私が思った事を排出するだけ
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なろう界隈で投稿されている作品は大部分が異世界物で、しかもその多くが主人公に特別な力を与えて無双していくといった、現なろう読者にとっての憩いの場となっており、その特別な力を私達は「チート」と呼んでいます。
チートは物語上でも主人公を目立たせる上でも重要な要素になる事が多々ありますが、その力があまりにも強すぎて展開がワンパターンに感じる問題も出てきます。そこにチート能力持ちの敵キャラが現れてチート対チートなんて構図が出来上がったら、他のキャラは一体何のためにいるんだという葛藤が生まれるでしょう。
どこを見てもチート、見たくなくてもチート、見渡す限りのチート、自分の足元までもチート。もうどれも同じチートじゃあないのか?
でもちょっと待ってください、ただチートと言えど種類等は様々で、全てを一まとめにするのはお門違いだと私は思っています。
そこで今回はそのチートの種類を私なりの考えで紹介します。
1.肉体的チート
桁外れの能力値や超常的な種族特性といった、通常ではあり得ない動きなどが出来るようになる物を指します。
地球を割る程の筋力や光よりも速く動ける素早さ、どんな環境でも活動出来る適応性等がどれ程の力かはあまり考えなくてもわかるかと。
究極的に言えばそれは肉体が持つ能力の延長線上であり、いつかたどり着くかもしれないという一つの未来を今書いているんだと思います。
このチートの利点は「安定して見れる」事でしょう。少しベタな展開だとしても能力が足りていれば、主人公が多少無茶をやったところで被害は軽微になるのが特徴でしょうか。
逆に問題点は「インフレが起こりやすい」事でしょう。一度入ると抜けたくても抜け出せない罠が敷き詰められているような物なので、気を付けるべきは展開になると思います。
2.特殊能力チート
先ほどとは逆に身体とは無関係で、代わりに何かを操ったり生み出したりする物を指します。
何も無い場所に金品を作り出したりトラックを浮遊させたり、どんな病でもたちどころに治せるなんて、とても便利そうで私も欲しいと感じます。
そういった非現実だという事実が私達に「最強」と思わせるのでしょうが、結局は存在しない物なので悲しいと思ってしまうのがオチですね。
このチートの利点は「一つ一つが強い」事。幾つかの力を同居させる事も可能で、組み合わせ次第では本当に完全無欠の力となる事でしょう。
逆に問題点は「扱いが難しい」という事。使用者の限界的な意味でも展開的な意味でも、一歩間違えば最悪の道を辿ってしまうのでこれも細心の注意が必要です。
3.現代知識チート
言わなくてもわかると思いますが、どちらかと言えば過去の文化力を逆手に取った「疑似的チート」と呼べるでしょう。私は現代兵器を持ち込んだ場合もこれにカウントする物とします。
石器時代にライターを持ち込んだり中世に戦車を投入したりの時代錯誤な時点でおかしい雰囲気が漂っていますが、チートなので問題ありませんと言っておけば大丈夫なのが不思議です。
この設定を好む人は、周りからちやほやされる人気者になりたいという願望が表にでた物だと思いますが、そこで満足しているようでは本物の人気者にはなれないというのが私の見解です。
このチートの利点は「知識が無くても書ける」という事。皮肉にも矛盾しているのに成立してしまうこの事実こそが、この界隈に知識チートを氾濫させてしまった要因だと思います。
そして問題点は「それを使った作品の質が劣悪になる」事かと。その人がどんな美辞麗句を書いたとしても、作家としてのレベルが極めて高い場合を除いては高い評価を得られないでしょう。
チートも多種多様で使い込まれる物ですがどれも長所と短所がちゃんとあるので、使いたい場合はよく考えてから使われた方がよいでしょう。自分なら使いこなせると言うならば、きっと短所も活かせる設定を作る事が出来ると信じてます。
しかし、ただ一見弱い能力も使いようによってはチートの分類に入るので、よかったらそういう物にも目を向けてあげてください。おそらくあなたが活用出来る能力があるはずです。
現実でも同じ様に自分が意識していなかった部分が、実は素敵な力を持っていたなんて事が数多く存在しています。そしてそれにいち早く気付けて、なおかつ続けられるかどうかはあなた次第。
とまあ、全て書いたつもりで私は満足しましたが、まだまだ書いてない物があるんじゃないかと内心ヒヤヒヤしてます。でも長すぎる文章もいかがな物かと思うので、私の駄文も今回はここまで。
是非、自分に合ったスタイルを見つけてあげてくださいね。