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第59話~兄妹で立つGI舞台~

阪神競馬場第11R:大阪杯 <GI>(芝・重・右・2000)



《ドバイでの日本馬の大活躍から1週間、未だその興奮冷めやまぬ日本競馬では、春の中距離最強馬を決める戦いが始まります


今年は短距離界からの殴り込みに中距離GI馬達多数、そして悲願のGI制覇を目論む有力馬たちも多数。GI大阪杯のスタートです!


さぁ既に本馬場入場は終えています。改めて有力馬達の確認をしていきましょう。まずはなんと言ってもスプリントGIを2勝してマイルでも活躍をしているシャドーフェイスでしょう》


《はい。明智さんも、全国の競馬ファンも、そしてもちろん私も、この馬がどう出るのか非常に楽しみです。中距離は皐月賞、日本ダービーと出ていますが結果は惨敗


しかし調教師の「この馬の本質は中距離にこそあると思っている」の言葉を胸に、再び中距離へと殴り込みです》


《えぇ。ペースも足の速さも違うこの馬が逃げるのか、控えるのか、果たしてどうなるのか全く予想もつきません。4番人気です


そして3番人気はこの馬、香港カップ2着の実績に去年2着のジェミニリストです。逃げ馬らしい走りをシャドーフェイスに惑わされずに見せてくれるのか、非常に楽しみですね》


《重賞も勝ち、GIでも馬券内が数回ある堅実さからはあまり予想のつかないバク逃げ。シャトーフェイスとの兼ね合いも注目です》


《2番人気はこの馬、前走の香港カップで悲願のGI初制覇を果たして次は国内で連勝を目指すサザンプールです》


《得意距離である2000mを堅実に使い続けた努力の賜物ですね。そしてそして、彼らを相手に圧倒的1番人気を集めるのはこの馬、去年の年度代表馬にして秋古馬三冠を達成し、今年の春古馬三冠を狙うステイファートムです》


《今年の始動戦です。阪神コースは2戦目に走ったエリカ賞以来となりますが、逆に問題はそれぐらいと言ったところ。パドックで見た馬体も去年に比べて目劣りするどころか磨きを増しています》


《他にも同じく2000mが得意の古豪、ホワイトローゼンセに一昨年の2歳王者、ミドルオブドリーム。京都記念を快勝したマツリダマカヒキなどもその下に名を連ねていますね》



1番人気ステイファートム1.4倍

2番人気サザンプール6.3倍

3番人気ジェミニリスト10.4倍

4番人気シャドーフェイス18.5倍

5番人気ホワイトローゼンセ19.2倍

6番人気ミドルオブドリーム20.9倍

7番人気マツリダマカヒキ32.6倍



《さぁ大阪杯の開催を告げるファンファーレも吹かれ……続々と枠入りも始まっていきます。1番人気のステイファートムも枠に納まって……スタートしました!


まず行くのは、シャドーフェイスが1歩抜けた! 出脚が他馬と格が違う。そしてジェミニリストがその後ろ! ステイファートムも前目!


サザンプールも上手く出て前目。ミドルオブドリームは中段。ホワイトローゼンセとマツリダマカヒキは後方から競馬を進めます。こういった形です》











《1000m通過タイム57.6のハイペースを作り出したジェミニリストの逃げ。その後ろに中盤で控える形を取ったシャドーフェイス


その後ろには1番人気のステイファートムと2番人気のサザンプールが馬体を併せている!


ホワイトローゼンセは、伸びない!? ホワイトローゼンセは中段でもがいてる! 第4コーナーを回って大外に回したマツリダマカヒキ!


先頭ジェミニリストとシャドーフェイス! 外からステイファートムが来ている! 物凄い脚だステイファートム! 真ん中からミドルオブドリーム!


マツリダマカヒキは伸びない! ホワイトローゼンセは馬群に沈んだ! さぁステイファートムとサザンプールが並ぶ! 並ぶ!


最内シャドーフェイス! その外にジェミニリスト! 真ん中からステイファートムとサザンプール! ミドルオブドリームは5着まで!


抜けたステイファートム! しかし最内、シャドーフェイスが何と頑張っている! シャドーフェイスが、何と頑張っている! しかし!


ステイファートムが差し切ったァァァ! 2着最後まで競り合ったサザンプール! 3着になんとシャドーフェイスが粘ったかどうか!


僅かに4着はジェミニリストと2馬身離れたミドルオブドリームは5着ゥ。勝ったのは、GI馬サザンプールの猛追を持ったまま退けたステイファートム!


これが年度代表馬の実力! 場所も! 馬場も! 全く問題にしませんでした! そして今年初戦をGI4連勝で飾りました! 次に狙うは春の盾! ステイファートム、まさに横綱相撲でした! 以上、大阪杯の実況でした》



***



阪神競馬場第11R:桜花賞 <GI>(芝・良・右・1600)



《早くも気温が20℃を超えて、この前まであまり実感のなかった陽の光の熱さを、舞い散る桜と共に感じる春です。今年も桜の舞台からクラシックを訪れを告げます


今年は直行で挑む無敗の2歳女王ペニーフォルト。2番人気にGI阪神JF3着からGIIチューリップ賞を2馬身差快勝したネイチャーモルトン


それにGIIIクイーンC、GIIフィリーズレビューを連勝したネクサスブレークにGIIIフェアリーSを3馬身差の圧勝から直行したハーモニーボーン。そして阪神JF2着の実績馬ながら調整不足から直行を決めたステイファートムの全妹、カーテンコールも顔を揃えています》


《先週の大阪杯はステイファートムが横綱相撲を見せてくれましたが、このレースでカーテンコールが勝てば珍しいGI兄妹2週続けての制覇となりますね》


《えぇ。ですが2歳女王ペニーフォルトを筆頭に今年も有力馬が多く参戦しています。簡単な道ではないでしょう。しかし……夢を見たい。見せて欲しい、そんな気持ちがありますね》


《それにしてもカーテンコールなんですが……これ、ガレてるのかってぐらい仕上がって? ますね。すごい筋肉。調整不足、って訳じゃ無いんですか?》


《馬体重は-15kg。陣営が有力馬をわざわざ出走させているという事は大丈夫だと思いますが、これは未だに調整不足なのか私でも判断がつきません》


《それでも……まるであの悲劇の名馬、ライスシャワーを彷彿とさせる馬体ではありますね。お、スターターが向かいます。それではお聞きしましょう。20××年桜花賞のファンファーレです!》



1番人気ペニーフォルト2.5倍

2番人気ネイチャーモルトン4.2倍

3番人気ハーモニーボーン6.8倍

4番人気ネクサスブレーク7.1倍

5番人気カーテンコール11.3倍








《さぁ先頭を引っ張るのはネイチャーモルトン2番人気! その後ろにピッタリと1番人気のペニーフォルトが狙いをつけているぞ!


中段にネクサスブレーク! 外からハーモニーボーンが上がっていく! カーテンコールは、カーテンコールは! まだ最後方だ届くのかこれはぁ!?


ネイチャーモルトンのリードが開いた! ハーモニーボーン3連勝なるのか! ペニーフォルト無敗の戴冠へ向けて2番手から伸び脚を見せる!


外からじっくりと、カーテンコール横川勤も伸びてきている! しかし前まではまだ10馬身以上ある! ネイチャーモルトンとハーモニーボーンが並んで残り200を切った!


しかし最内から一気にペニーフォルトが抜け出した! 無敗の女王渾身の末脚! 大外からカーテンコールが物凄い末脚ィィィ!


しかし先頭はペニーフォルトだ! 外からカーテンコールこの2頭の負い比べになった! 残り50! 阪神JFの再戦だ! 無敗か! 初戴冠か!


ペニーフォルト! カーテンコール! カーテンコールが僅かに躱したかどうかァァァ! 僅かに! しかしハッキリと! 最後の最後にカーテンコールが捉えきりましたぁ!


新馬戦8馬身差の衝撃から半年以上の時を経て、無敗の2歳女王をカーテンコールが降しました! 先週大阪杯を勝ったステイファートムの妹です!


兄妹、そして主戦ジョッキー横川勤による2週連続GI制覇! 舞い散る桜のように軽やかな脚を繰り出したカーテンコールが、兄の果たせなかったクラシック制覇を成し遂げました!


2着には粘ったペニーフォルト。3着には追い込んだハーモニーボーン。4着はネイチャーモルトンとネクサスブレークの争いとなっております》

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― 新着の感想 ―
[一言] 史実ではタイトルホルダーが菊花賞を勝った後、姉のメロディーレーンが古都ステークスを勝った事は有名な話ですね
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