第22話③~飛び散るPASパワー!!~
G-1グランプリ予選後半戦、6thSTAGE『バーンアウト・トライアル》』がいよいよスタートとなる。
シャッフル・オールスターズとブラックヘロン。両者4名ずつ参加プレイヤーを出し合い、負ければ即リタイアのデスマッチ戦として後半戦のルールが設けられた。
準備が整い、残すは新垣実況のコールを待つのみとなった。
……来た!魂の実況者 新垣治郎が浮遊する小型ジャイロに乗ってアナウンスが始まった!
『鋼鉄のアスレチック、アスファルトジャングルに2つの意思あり。
ゲームワールドを生き抜く者と破壊する者、これらがぶつかり合うとき混沌の空間と化する!その修羅場に勝利をもたらすのは果たして誰か!?
――その正義はタイムで白黒付けようではないか!!!』
4vs4でのタイムトライアルバトル、初陣を斬るのはオールスターズ・桐山剣。
ブラックヘロンからは筒木小二郎(17)の2名がアスレチックのスタート地点に立つ。
(それにしても、あいつ鼻長ぇな……)
筒木のキツツキのクチバシのような鼻に剣は少し引いていた。
「……何ジロジロみてんだよ、鼻で突っつくぞ!」
(やっぱキツツキやんけ……)
剣は呆れながらも、試合前に槍一郎に言われた事を思い出した。
≪――いいか剣?昨日の研究所でPASの事を知ったとはいえ、お前は覚醒前の未完成だ。不馴れなゲームでPASを意識しても敵に隙を見せるだけ。
今は自分の持てる力で耐えるんだ。チャンスは必ず剣の前にやってくる――!!≫
(……焦れったいけど、確かにタイムトライアルは慣れてねぇし急かすことでもない。ここは様子見だな)
剣は呼吸を整えて、臨戦体制に入る。
準備は整ったか――!?
『3,2,1……』
音声アナウンスのカウントコール、からの……
『GO!!!』
さぁ、刹那の沈黙から両者一気に動き出した!と言ってる側から!!
「PAS発動――!!【ウッドペッカー】!!!」
「な!?PASだと!!?」
剣は驚愕した。あのキツツキ鼻がPASを使うとは思いもしなかった。
◎PAS【ウッドペッカー】
・タイプ:アニマル
・プレイヤー:筒木 小二郎
・能力:キツツキの能力を最大限発揮させた動物型PAS。毎秒20回の早さで固いもの等を堀削るキツツキの性能から連打やクリティカルヒット率増加等の効果を持つ。
「悪いがノロマは置いてくぞ!!!」
第1の関門、サークルフラッシュを筒木は目にも止まらぬ早さで右往左往に素早く押していく!
「やべっ!急がなきゃ!!」
剣もそれに動揺しつつもボタンを押していった。しかし一歩リードしているのは筒木だ!
次の難関、ヘブンリーアンカーへ。先程リードしていた筒木は軽量の立端ゆえにパワー不足か、50キロの錨に悪戦苦闘していた。
これに対し剣は差を縮めていく!
「なんだ?さっきのスピードはどうしたよ、キツツキ!」
「う、うるさいッ!!」
特訓の成果からか重い錨を軽く上げていく剣余裕の煽り文句だ。
さぁここで、剣が追い返し逆転リード!ドアのロックが外れ最後の難関、プレッシャーオペレーションへ!!
ここで焦りは禁物だ。モニターに書かれたコマンドを少しでも間違うとロスに繋がる。
桐山剣、ここはスピードを押し殺し慎重にコマンドを打つ。
おっと、ここで6秒程遅れて筒木も最後の難関に入った!
「クソッ!このまま終われるか!!【遊奥義・千本ピック】!!!」
PASの専売必殺、遊奥義が炸裂する!!
剣の連打技、『エース・スティンガー』を更に凌駕した人間バイブレーションだ!!!
だが――!?
「く……振動で、指先が言うことを聞かないッッ――!!!」
PASには特徴がある分、当然弱点も存在する。
キツツキの特性には固いものに穴を開けるときの脳への振動に耐えうる程の力を用いているが、人間である筒木にはこの連打の際の振動を制御する力までは得ていない。
その為連打する時の振動が指先に止められず、コマンドが思うように打てないのだ。
(こいつ、PASが制御出来ていないのか!よーしチャンスだ!!)
暴走する筒木とは裏腹に剣は己のペースでコマンドを押していく!そして――!?
「これで、ラストッッ!!!!」
剣は20回のコマンドを打ち終わり、ドアが開いた瞬間直ぐにボタンをプッシュ!!
フィニッシュのブザーが鳴り響き、ゲームクリア!!タイムは……1分2秒43!!
筒木はそれに11秒遅れてクリアした。
「くぅ……突っつきすぎて頭が痛い……」
PASの力を使い果たして頭痛を引き起こした筒木、キツツキの力を持っても連射力は人間の力で熟練していかねばならないという事である。
「……礼を言っとくぜ筒木!PASは未熟者が使うもんじゃないって、よーく覚えとくぜ!!」
勝ち誇る剣、初陣を切りながらも余裕で勝利した。
◇◇◇
……さて、ここからはダイジェストなってしまうことは申し訳ない。しかしちゃんと結果はお伝えしよう。
第2試合はオールスターズ、高橋豪樹が出陣。
パワーに長けている豪樹はヘブンリーアンカーにて、強烈なスピードを見せつけブラックヘロンに圧勝した。タイムは1分1秒90。
第3試合では畠田レミ、スピードは申し分なし。
女性ハンデの30キロアンカーでは手こずったものの、最後のプレッシャーオペレーションでは無駄のないコマンド入力で差を付けてクリア。タイムは1分8秒87でレミの勝利。
どちらもブラックヘロン側にPASを使う者がいなかったのも勝利の一因となった。
そして残すは……大将戦!!




