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剣豪魂  作者: 富野夷
15/29

またリオ・オリンピックを見て思うこと。

 オリンピックを見ていると、

「気持ちで負けていた」

 という言葉を聞きます。

 しかし、

「出る前に負ける事考えるバカいるかよ」

 と言ったのは、プロレスではありますが、超一流のアントニオ猪木です。

 確かに、その通りです。

 誰も負けようというような気持ちなどないはずです。


 では、アスリートが使う「気持ちで負ける」とは何か、考えてみた次第です。


 まったく低い次元を例にとりますが、お許しください。

 私は大学時代に、空手部でした。

 まだ、シゴキということが、当然の時代でした。

 たるんでいる一年生がいて、

「お前、シゴイテやれよ」

 三年生が、二年の私に言いました。

「押忍」

 と言って、うなずいた私ですが、

「シゴキなんやめたほうがいいよ。そんなに、やりたいなら、自分でやれば」

 の気持ちでした。

 そして、一年と組み手をしたのですが、なぜか負けるはずのない相手に、逆襲を許してしまい、冷や汗をかいた覚えがあります。

 

 誰も、

「負ける」

 とは考えないでしょうが、

「勝つと関係のないことを考えてしまう」

 ということ、

 別の言い方であれば、理屈みたいなことを考えていること、それが、

「気持ちで負ける」

 ことなのかもしれません。 

 

 新聞記事を読んでいたら、こんなものがありました。

 北島康介のアテネ五輪の心境は

「(ライバルを)ぶっ殺すぐらいの気持ちだった」

 とのこと。

 競泳でも、ぶっ殺す――

 ぐらいの気持ちが、必要なのか。

 これが、金メダルを取る人なんだなと思いました。

 ゾーンとでも言うべきなのか、


 そのリオ・オリンピックも終わってしまいました。


 ということで、

 つけ加えさせてもらってもいいでしょうか。


 やはり、普通ぐらいの感情などでは、究極の境地にある金メダルは無理だと思うんです。

 その優しさなんてものから生じる、

 複雑な感情、つまり勝つ以外のこと、のために、

 超一流になれないアスリートが、決して少なくはないはずです。


 金メダルは、

 人間を人間的ではない境地にまで追い込むものだなあ、

 とも考えたしまった次第です。


 さらに、

 本当の殺し合いになる、

 真剣勝負とならば、

 どれほどの境地が必要なものか、

 恐ろしくさえ思ってしまいます。


宮本武蔵は修行に出たまま行方不明ですが、気持ちでは負けていないと思います。

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