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三匹が!!!  作者: 佐竹三郎
~1章ナカス混乱期~
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(プロローグ)諸君!私は恥ずかしながら、帰って参りました!

ぼちぼち始めます。

いちぼ好きです様作『ある毒使いの死』http://trackback.syosetu.com/send/novel/ncode/533931/

のユウさんのお名前だけお借りしてます。(事後で申し訳ありません。)

 秀くんは…あ~もとい、旦那様は高校の同窓生の集まり(と言う名の『ドキッ野郎だらけの温泉旅行ポロリもあるよ』…ってポロリがあってたまるか!)であと2日は留守だ…。


「…まぁ、結婚前は散々私の我が儘に振り回されていたのに愚痴1つ云わずにネトゲ廃人を嫁にしてくれたんだから偶に野郎だけの集まりに出て留守にする位でブー垂れるのもねぇ…。」 


 結婚して約2年、秀くんと付き合い出して約6年か…う~ん、あの頃は仕事以外の時間はほぼ、MMORPG<エルダー・テイル>に没頭してたんだよな~、私が現在20年のロングラン、老舗MMORPG<エルダー・テイル>を始めたのは大学受験も終わって、手持ち無沙汰になってた頃だから、まだ1…ゲフンッゲフンッゲフッ歳だったか…(え~い!女性の年齢を詮索するな!)中々に奥の深いゲームで、気が付くとどっぷりハマってた、大学の4年間は女捨てるほどには…。 

 いかん!段々<エルダー・テイル>に纏わる黒歴史の記憶が溢れて来た!だいたい、誰よ?私の事を“羅刹女”とか“キラークィーン”とか言い出した奴は!?確かにあの時は海外サーバーまで乗り込んでPKギルド相手に暴れましたよ!えぇ、否定はしません!でもアレ、私1人で乗り込んだ訳じゃないじゃん!他にも結構居たよ?それにギルド1つ1人で潰した?『ゲームノシヨウジョウデ・キ・ル・カ・!』…結局、運営から垢BAN喰らって解散させられただけじゃん!

 

 ……そりゃあ、女は私1人で然もメイン職<武士サムライ>でサブ職がアレだったから悪目立ちはしましたよ?でも、それだけですよ?本当だってば!大介さんにでも聞いてよ!ウソじゃないって!!ハァハァハァハァ…。


 極め付けで一番嫌な思い出は矢張りアレだ…<遊撃隊>ってギルド立ち上げた頃か…、最初は同好の志を集めただけのお気楽な集まりだった筈なのに…、ギルドマスターの私がギルドの方向性をハッキリさせなかったばっかりにギルド内で派閥作って仁義無き戦い始めて空中分裂……ヨヨヨヨヨ…。


「思い返せば、あの頃は佳香の事を馬鹿に出来ない位、豆腐メンタルだったのね私……。」


 まぁ嫌な思い出ばかりでもないか…大工アイザックに声掛けられて入ったギルドは高難易度コンテンツにアタックする戦闘系ギルドで戦闘狂…?否、喧嘩馬鹿の上、男ばかりのむさ苦しい集まりだったしなぁ~あの頃は<エルダー・テイル>やってて一番充実した日々だった。

 『死霊ヶ原』を大手戦闘系ギルド<D.D.D>や関西最強戦闘系ギルドって呼ばれてた<ハウリング>やギルドって形を取らず、その場に居合わせた所属ギルドがバラバラだったり、野良プレイヤーだのの集い<放蕩者の茶会>なんかを相手に先陣争いしたり、世界最速で大規模戦闘レイドコンテンツ<ラダマンテュスの王座>を制覇、幻想級の武器<苦鳴を紡ぐもの>を入手してそれまでのギルド名から<黒剣騎士団>に改名。

 あの頃から急速に知名度上がったのよね~、調子にライドオンして<D.D.D>や<ホネスティ>やらに喧嘩売ったり…悪い意味でも知名度上げたなぁ…大工ェ…。


「そう言えば、佳香達が<黒剣>に来たのってこの頃だっけ?馬鹿ばっかりやって面白かったのよね~、静香の話じゃ現在進行形で良くも悪くもアレみたいだけど…。」


 佳香、皐月、沙代子、浅香はゲームでの付き合いはそれ程長くはなかったけど、私以上のトラブルメーカーで本当に色々やらかしてくれた<黒剣騎士団>では数少ない女性プレイヤーの楽しい後輩達だ、今だにプライベートでも偶に遊んだりするメンバーなんだよね。

 

 いつぞや、浅ちゃんがまどかに彼女が出来たって言ったような…九州訛りがアレだけど、見た目とか悪くないし(秀くんには劣るけど)もう、良い歳でそれなりに収入も在るんだからちゃっちゃと結婚すればいいのに…、多分色恋沙汰は鈍ちんだから(それ以前に阿呆と言うべきか馬鹿と言うべきか…)、その辺考えて無いんだろうな…根は真っ直ぐなんだけどねぇ…。


 良い思い出も有り、悪い思い出も有り、楽しかったのは間違いない!…結婚を期に2年位前に引退したけど…。

 

 で?引退したくせに今更、なんで思い出に浸ってるかって?ウチの小姑…要は秀くんの実妹で私にとって義妹の静香が。


「お義姉ちゃん、お兄ちゃんが、男同士で旅行に行って『きゃっきゃうふふ』してる間だけ<エルダー・テイル>復帰しない?どうせ暇でしょ?」


 って言って来やがるのよ!なんでも12番目の拡張パックが今晩、深夜0時に実装されてLV上限が上がるからレベル上げ手伝えだそうだ…秀くんの妹じゃなければ、真っ先に泣かすタイプの人間だウチの小姑は…。


 ……まぁそんな訳でPCを立ち上げ久し振りにMMORPG<エルダー・テイル>を起動、拡張パックをDLして暫く放置DL完了までにお酒とつまみを用意して~♪

 懐かしいなぁ~このタイトル画面、昔みたいにドキドキして来た!!


「さて、アカウントは消えて無い!最期にログアウトしたのは~“エッゾ帝国か”いや~懐かしい!」


 私、凪野冴子なぎのさえこ(引退した頃は“池澤冴子”だったけど)の<エルダー・テイル> での分身アバター“伊庭八郎”ん~!久し振りだね、元気かい?2年も放置してごめんよ…、サブ垢も作らず、キャラリメイクもせず、ずっとずっと私の分身としてセルデシアの大地を駆け回り、冒険した歴戦の古兵ふるつわもの

 いかん!なんで今日はこんなに感傷的なんだろ?誰も見てないわよね?あ!そう言えば静香って私が引退した後に<エルダー・テイル>始めたからフレンドリストにアイツを登録してない…PC名が“エボリューション”でドワーフの<守護戦士>だったよね…。取り敢えずメールを送って、どこかで待ち合わせるか…、返信来るまで<ススキノ>のトランスポートゲート前で待機かな?




「2年前ってススキノ、こんなに殺伐としてたっけか?」


 …ススキノ到着前に2度ほど、<ブリガンティア>のギルドタグ付けた阿呆に絡まれたが、取り敢えず無視した…私が現役の時、こんなギルド在ったか?取り敢えず後日、浅ちゃん達誘って潰すか?

 トランスポートゲート前で待機してたら、静香からメールが届く。


◇◇◇

お義姉様へ


私はナカスのトランスポートゲート前でお待ちしていますので、拡張パックが当たる前に合流しましょ。


◇◇◇


 …何故、こんなに苛っとする?決して文面は無礼では無いのにジワジワと怒りが…、と、取り敢えずナカスか…でもなんでナカスなのよ?アキバでもいいじゃん!




 取り敢えず、ナカスに到着~!最後に此処に来たのって…そう…ユウさん達と口喧嘩して以来か…、今となっては良い思い出…なのか??

 ん~~~で?静香…否、“エボリューション”、“エボリューション”、ドワーフの<守護戦士>“エボリューション”さんや~い!何処へ行った?


「お義姉ちゃ~ん!ここだよ!ここ!その歳でもう老眼?」


 …居たよ…通常の3倍くらいコロボックル否、ナインテイルだからキジムナーか?な赤い鎧のドワ娘!


「静香~、あんた一々一言多い!」


 本当にこの赤いキジムナーが最愛の旦那様の実妹だから泣けてくる…。


「本名で呼ばないで!<エルダー・テイル>やってる時は“ランエボ”って呼んでよね!」


 騎上鎗ランス持ちの“エボリューション”…ランサー・エボリューションか!だったら素直にPC名を“ランエボ”にすればいいじゃん!なんでこんなにネーミングセンスないのこの娘!


「…へいへい、ランエボですね?ランエボですか?ランエボさん。」


「む~!なんか棘のある言い方!お義姉ちゃんはなんて呼べばいいの?宅八郎?タコ八郎?東八郎?」


 まて!良いから待て!静香!あんたJKでしょ?なんで宅八郎、タコ八郎、東八郎の名前がすんなり出るのよ?私ですら世代じゃないわよ?そんなの直撃世代って大介さん辺りじゃない!絶対嫌がらせで“八郎”って名前でググったな?このまな板キジムナーめ!


「…何時も通り“お義姉ちゃん”でよろしくってよ?ランエボさん?」


「…なんか釈然としないけど…、あのね、義盛さんから聞いたんだけど、ナカスに<侠刃>っていう<武士>と<神祇官>の装備専門で扱ってる生産系ギルドがあるんだって!お義姉ちゃんの装備2年落ちでしょ?だから、そこで現行でも通用する装備に変えない?」


 …この娘なりの優しさなんだろうけど、端々に棘があるように聞こえるのは私が穿った思考だからか?これでも<黒剣騎士団>じゃ前線に立って暴れてたのよ?2年落ちの製作級装備でも、そこらのLV90よりは、かなり良い装備なんだけど?

 まぁ、私の居ない2年間で新しい装備も増えてるだろうし、佳香が常連ならハズレはないと思うし…、取り敢えず今の装備を外して軽装にするか…。



    チリリリ~ン♪


あれ?念話だ?誰だ?大介さんだ!


『よう!お嬢、旦那と喧嘩でもして出戻りか?それともショ○カーよろしく、再生怪人の如く復活か?』


『珍しいぃ~、ヴィシャス!あんたが地声なんて、何か心境の変化でもあった?…って誰が離婚したって!?失礼な!それとその分かり辛い例えは何よ?義妹いもうとから頼まれて仕方なく期間限定で復帰しただけよ!っとに口の悪さと訳の判らない所は相変わらずだね。』

 

 珍しい、私の知ってる大介さんは普段は、自作の音声合成ソフトを使って機械音声でボイスチャットをする変わり者だ、口の悪さと特撮オタクぶりは健在か・・・、そんなだから四十路過ぎても旦那の貰い手がないのよ。


『カッカッカ、“チープスリルジャンキー”が義妹ちゃんのお守りかよ?丸くなったぁ~、で?期間限定って何時までだ?』


 余計なお世話だ!結婚して規則正しい生活してるから昔より細いわ!!!


『取り敢えずはこの連休中だけのつもりだけど、義妹次第だね…。』


 本当に赤いキジムナードワ娘の気分次第だから泣ける。


『所でお嬢?現在地はどこだ?』


『今、義妹と一緒に装備を新しくしようと思ってね~、何かナカスにお勧めの生産系ギルドが在るとかでナカスに居るよ~。』


 私としては<海洋機構>か<変人窟>辺りで済ませたかったんだけどねぇ…、お!そろそろ時間か…




    突然、目の前がブラックアウト、あれ?あれ?あr……



取敢えずプロローグだけ?は姐さん一人語りです(多分・・・本当に多分)

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