表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

部屋まで、届く声。

私はドアを閉めました。

この人民の世界から、消え去るために。

青く降りそそぐ熱狂の雨が、まるで嘘のようだった。


閉めきった部屋から

灰に覆われたジオラマと、水銀の海が見えます。

人々はその風景をまたいで、

私の知らない怒りを叫びます。

私の知らない、それぞれの場所で。


近くには、声が届きます。

遠くには、山ほどの自動車を燃やしても、

狂ったように、鉦を鳴らしても、

届くことのない声があります。

私は声と声を集め、すきま風の当たるベッドで

眠りにつくでしょう。

再び、夢を見ることはありません。

窓には飛行船が浮かび、

夜にはためく光の国旗を仰ぎ、

眠らない世界の、刺すようなリズムを聴きながら、

私はやわらかい棺になって、声を集め、声を注がれるでしょう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ