のポーンの効いているマスを飛び越えた時)、相手のポーンは動いたポーンが 1マス動いた時と同じように取ることが出来る。
この特別な取り方はポーンが 2マス動いた直後の手でしかできず、それ以降は取る権利が無くなる。
―G-バイブル『将棋も良いけどチェスも面白いよ?』より抜粋―
久々のG-バイブルが出たが、安心するのはまだ早かった。
ここから普通のチェスとは違う進化システムのお披露目だ――!!
それは、ブラックヘロンにターンが移るときに始まった!
『――フィールドチェンジ!ワープディメンジョン!!』
会場でのゲームアナウンスがいきなり流れると、フィールドが西洋風のパネルから渦巻きのようなワープホールで埋め尽くされた!
そして総本部からコールを放つ!
『B-8ナイト、A-6へ』
初めて8方向に将棋の桂馬飛びをして動かすナイトを指定の位置へ動かしたその時――!!!
シュバッ!!!!
ナイトが一瞬消え、なんと普通の移動とはありえないF-3へ移動した!!
『……【チェック】!!!』
「なっ!!??」
剣は驚愕した。開始して間もない中で【チェック】、即ち『王手』を宣言されるとは思わなかったからだ。
剣達に底知れぬ危機が迫る――!!!!!




