はっぴーはろうぃん、とりっくおあとりーと
平和を取り戻したデール王国。
愛情を知らずに育った魔力戦闘部隊の子どもたちに、ジェルミア国王は何か楽しいことをしたいと考えていました。
「ハロウィン? それはいったいどういう催し物なんだい?」
「仮装をし、はっぴーはろうぃん、とりっくおあとりーと。という言葉を大人に言うとお菓子を貰えるそうです」
「お菓子か……」
とある旅人から聞いたという異国のお祭りは、子どもたちにとって楽しいお祭りになると思いました。
数日後。
ジェルミア国王は城内の一部を開放し、王都の子どもたちも呼びました。
子どもたちはハロウィンの飾りが付いた部屋を一つ一つ周り、大人に言います。
「はっぴーはろうぃん、とりっくおあとりーと!」
キャーキャーと楽しそうな声が鳴り響く城内に、大人も楽しくなりました。
魔力戦闘部隊の子どもたちも表情にはあまり出しませんでしたが、頬を赤く染めて貰ったお菓子を大事そうに抱えています。
「はっぴーはろうぃん、とりっくおあとりーと……」
それは甘くて温かい幸せの魔法。
色とりどりのお菓子はまるで宝石のよう。
少年はキラキラと輝くお菓子をじっと見つめていました。
「どうした? 食べてもいいんだよ?」
ジェルミア国王は少年に声を掛けると、少年は首を振ります。
「なくなっちゃう……」
「そうか……。大切なものをずっと胸に抱えておくのもいいかもしれないね。だけど、このお菓子はどう思っているかな? 甘くて美味しいお菓子は君に食べて欲しいと思ってると思うよ。そのために作られたものだからね」
「……」
少年はじっとお菓子を見つめていましたが、小さく頷き飴を一つ口に入れました。
「おいしい………………ありがとう……」
僅かに笑みを浮かべた少年に、ジェルミア国王も顔をほころばせました。
おしまい。
ブログの企画で描いたハロウィンイラストです。
幸せになったニーキュを描きたくなって描きました。
呪文のようにぶつぶつ唱えていますね。
きっと嬉しくて唱えているんだと思います(*´∀`*)
少しずつ楽しいことを知っていってほしいし、王様になったジェルミア様も平和な国になるよう頑張ってほしいです。




