部屋まで、届く声。
私はドアを閉めました。
この人民の世界から、消え去るために。
青く降りそそぐ熱狂の雨が、まるで嘘のようだった。
閉めきった部屋から
灰に覆われたジオラマと、水銀の海が見えます。
人々はその風景をまたいで、
私の知らない怒りを叫びます。
私の知らない、それぞれの場所で。
近くには、声が届きます。
遠くには、山ほどの自動車を燃やしても、
狂ったように、鉦を鳴らしても、
届くことのない声があります。
私は声と声を集め、すきま風の当たるベッドで
眠りにつくでしょう。
再び、夢を見ることはありません。
窓には飛行船が浮かび、
夜にはためく光の国旗を仰ぎ、
眠らない世界の、刺すようなリズムを聴きながら、
私はやわらかい棺になって、声を集め、声を注がれるでしょう。