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いばら姫のパロ(2018/09/28)

#私の絵柄で見てみたい童話の登場人物っていますか


というタグからKさんより「いばら姫の魔女=セルダ」のお題をいただきました。

ちょっと作れそうにないな~と言ったところ、「いばら姫=女レイ、王子=男エリー、王様=リアム」でいいじゃん。と言われ、ああなるほど~と書き始めたら、セルダが全然魔女じゃないっていうwww


思ってたのと違う「いばら姫」になっちゃいました……www

挿絵(By みてみん)




 とある王国のお城でとてもとても可愛らしい女の子が産まれました。


「お前の名はレイ。皆に愛される姫となろう」


 リアム国王の声で多くの人々が集まり、盛大な宴が催されました。




 それから十五年の月日が経ちました。


 姫は国王の言った通り、皆から愛されました。


 明るく優しい姫でしたが、少し好奇心が旺盛です。


「ねぇ、セルダ。今日はどんな薬を作っているの?」


 レイ姫は城にある研究室に来るのが大好きでした。


 セルダはこの城の魔女と言われるほど、色んな薬を作るのが得意です。


 机には小瓶が沢山並んでおり、緑色の怪しい液体が入っています。


「これはなかなか眠れない人のため用に、睡眠薬を作っているのよ。レイ様はちゃんと眠れているかしら?」

「うん、毎日ぐっすり」

「それは良かったわ。さ、またここに来てはリアム陛下に叱られるわよ。っていうか私が叱られるから来ないでちょーだい」


 セルダから追い出されたレイ姫の手には緑色の液体が入った瓶が握られていた。


「どれくらいぐっすり眠れるんだろう」


 レイ姫はこっそり持ち出していたのです。


 胸を弾ませながら自分の部屋に戻りました。


 ベッドの上に座り、持ってきた睡眠薬を一気に飲み干しました。


 するとレイ姫はあっという間に眠りに落ちてしまいました。




 それを知ったリアム国王はセルダを呼びつけます。


「何度起こしても起きない。この瓶はお前の薬が入っていたのではないか? いったい何の薬だ」

「はい、陛下。そちらは時を止める薬。寝ている間はお腹も空かず、年もとりません。持続時間は不明です。何年も眠る可能性があります」


 リアム国王は悩んだ末、城全員でこの薬を飲むことにしました。


 それはレイ姫が起きたとき、同じように暮らせるようにしたかったからです。


 外部から侵入されて何かあっては困ると、城の回りにいばらをはわせました。


 これで何年眠ったとしても侵入者から守れます。


 この日から、この城は深い眠りにつきました。




 それから百年後。


 城はいばらで覆い隠され、誰の目にも触れることが出来ませんでした。


 しかし、城の中には美しい姫が眠っていると噂になっていました。


「いばら姫?」


 たまたま通りかかったとある国の王子が噂を耳にしました。


 町中の人々がいばら姫の美しさをあまりにも多く語るため、エリー王子は一目見てみたくなりました。


「その城はどこに?」

「行くのはやめた方がいい。何人もいばら姫を見ようと城に向かったが、誰も戻っては来なかった」


 しかし、エリー王子は行くことに決めました。


 どうしてもいばら姫を見てみたかったからです。


 お城があるとされる場所に行ってみると、灰色のいばらのツルが壁のように行く手を阻んでいました。


「これは想像以上のいばら……」


 白馬から降りたエリー王子が剣で切り開こうとしたときでした。


 突然いばらが襲い掛かってきたのです。


 エリー王子はいばらを切り刻み突き進みました。


 そしてボロボロになりながらもなんとか城にたどり着きました。


 城の中はしんと静まり返っています。


 本当にこんなところで眠っているだけの人がいるのだろうか。


 エリー王子は疑問に思いながら、色んな部屋を見て回ります。


 どこの部屋にもベッドで眠る人々。


 そんな状況をとても不思議に感じながら、遂にレイ姫の眠る部屋にたどり着きました。


 天蓋のベッドの中で眠るレイ姫は、噂どおり美しかった。


「この方が……いばら姫……」


 エリー王子はついレイ姫のふわふわの柔らかい髪に触れました。


「勝手に触れるのは失礼ですね……」


 自嘲しているとレイ姫の瞳がゆっくりと開きました。


「いばら姫……?」

「んん……? あれ……あなたは……?」

「あ……すみません。私はアトラス王国の第一王子エリーと申します。百年眠っている姫がいると聞いて参ったのですが……」

「百年!? え、嘘? 私、しわしわのおばあちゃんに!?」

「いえ! あ……あなたはとても若くて美しいです……」


 エリー王子は慌てたレイ姫の腕を掴み、じっと見つめました。


 レイ姫もまたエリー王子を見つめます。


「あー……えっと……エリー王子も……とても美しいです……」

「いえ、私は……」


 そう言いながらも、二人は引き寄せられるようにキスをしました。


 それは甘い甘いキス。


 この城で起きているのは二人だけ。


 邪魔をする人はいません。


「ちょっとぉ! レイ様! 起きた~~?」


 しかし、それを壊したのはセルダでした。


「んもぅ、勝手に薬使わないでちょーだい! 私が陛下にめちゃくちゃ叱られたんですからね!」


 遠くから文句の声が聞こえてきます。


「レイ様、私はこれで……」

「あ、エリー様!」


 レイ姫は立ち去ろうとするエリー王子を引っ張り、もう一度キスをしました。


「次は正面から来てくださいね」

「……はい」


 エリー王子は勝手にお城に忍び込んだことを咎められないよう、そっとお城から抜け出しました。


 その後、レイ姫はセルダだけではなく、リアム国王からこっぴどく怒られました。




 数ヶ月後。


 エリー王子は約束どおり正面から堂々と入り、レイ姫と婚姻の約束を取り付けましたとさ。




 おしまい。

更新日時メモ:2018/09/28 15:53

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