第43話:謙遜なる祈りを以って窘逐された矜恤の世界に、真福九端を奉れ
―――――――― 集祷文 ――――――――
目覚めたら、そこに座っていた。
井戸に飛びこんでからの記憶がない。
いつの間にここに座らされていたのか、みんなも困惑を隠せない。
全員一斉に目覚めたらしく食卓……、のようなところは一気にうるさくなるが、誕生日席に座る不気味な男を見ると徐々に静まっていく。
長テーブルに置かれた髑髏の盃に入れられた飲み物――恐らく紅茶であろうそれを飲む。苦く粘っこいが飲めないことはない。
髑髏の盃はある程度加工されているがくり抜かれた目の黒い穴が僕を睨む。
もう……、僕たちはおかしくなってしまったのか、こんな空間にいても気が変になることはなかった。
すると、誕生日席に座る男が不気味な声音で話し出した。
「ンフフフ。申し訳ないですねえ、お客様なんて何十年ぶりですからお茶など覚えていないのですよ。それに、最近の人間の料理もよくわかりませんから何を作るか悩みましたよ。あぁ、それとお代わりが欲しかったらこちらにおいでなさい」
「あ、じゃあ俺下さ〜い!」とサクヤが手を挙げながら盃を持っていく、こんな状況下なのに良くあんなことができる。
だが、サクヤが持って行った盃に注がれたのは真っ赤な……、血だった。
「ヒィアっ!!」というサクヤの声とガッシャァァンと割れる髑髏盃の音が重なる。
「オヤオヤ。ワタクシのコレクションを割るとは、いけない子ですねえ。洗零者の言葉が無ければあなたを今夜の鍋に放り込む所でしたよ」
ンフフフ。と男は不気味に笑う。
男は擦り切れ垂れ流したような赤色のデザインを模したローブを羽織い、目玉は飛び出さんばかりに浮き出ている。
嫌らしい笑みを浮かべ痩せ細った腕や顔に薄汚い緑色の血管が浮き出ている。
灰色の髪はボサボサなのにも関わらずかき上げていている。
「ここどこ?」「あれ、誰」と夢見心地だったメイとユウが困惑した声を出す。よく見るとこの一室に僕たち43人いや、今は41人か。
正確な数がわからないがテーブルを囲うようにランダムに座っている。
「ンフフフ。取り敢えず吉報です。貴方がたは洗零者の意向により生かされることになりました、ンッフッ……。
そしてですねえ、ワタクシが使い物になるまで育てろと言われましてねえ。あ、しかし欠陥品に関してはンフフフ、好きにして良いと!! あぁ、ありがたき幸せ。ワタクシはもう歓喜に狂いそうですぞぉ!!」
……やっぱり、不気味だ。
「あぁ、坊やたち、お腹が空いているでしょう。さぁさぁ、遠慮せずにお食べなさいね」
そういって席を立ちノソリノソリと部屋を出ようとすると、男は突然振り返って言う。
「アァ……、言っておきますがここの屋敷は基本的に自由に使ってもらって構いませんよ。ただワタクシの実験室に足を踏み入れた場合、お仕置きとして実験材料になってもらいますがね、ンフフフ。
まあ、後は貴方がたのお好きになさい。今日はお昼まで時間を与えましょう。最後の時をゆっくり楽しみなさい」
そう言うと男は静かに立ち上がり赤のローブを引きずりながら僕の真後ろをヒッソリと歩いていく。
話に聞いたことのあるお化けのようで寒気がする。
すると、隣のハナが椅子を揺らしながら「お風呂ってどこにあるの?」と、軽い口調ですれ違っていく男に聞く。
男は少しだけ顎を右手で押さえながら悩んだ表情を取ると、右拳で左手を叩き何かを思いついたような素振りを見せる。
「そうですねえ……、風呂場はないですが、死体洗浄室ならありますよ。もちろん温水つきです、ンフフフ。使いたければお好きに使いなさい」
満足そうに歩き出す男を呆然と眺めていたハナは、涙を堪える……、かと思ったが机に突っ伏し何も話さなくなる。
男は左手でノブを掴み「デハデハ、ごゆっくり」と告げ扉を閉め、どこかへ行ってしまった。
「何だったんだ、今の?」と、サクヤが訝しむ。
部屋を見渡すとみんなが眠気まなこを擦りながらウンウン言っている。
臭い。嫌な臭いがする。
すると、ルナートが話し出す。
「聞いてくれ。昨日、少しだけ話したんだが……、ここは、地下都市インペルダムってとこで、あいつはイスラルというらしい。それに暗殺ギルドの一員だって」
「あ、暗殺ギルド?!」
誰ともなく聞き返す。
無理もない、みんな死ぬと思っていたのだ。
「生きてる……、んだよな、俺たち一応」
「リックほっぺつねって」
ギュゥゥゥゥ、とリックがフルールさんのほっぺたをつねる。
「あ、これマジのやつだ」
「夢じゃないんだから」
なんて言いながら途方も無い顔つきで辺りを見回す。
するとルナートとミサがアイコンタクトを取ると席から立ち上がり、一旦部屋の外へ出ようとする。それに僕も慌てて立ち上がり二人の元へ向かう。
そして、ルナートがその扉を開けようとすると、
「な、何だよ……、これ」
ルナートの悍ましい声が響く。
目を凝らして見ると取っ手は……、人の手の形をしていた。
いや……、形などではない、本物の”手”だ。
「これが、取っ手ってことか」
顔を歪めながら取っ手の手を繋ぎ回す。
カチャ、という音と共に扉が開く。
すると目の前に巨大なホールが現れる。
僕も席からホールを覗くが、そのホールを見ていると気分が動転しそうになる。
骨組みで作られた白いシャンデリア、血色のペイントを施された手すり、何が素材で出来ているのかさえ分からない壁と床、鮮血のように鮮やかな赤絨毯。角には人体のオブジェが据えられている。
玄関の扉を開けるとすぐにこのホールに来られるようで、その空間は広い。
設けられた銅像も恐らく本物の死体だろう。
他の子達の泣き声や悲鳴も聞こえていたが今はもう静まっている。
混乱して気でも触れたのか、みんなはいつもより大人しかった。
ルナートとミサが扉を閉め、席に着く。
沈黙が降りる。
全てが歪だ。
椅子は人間の……、女の部位が調度されていて胸が背中に来る。
「これ何!? 柔らかッッ!! 冷たッッ!!!」と、サクヤとデボラが騒ぎながらペタペタと触っている。
女の子たちは戸惑っているが気分は……、良くなさそうだ。
その後デボラは気でも狂ったかのように部屋中を走り出した。装飾品や調度品をジトジト眺めいつもより高い声で叫びながら。
だが、誰もそれに口をはさむ者はいなかった。
この部屋は晩餐室と言っていた。
目の前に差し出された食事には誰も手つけない。
見ただけで全員が感じた、これは人間の食事ではないと。人間の部位らしき物が調理され並べられており、表現するのでさえ気がひける。
早く、何とかしてここから抜け出さないといけない。
「取り敢えず、状況を整理しましょうか」と、ミサが話し出す。
「まず……、私たちは死んでない、これが一番重要な事実よ。それから私たちはこうしてこの屋敷に留めてもらっているけれど、それはボスという人の命令であること。そして、この家主は相当な死体好き……、コレクターだというところね。
それに最後の時だと言っていた、今から待つのは……。地獄、良くて苦難ね」
沈黙が降りる。
状況が飲み込めていない者が多いようだ。
すると首を傾げながらキリーナが聞く。
「え……と、死体? これ、全部?」
「そうね、あなた達は体のパーツがどんなものか分かってないでしょうけど私とルナート、スレイアは人体模型図の乗った本を見たことがあるの」
そう……。
あまりいい思い出ではないがコッソリと書物室で見たことは覚えている。
部屋は気味が悪い。
椅子の脚も人間の足。机には血管が張り巡らされ水平にコーティングされている。
部屋の端には頂きますのポーズをし手を合わせた白い置物が四隅に置かれていて、それを見た何人かが嘔吐を抑える。
だが、僕の心はどこかネジが飛んだのか何も思わず、ただただ虚ろだった。
しかし、食欲だけは著しく低下していった。
人の皮らしきもので精緻に編み造られたランプシェード内の目玉のランプが部屋を照らし、装飾品にはまるで今なお生きているかのような死体が吊られている。それも人の死体と骸骨の全身が順番に並べられており寒気が走りゾッとする。
贓物や手足が組み重ねられ壁に貼り付けられ縫われているのが一種の芸術であるかのようにペイントされている。
「ね……、ねえ。これから私たちどうなるの?」
スララが不安そうな声で聞く。
みんな同じことを思っているはずだ。
「取り敢えず、昼にはホールに集まれと言っていたからこの屋敷の散策でもしよう。何か、ここの手掛かりがあるかもしれないし」
「賛成ね。何か重要そうな本があったら私に持ってきて。それから……、食料と水もね」
「それじゃあ、一旦解散しよう。マーニアはレノンとミーニアを頼む」
「分かった」
そう言ってみんなはバラバラと晩餐室を出て行った。
⌘ ⌘ ⌘
「うっわ、何この部屋」
「コレクションルームとかいうやつじゃない?」
その部屋は天井から糸のようなものが吊るされ人形のように人の死体が吊るされていた。
ここは女の死体部屋みたいだね。そう思いながらサクヤを見る。
「死体を見る目が嫌らしい!!」
サクヤの頭を殴る。
「いったいなあー! フルール!」
「あんた、隣の青い部屋見てきなよ」
「見たけどムサい男ばっかだった」
あっそっ。
それにしても息が詰まりそうだ。
しかし、埃っぽい部屋だが腐敗臭はしない。
何かの香水がかけられているのかそれが逆に鼻に来る。
「アタシたち、変な人のとこ来ちゃったな」
「今更すぎるよ」
そう……、今更なんだ。
もう……、何が何だかわからない。
だから……、今はルナートとミサの言うことだけに従うしかない。
きっとみんなそう思って今を生きている。
あの二人しか……、今は信じられない気がするから。
⌘ ⌘ ⌘ ⌘
冷凍庫は空っぽ。
厨房というよりもはや解体室で、早々に部屋を出た。
「これってさーフツーにお子様が見ちゃいけないもんだよねー」
「ハナ、もうよそ? こんなの絶対おかしいよ」
「フツーにみんな慣れたでしょ」
「でも……。私、もうやだよ。こんなの生きたくないよ」
「何言ってんの? あんた、死んじゃったらルナートに何も言えないのよ?!」
「そ、そうだけど、気持ちが悪くて……、すごく」
「そりゃまあ受け入れがたいでしょうけど今は仕方ないわよ」
そう言いつつも地面についた血を見るだけでまだ吐き気がする、調理室には拷問器具らしきものが散乱している。
それに、お風呂を死体洗浄なんて言われて少し心に来たけどもう大丈夫。
さっき、チラリと風呂場を覗いてみると薬漬けにされた死体がプカプカと何体も浮いていて急いで締めた。壁に立てかけてあったつっかえ棒のような物は何だったのだろうか。
しかし、この厨房には何も食料らしき物はない。
あの男はまさか本当に人だけを食べて生活しているのだろうか。
扉の前に貼ってある厨房という文字を引き剥がしたいくらいだ。
エリヤちゃんも苦しそうだ。
いつもと、目が……、違う。
前までエリヤちゃんの目にあった光が今は黒い。
はぁ、早くお家に帰りたい。
何もなかった頃、両親がいて毎日が幸せだったあの家に。
それで、美味しいご飯が……、食べたい。
⌘ ⌘ ⌘ ⌘
気持ち悪い本ばかりね。
これで書斎と言い張るなら流石に私のお父さんが黙ってはいないところだけれど。
辺りは散らかった本で一杯だった。
『解体新書』という本が目に入る。表紙の著者名にはイスラルという名が刻まれている。
ある程度文字は読めるけれど、さすがに解剖書など読もう気にもならない。
「ダメだ、ミサ。これ『各部位の正しい骸骨の使い方』って本だ」
「はぁ……、少し違う本かと思えば」
奥へと入り込みデスクを見る。
すると一冊だけおかしな本があった。
いや、全部おかしいのだけれどその中で少し変わった本。表紙には何かの模様と……、作者名……、パン、ファダラン?
ダメだ……、読めない。
だけどその本をめくっていると少し不思議な力が湧いてくるような、そんな気がした。
⌘ ⌘ ⌘ ⌘
「ダメだ……、何にもねえ!」
ゴロンとサクヤはホールに寝転ぶ。
もうすぐ約束の時間だ。
自由時間と言っても特にやることもなかった。
全員ホールに集まっている。
さっきしっかりと数えたところ……、ネヘミヤとナタン、マラキがいなくなっていた。
ルナートにそれを聞いたら表情が激変し悲しそうな表情になった。
それだけで三人がどうなったかなんて推測が立つ。
時計を見る。
どこの骨かは知らないが長針と短針がもうすぐあわさろうとしている。
カチッカチッ……、カチン。
針が重なる。
ゴォンゴォン……、ゴーン。
鐘が鳴る。
キゴォっ、と扉が開きイスラルが入ってくる。
「ンフフフ。楽しめましたかな?」
両手を広げ手の指を一本ずつ折っていく。
「……おかげさまで」
「ならよろしい。さて、それではミナサン。ワタクシについてきなさい」
そして再び扉を開け、イスラルは腐骨に笑う。
「逝きましょうか……、坊やたち」
⌘ ⌘ ⌘ ⌘
街は異様だった。
すれ違う者は皆、獲物を狙うかのように研ぎ澄まされた鋭利な瞳で辺りを見回す。
だが、イスラルの姿を見ると目をそらしそそくさと足を速めていく。
大きな通りの両サイドを橙色のライトが包み込み、岩を切り崩してできた店や家が立ち並ぶ。
直感だけで分かる。
この街の人間は恐らく……。全員暗殺ギルドの一員なのだろう、と。
上を見上げると岩のアーチが連なっており、蝙蝠のような生き物が絶えず宙を飛び回っている。
切り崩した岩に煉瓦を建てつけることで見栄えは良くなっているが赤い血で文字が煩雑に描かれていたり、壊されていたりする所がチラホラと見受けられる。恐らく相当自治の悪い街なのだろうな、と思いオドオドしながらイスラルに着いていく。
大通りを抜けると橋のようなところに差し掛かる。
東西南北から橋が出ていて中心には青く光る大きな円盤がある。
橋を歩き四つの橋が交わる中心の広場に着く。行き交う人は少なく、テリトリーから出ることはないのだろうかと憶測する。
少し広めな石吹きの広場の中心に複雑なレリーフが施された巨大な円盤が浮いている。
「これは?」
「ンフフフ。これは地上へのワープゲートですよ。シカシ、死祭の能力ですから彼女には嫌われない事ですねえ。オット、今は踏まないことをオススメしておきます。ンフフフ」
暗殺者と地上への門……、ということはこれを使って目的地へ行くのだろう。
ならば何故、こんなに人が少ないのだろうか。
辺りを見回す。
ここの地下都市は大きく分けて4つの街から出来ているみたいで各橋とつながっている。
俺たちが来た街は橙色だが他に紫、緑、藍の街がある。それぞれが大きく豪勢で4本の橋間には水が張り巡らされており橋を使わないと街の移動は出来ないようだ。
その水には各街の色が映り交わり、鮮やかな色彩のマリアージュを生み出す。
橋の両サイドには黒い街灯が等間隔で立ち並び地下の暗い雰囲気を淡く照らす。
「ワタクシ達が向かうのはあの藍の街ですよ。
彼女の所に行く前に揃え、削っておくものがありますからねえ」
再び、ンフフフ。と奇妙に笑う。
みんなは手を繋いで恐怖を分散したりワザと笑顔を取り繕って会話したりしている、が……。
これもどこまで持つかわからない。
「マーニア、二人は大丈夫か?」
「うん。ミーニアは何とかだけどレノンはちょっと混乱して情緒不安定みたいで」
「そうか……。悪い、面倒こっからも任せるけど」
「気にしないで。私、これくらいしかできないから」
へへへ、とマーニアは笑う。
彼女にはまだ小さいミーニアとレノンを任せっぱなしだ。
フルールとミサが女子達をまとめ、サクヤとマグドが男子達にはしゃいで盛り上げようとしてくれている。
年長組は、こんな状況下なのにしっかりとしている。
そのまま大行列で進む。
すれ違う人は皆、奇異の目で俺たちを見るがイスラルに微笑みかけられると何かの糸が切れたかのように恐怖に顔を歪め走り出す。
「あぁ、言っておきますがここは彼女の領域ですので坊やたちが素行を起こしてもワタクシはカバーできませんので、ンフフフ」
領域……。
ということはさっきいた橙の街はイスラルの領域だということか。
そんなことを考え、目に入る全ての情報を出来るだけ脳に詰め込みながら藍の街へと橋を渡って行った。
藍の街は高い建物が左右に立地しているのは橙の街と同じだが道をそれると脈のような隘路が張り巡らされていて壁の模様も水玉のような波紋が描かれている物が多い。
もちろん、落書きの数は減ってはいないが。
「ンフフフ。ここですよ」
カランカラン
という音を鳴らしながら店に入っていった。
看板を確認しようと立ち止まるが「ルナート、早く入って」とミサに言われそそくさとその店へ入店する。
この店は武器屋らしく、店内の壁一帯には数え切れないほどの武器が並んでいた。小型な投擲具、弓、短剣、小鎚矛などの暗殺に適した武器を中心に小型な剣やハンマー、槍などが立てかけてある。
そして怯える店員に何か一言告げたイスラルが俺たちに向かって言う。
「今から、坊やたちに人を殺す道具を与えます。自分の気に入ったものを一つ、選びなさい。全員決まったら武器を持ちこの店の右にある道をお行きなさい。
そこに開けたスペースがありますので、そこまでおいでなさい。ワタクシはそこでノンビリと待っていますよ、ンフフフ」
「イヤハヤ、ワタクシも饒舌になったものですねえ」と奇怪な音程で口ずさみながら扉を開け外へ出て行く。
カランカラン、という無常な音が店内に鳴り響き、一瞬の静寂が訪れたかと思うと、次の瞬間には全員が一斉にバラけ、各々武器を手に取って行った。
⌘ ⌘ ⌘ ⌘
「ンフフフ。来ましたか」
全員並んでいますねえ、コレハコレハ素晴らしい。
彼らの表情も一段と鋭くなった気がします。
少しの間、会えなくなるのもまた寂しいものです……。
そう思いながら口に出す。
「ソレデハ、坊やたちに最初の試練を与えるましょうっ。ミナサマがたにはこれから立派な暗殺士になる為の修行を受けてもらうのですが……。その前に貴方がたの人数を減らすことにしましょう、ンフフフ」
その言葉にピクッと反応する者、何を言っているのか分からず首をかしげる者に分かれる。
「御察しの坊やたちは偉いですねえ。その通りですよ、ンフフフ。
今、手に持っている武器でお友達を殺しなさい。生き残った者には生きる資格を与えましょう。
もし1鎡鐶後に10人以上死んでなければ貴方がたを全員欠陥品と見なしワタクシのコレクションになっていただきます、ンフフフ」
その声に全員がビクッと震える。
やはり、屋敷中を散策させて正解でしたねえ。
これほどまでに恐怖と脅迫の条件が効くとは、ンフフフ。
「さあ、坊やたち。ワタクシをそそらせる楽しいコロシアイを見せて下さいね。……ンフフフ」
⌘ ⌘ ⌘ ⌘
名前:枢忌卿・イスラル
性別:男/年齢:不詳/身長:202/体重:86/
紋章:食人、解剖
職士:支援職 / 大導魔術士・研究職 / 錬金術士、医療薬士
使用スキル:そんな下賤な代物、使うはずがないでしょう。
特異魔法:ンフフフ、魔法など魔術の退化技術ではありませんか。
装備:武器・[ 伝説武器 ] 生老病死の蛇杖(まあ、既に肢体と錬金してますがね)
・・:防具・緋色の鑾籭外套
・・:腕:虫垂手袋
・・:頭:眼球冠
・・:装飾品:ここでは言えぬほどつけておりますよ。
所属ギルド:零暗の衣
最後に一言!:人体の肉ほど香ばしく美味な物はありませんねえ。あぁ……卑しいカニバリストなぞと同類にしないでいただきたい。これはそう……神の餐食なのですよ!
⌘ ⌘ ⌘ ⌘
〜みにめも〜
窘逐……きんちく
矜恤……あわれみ
本当は屋敷の描写をもっとやりたかったんですがr15の関係で大分省いてます。
ちなみに子供たちは文中で表現された10倍は軽く吐いてます。
こんなにグロテスクなものを見て何故子供達が冷静に入られたか疑問を抱かれた方もいるかと思いますが全員気が触れておりますのでご察しを。
イスラルさんは吐瀉物の香りが好きなのですがまだ人体実験で産み出せてないのでワザと屋敷を散策させるようにした訳です。
近々イスラルメインの短編出す予定ですが残酷描写が多すぎるのであまりお勧めはしませんが興味のある方は是非。




