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ノスタルジックメモリア  作者: 千成いなせ
6/9

月夜に笑う兎6

翌日、明美達は今後の方針を話し合う事にした。


「二人はこれからどうするの?」

「街の調査でもしようかと思っています」

「調査?」

「グリム達は現世に来る時に(ゲート)を通ってくるので、先に(ゲート)を見つけて封印しなければならないんです」

「壊す事は出来ないの?」

「残念ながらそれは出来ません。ですから封印しこちらに来れないようにしているんです」

「じゃ、封印が成功すれば、もう襲われないってこと?」

「封印も一時凌ぎにしかなりません。それに(ゲート)を探すのも時間が掛かるので恐らくは……」

「そっか。何をしていても来る時は来んだね。それならこの街を散策しない?」

「構いませんけど、急にどうしたんですか?」

「散策してたら(ゲート)が見つかるかもしれないし、見つからなくてもせっかくの休日だし外に出ないともったいないじゃん」

「では散策に行きましょうか」

「うん」


こうして調査兼街の散策をすることになった。




街の名所となる場所を見て周り、時間的にもお昼を過ぎたので二人と一匹は軽めの昼食をとる事にした。

公園のベンチで休む。


「結局見つからなかったね」

「そう簡単に見つかるようなものではありませんから」

「ワタルはどうしてグリムと戦っているの?怖くない?」

「戦うことに恐怖を感じる事はありますよ。それでもグリムから人を守るのが存在の証ですから」

「人を守る為にグリムと戦うって怖いけど、なんだかカッコいいな。私にもなれるの?」

「人手が増えるのは有難いんですが、止めておいた方が良いですよ」

「どうして?」

「この力は失ったからこそ得ることができたんです」

「それってどうゆう――――」

「何か飲み物でも買ってきますよ」

言葉を言い終わる前にワタルは立ち上がり飲み物を買いに行ってしまった。


「私、不味いこと言ったかな?」

横に座っているペボに尋ねる。

「ワタルはまだ受け入れていないんだよ」

そう言ってペボは静かに語り始めた。

その中でも極め付きだったのがグリムと戦う力を得た者は周囲の記憶から抹消され、誰からも思い出されなくなることであった。




「そんなことって」

「信じられないかニャ。でもこれは事実ニャ」

「気軽に言っていいことじゃなかったね。私、謝ってくる」

立ち上がろうとする明美にペボが静止する。

「過去話をしたのは秘密ニャ。それにワタルなら心配ないニャ」


両手に飲み物を持ったワタルがこちらに歩いて来る。

「お待たせしました。こちらでよろしかったですか?」

「う、うん。そうだワタルこれから展望台に行かない?」

「また急な提案ですね。今度はどうしたんです?」

ワタルは横目でペボを見ている。


「ペボは関係ないよ。私がワタルに見せたい物があるから」




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