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三匹が!!!  作者: 佐竹三郎
~1章ナカス混乱期~
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4話:おっぱいの大小で女の価値は変動しないけど、食い意地の張った女性はちょっと…。

毎度、事後で申し訳ありません。キリーさんとクニヒコさんのお名前お借りしております。

ハカタベイサイド:ハカタ灯台船着場前

 


 早朝、ハカタ灯台を背に地べたに座り込み眼の下に隅を作り焦燥仕切った顔の八郎は体力回復の<霊薬ポーション>と眠気のBS解除用<霊薬ポーション>を自棄酒を呑むかの勢いで飲み干す。


「静香め!何処に行ったんだ?宿屋は軒並み閉まってチェックイン出来ないし…どうしてくれよう、あの赤狸娘め!」


 本来、フレンド登録をし忘れた双方に問題があるのだが、片やベッドの上で安眠、片や夜中ナカスの街を駆けずり回って一睡もしてないという雲泥の差をもたらし、(義姉)の方は納得がいかないご様子…。


 義姉妹が再会を果たすまでには些か時間掛かると思われるのでその間に少し弧状列島ヤマト五大都市の1つ四番目に作られた本拠地ホームタウンナカスの街について簡単に説明を。


 ナインテイル自治領(現実世界の九州地方と山口県の一部)に存在する都市。現実対応で云えば福岡の位置に存在する。西果てはセントラルリバー(現実世界での那珂川)、東果てをハットリバー(現実世界の御笠川)。南西端を現実世界のキャナルシティ博多サウスビル付近、南東端を現実世界の国道202号線TOHO福岡ビル付近。北西端を現実世界の玄海サイロ付近。北東端を現実世界の東浜付近。という東西を川に挟まれ北は海に面した五大都市唯一の港のある本拠地ホームタウンだ。


※私的二次創作のタネ『三匹が!!!色々と』を参照 。


 

 実装されたのは2008年6番目の拡張パック<覇王の野望>からになる。それ以前は2003年3番目の拡張パック<銀のオデッセイ>より実装された海戦クエストの基点となる港町の1つであったり、2007年5番目の拡張パック<ムーンクレスタの宝珠>の大規模戦闘レイドコンテンツ『暁の帝国』では醜豚鬼オークに征服されオークドーン帝国の帝都となった経緯などがある他の本拠地ホームタウンとは些か毛色の違う場所である。

 

 他にも特色が在るとするならば本来、本拠地ホームタウン周辺には必ずある、初心者向けの狩場が存在しない上に周辺ゾーンのエネミーのレベル帯がアンダー50という初心者には厳しい設定となっており、これには九州出身、九州在住のプレイヤーや<覇王の野望>から始めた初心者から日本国内での広告展開、ユーザーサポートなど行っている<F.O.E>に弾雨のようなクレームが入り早急に是正され、“ノーコンの島”(現実世界の能古島)が初心者向けの狩場に“カセギの島”一帯(現実世界の志賀島から海の中道海浜公園付近)を初心者向けのクエストとして追加した。

 なお、移動手段として定期的にハカタベイサイド:ハカタ灯台船着場より往復船が出航している。


 以上の理由の為、ゲーム時代は五大都市の中で定住しているプレイヤーがシブヤと大差無いほどしか居らず、定住しているプレイヤーは生粋の九州人もしくは九州出身者。

 それ以外は他の本拠地ホームタウンから何らかの理由で流れて来た訳ありプレイヤーで形成されておりナカスを拠点にしたギルドは戦闘系にしろ生産系にしろ大所帯のギルドはほぼ無いに等しい。その他のプレイヤーはサブアカウントのお座り(パワーレベリング)の為にPCを置いてるだけだとか、クエストのセーブポイントとして立ち寄る程度である。


 

 


 そろそろ、昼に差し掛かろうという時間帯にやっと義姉妹は船着場で合流出来たのだが、ここでまた義姉妹喧嘩が勃発しそうになった。

 が!イキナリ黒尽くめで長身のエルフが仲裁に入り大事には至らなかった…至らなかったが!その通りすがりのエルフは終始、八郎の自己主張の激しい胸に釘付けで、偶にランエボの慎ましやかな胸をチラ見してこっそり溜め息を付いていた。

 その助平すけべ丸出しの視線にドン引きした義姉妹は喧嘩するのも馬鹿らしくなり、汚物でも見るような蔑んだ視線をエルフに向けたあと、一瞥して船着場から“ノーコンの島”に向かう往復船に乗り込んだ。


「あ゛~クソ!久し振りにエロ餓鬼のエロ視線受けた~あ゛~もう!ムカつく!あのエロフ次に遭ったらキ○タマ蹴り上げてやる!私の胸ガン見して良いのは…」


「はい!お義姉ちゃん!其処まで~!お義姉ちゃん惚気出すと長いし、仮にも“女性”なんだから大声でキン○マとか云わない!恥ずかしいなぁもう!!」


 その場の怒り任せにキンタ○発言と旦那様との惚気話をしようとする義姉の言葉を遮り釘を刺す義妹ランエボ、そんなランエボから2、3歩後退り白い目を向けぽつりと八郎が呟く。


「…今、あんたも云ったじゃん『○ンタマ』って…。」


……………………………………。


 確かにランエボもキ○○○発言をした、本人もその事に気付き顔を装備と同じ位真っ赤にしている。


「…まぁ、そんな粗末…じゃなくて瑣末な事は置いておいて、今のうちにフレンド登録しときましょ?昨夜の二の舞はごめんだし…。」


 …兎に角、八郎は全世界の粗品様に謝れ、いいから謝れ!


 ○○○○発言はさて置き、2人は改めてフレンドリストにお互いを登録した、取り敢えず義姉妹の中で船着場で遭遇した長身のエロフと○○○○発言は無かった事になった。


 そうこうしてる内に、船は目的地“ノーコンの島”へと到着した。


 ~“ノーコンの島”(現実世界では能古島にあたる)~

 先に説明した通り、本拠地ホームタウンナカス近郊唯一の初心者向けの狩場でモンスターのレベル帯は4~30前後ノーマルランクのモンスターが、沿岸部には巨大カニ(アスコットクラブ)水棲緑鬼(サファギン)、内陸部は棘茨イタチ(ブライアウィーゼル)小牙竜鬼(コボルト)などが生息している。


「ねぇ?お義姉ちゃん、もしかしてこんな初心者向けの狩場で戦闘訓練?一応、私達LV90だよ?経験値貯まらないよ?」


 明確な目的も、此処で何をするかも聞かず促されるままに同行したランエボから質問される八郎。


「あ~!肝心な説明忘れたまま此処まで来ちゃったよ…ゴメン!」


 軽い調子で“テへペロ”する義姉を冷ややかな眼で見る義妹、そんな冷たい視線はガン無視で昨夜のヴィシャスとのやり取り(念話)を全て説明する八郎。

 頭の回転の速いランエボは説明された事を素早く理解する、この出来過ぎた義妹の理解力を目の当たりにすると、如何にアイザックを筆頭とする<黒剣騎士団>男衆の理解力が乏しいかを思い知らされる。

(あいつら、擬音交えて説明しないと理解しないからなぁ~、レザリックやキリーちゃんクニヒコさんなんかは、苦労してるだろうなぁ…)

 なんとなく<黒剣騎士団>でも常識人の3人に対して心の中で合掌する八郎。


「要は、ゲームと感覚が全く違う、リアルで怪物相手に闘わないとイケないから最低レベルのモンスターと戦って徐々に慣れて(・・・)いかないとイキナリ今まで通りの戦闘は無理って事か…。」


「そういう事、もう気付いてると思うけど“ミニマップ”が出ないのよ、だから目視でモンスターを確認しなきゃならない、他にも色々不自由在るみたいだし、身を持って体験しとかないと多分、ナカスの外に出て帰還方法探すなんて夢のまた夢ね。」


 そう云いつつ、“ノーコンの島”沿岸部に生息するモンスターを思い出そうとする八郎、2年前引退する前の記憶だと、船着場の次のゾーンで出現するモンスターはLV4~8の巨大カニ(アスコットクラブ)の筈だった、っというより彼女の記憶は正しくゾーンに足を踏み入れると視認出来るだけで10体前後、LV帯2~8の巨大カニ(アスコットクラブ)が群れを成して現れた。

 さっき義姉妹で情報共有をしているので最初はなっから同レベル帯のノーマルモンスターと対峙するような気構えなのだがその気構えとは裏腹に義姉妹が同時に呟く。


「「アレ、ただ大きいだけ(・・・・・・・)で蟹よね?(だよね?)食べられないかな?」」


「茹でて食べるか…。」


「生でツルンと食べるか…。」


 昨日からまともな食事が摂れてない所為か、2人の眼にはモンスターである巨大カニ(アスコットクラブ)が新鮮な食材にしか見えない、しかも今日は朝から何も食べてない所為もあり余計にモンスターでは無く食料にしか見えない…。

 食欲とは恐ろしいモノで普段、冷静な人間でも空腹時にはまともな判断が出来なくなる…完全に義姉妹の眼は獲物を見つけた狩人の眼だ。


「これだけの蟹、食べきれるかしら?」


「余ったらナカスで召喚術師捕まえて凍らせてもらえばいいと思うな…。」


「流石、我が義妹!冴えてるね…。」


「「では!」」


「「いただきます!!!!」」


 空腹に耐えきれなくなった二匹の野獣が巨大カニ(アスコットクラブ)目掛けて武器を手に襲い掛かる、一瞬にして穏やかだった浜辺は阿鼻叫喚である、元々のレベル差も有り恐ろしいスピードで殲滅される巨大カニ(アスコットクラブ)、八郎達も多少反撃は受けるが全く意に介さず、撫で斬り、串刺しにして倒す。


 …ゾーン内の巨大カニ(アスコットクラブ)を全滅させ、浜辺には金貨やドロップアイテムが散乱していた…、そう!モンスターは倒すと泡となって消え金貨とドロップアイテムを残すだけなのだ…大体、ランエボの騎乗鎗ランス、[串刺し大公の魔鎗(ウラドツェペシランス)] は秘宝級でパワードレイン能力付き、八郎の打刀[銘:大和守安定]は高位製作級でLV50以下のモンスターには即死判定が付くその上、相手が亜人間やモンスター然としたモンスターなら空腹に負け半狂乱状態で戦闘をせずに実証も兼ねての戦闘も出来ていたと思われるが何せ相手はただ大きいだけの蟹、腹ペコさんには食料としか認識できない。


「がぁ~!!無駄骨じゃん!所詮モンスターはモンスターじゃん!ちくしょう!」


「…うぅ~、空腹って怖い!完全に本来の目的、見失うなんて…。」


 砂浜に崩れ落ちる2人の冒険者…空腹と徒労感で暫くその場から動く事も出来ずにいたが余りのショックに打ちひしがれその日はドロップアイテムや金貨を回収後、大人しく往復船に乗りナカスの街に帰って行くのだった…。


「「誰か~味のするモノ食べさせてぇ~!!!」」


 ハカタ湾に何時までも2人の慟哭が木霊する。



次回嘘予告


余りの飯の不味さに嫌気が差した義姉妹は、兎に角『味のする料理』を求め、ナカスの街を後にする。

 そんな2人の前に立ちはだかる謎のギルド、<味皇○理会><国際警○機構><シャッフ○同盟>!彼らは何者なのか?

次回『三匹が!!!』5話:今川監督の回し者!


多分、期待されてるのは嘘予告だけさ…。

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