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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

片翼の双子

作者: soy
掲載日:2015/03/09

イラストで書いて考えていた話です。

形にするのは始めてです!

始めましての方もいつも読んでくださっている方も楽しんでいただけたら幸いです。

思ってたのと違う!って方は見なかった事にしてもらえると有難いです。

最初で最後のホラーだと思います。

生暖かく見守って下さい。お願いします。

暗闇の中を二人の男が歩いていた。

見渡す限りの闇の中を二人は何かに引き寄せられるように歩き続けていた。

二人は突然思った。


俺はどこに向かっている?


二人は立ち止まった。

見ればいつの間に現れたのか木で出来た椅子に不気味なウサギのぬいぐるみが乗った物が見えていた。

ぬいぐるみは紫とピンクの布切れを赤い糸で縫い合わせていて右目は黒の石が着いていたが左は赤の糸で×がつけられているだけだった。


不気味だ。


男達は思った。


「か、か、ががががががががが………コホン。」


不気味なウサギのぬいぐるみから変な音が響き咳払いがつけ加えられた。

ウサギはゆっくりと顔を上げて笑った声を上げた。


「アハハハハハハハハハハハハ!ハロー選ばれた魂よ!」


男達は一歩後ずさった。


「君達は死んだ!解ってるよね?」


ウサギの首が左右にぎこちなく動いている。

男達は自分の最後を思い出していた。

二人とも撃ち殺された事を。


「君達は選ばれた!選ぶ事を選んでいいよ!」


ウサギの首が止まる。


「最後の審判をうけるために何千何万とつづく、あの魂の列に戻るか?」


ウサギの手が持ち上がり指し示した方を見ると、青く淡い光の玉がゆらゆらと列をなしているのが見えた。

さっきまで真っ暗闇だった気がしたのにあれには気が付かなかったっと男達は思った。


「君達は選ばれた魂だから、永遠の月夜の部屋と永遠の真昼の部屋のどちらかで鬼ごっこして遊んでくれたら神がすぐに審判を下してくれるんだよ~!」


いつの間にかウサギの後ろに木製の扉に月夜の墓場に立つ少女のシルエットの絵がついたドアと木製の扉に白壁の家が立ち並ぶ中を金髪少女が立っている絵がついたドアが現れていた。


「選ぶのは3つの中からひとつ!月夜の部屋か真昼の部屋かあの列に戻るか?だよ!」


一人の男は後ろの列を見てから月夜のドアの前に立った。

もう一人の男は真昼の部屋の絵に釘付けだった。


男達は選んだ。

月夜の部屋と真昼の部屋を。







月夜の部屋を選んだ男は言い知れぬ恐怖に己の口を両手でふざぎ息を殺して月明かりに照らされない墓石の影に隠れていた。

さっきチラッと目撃した黒いワンピースに黒髪の少女は大きな鎌を抱えて歩いていた。


死神


男の頭にはその言葉が浮かんだ。

不気味なウサギのぬいぐるみが言っていた『鬼ごっこ』とは、彼女が鬼であることは明白で見つかればあの鎌の餌食にされるのは言わずもがである。

鎌は良く手入れをされているらしく月明かりにキラリと艶かしく光っていた。


あれに捕まったら魂がただですむわけがない。

俺は選択を間違ったんだ。

………人を殺したから………


男は一気に頭が冷静になっていくのが解った。

今まで口から飛び出しそうなぐらいドキドキと早鐘をうっていた心臓がゆっくりとしてくるようだった。


死んでいるのに心臓がドキドキするなんて馬鹿げた話だ。


男は小さく笑った。


戦争だからと言って俺は人を殺しすぎた。

ここで死神に刈られるのはきっと仕方がない事なのだ。


男は大きく息を吐いた。


「ようやく息をした。」


綺麗な声だった。

すみきった夜に男に一直線にとどくような凛とした声だった。


しまった!


男の思いとは別にジャキンっと音が響き男の首が墓石の一分と共に転がった。

血を噴き出す己の体の後ろに立つ女は美しかった。


「お前は私と遊んでくれた……私を鬼にしてくれた。だから早く終わりにしろ。過去の過ちは私がこの中の1つとしてとむらってやる。早く次の命として生まれ変わるがいい。」


彼女は月を背に漆黒の翼を開いた!

左側だけの翼だったが羽毛の様な物がハラハラと落ちて綺麗だと男は思ったのだった。






真昼の部屋を選んだ男は金髪の少女を探して歩いていた。

真っ白な家が立ち並ぶ以外何もない。

家の中には入れないようでドアには鍵がかかって居るようだった。


これならすぐにあの子を見つけられそうだ。


男はニヤリと不気味に笑った。


死んでからも少女を殺せるなんてなんて幸せなんだろうか。

へまして警察に射殺なんかされたが、ここに居る少女は俺好みに白い服と金色の髪を血に染めてくれるのだろうか?


男はニヤニヤしながら歩き続けた。



しばらく歩いていると、真っ白の中にひときわ鮮やかな赤い場所を見付けた。

近付いてみて男はそれが血だまりだと気が付いた。


何だこれは?


男がその血だまりの前に立つと血だまりは灰のように風にのってハラハラと消えていった。


「今度はおじさんが遊んでくれるの?」


少女はいつの間にか男の後ろに立っていた。

驚いてふりかえると目の前に金髪碧眼の可愛らしい女の子の姿が目に入った。

好みにドストライクだと男は思った。


彼女が血にまみれる姿が見たい。


男はニヤニヤと笑った。


「私、おじさんの事大好きよ!私と同じ目をしてる!好みが一緒なのね。」


男はそこでようやく気が付いた。

彼女の手に握られた大きな鎌に。

鎌だと思う。

形は鎌の形をしているが刃の部分は錆び付いて手入れなど微塵もされていないことが見てとれた。


「おじさん!おじさんの血はどんな色かしら?綺麗な赤?それとも毒々しい赤?爽やかな赤かしら?」


少女は錆びた鎌を降り下ろし、男の肩に突き刺した。

男は何がおきたのか解らなかった。

錆びた鎌が肩から抜けると同時に真っ赤な血が滴り落ち、激痛が男の体を駆け抜けた。


「ぎゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃ………」


男の悲鳴をあげる姿を少女はうっとりとした顔で見つめていた。


「素敵!もっと鳴いて見せてね…………あまり血が飛ばなかった!残念。私の服を真っ赤に染めてくれなくちゃ!」


少女は男をニヤニヤと見つめて言った。


「好きでしょ!真っ白な洋服が赤く染まるのが!私も大好きよ!だから、貴方の血を私にたくさん浴びさせてね!」


可愛らしい笑顔だった。

男は始めて猟奇的なものに襲われる恐怖を味わい、少女を背に逃げ出した!


「鬼ごっこね!鬼は私?良いわ!逃げてね!私が飽きるまで遊んでね!大丈夫!次が来たら消してあげる!汚い魂は私と遊ぶぐらいしか価値がないんだから!さあ、100待ってあげる!いくよ!いーち、にーい………」


少女の背中から羽がひろがった。

真っ白なコウモリのような羽が右だけひろがって少女が、ただの少女ではない事を容易に想像させた。

少女の言葉は男をガクガクと震わせた。

男は血が滴る腕を押さえて必死で走った。

白壁の家々の扉は硬く閉ざされている。


この中に逃げる場所なんてあるのだろうか?


男は絶望の中走った。

遠くで可愛らしい少女の数を数える声がする。

色々なドアをガチャガチャと捻るが開かない。


「も-いい-かい?」


少女の声に男は小さく悲鳴をあげて走り出した。

終わらない昼間は男の姿を色濃くうつし出していた。

いつ終わるとも解らない鬼ごっこが今始まったのだ。






おもちゃ箱を見つめて神様は微笑みを浮かべた。


「黒天使と白悪魔は本当に似てない双子だね。」


いつの間にか現れた12枚の羽をもつ人物が神様の横からおもちゃ箱をのぞきこんだ。


「これで、仲が良いのが不思議だな。」

「そりゃね~。仲良しになるように羽をもいだんだから。」

「お前が作るものはいびつでしょうがない。」


12枚の羽をもつ者は神様に背を向けた。


「またきてね。」

「気が向いたらな。」


神様はクスクスと笑って見せた。


「君だってこの子達が大好きなくせに。」


月明かりの中自慢の鎌を研ぎ始めた黒天使に、いまだに魂を追い回して遊ぶ白悪魔を見ながら神様は呟いた。


「今度はどんなやつをおもちゃに、あたえようかな?」



end

ど、どうだったでしょうか?

だ、だめかな?

ホラーじゃ無かったかな?


最後まで読んでくださってありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 日間ランキングに釣られたものです。結局soyさんの作品全て拝読してしまいました。 (今作は別として)どれも読後幸せな気分になれました。有難うございます。 [一言] この作品も好きです…
2016/01/11 22:07 退会済み
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