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第12話~ファーとフェイの次走~

 いやー、短期放牧から戻ってきたけど特にこっちは代わり映えしないな。お、アイツいるじゃん。



『よう、負け犬』


『お、ファーかよ! てか負け犬だと!? うるせぇ、ぶっ潰してやる!』



 タガノフェイルド……フェイの奴だって俺が負けて怪我した時に煽ってきたからやり返しただけだしー! まぁ心配もしてくれたからここら辺で許してやろう!


 そうそう、フェイの奴は俺より一足先にホープフルSって言うレース名のGIの舞台に立ったらしい。やっぱ許さんっ!



『で、負けた相手って誰よ?』


『……ロードクレイアスって奴』


『あ、そいつ最初に戦って引き分けた奴だ』


『……』


『ちなみにもう1頭前に居て、俺はそいつに負けてるからな?』


『……グ、グガガァァァ! 絶対勝つ! ファーも、ロードクレイアスも! お前を倒したやつも!』



 そんなこんなでフェイの奴は今日も元気に吠えるのだった。



***



「荻野さん、ファーの次走はどうなってます?」


「宮岡さん……ステイファートムのオーナーからは弥生賞辺りで賞金を積みつつ、優先出走権を得たいらしい」



 今日の調教を終えた横川が俺に聞いてくるので答えた。



「はは、あの2頭は出てこないでしょうしファーの奴、ついに重賞勝利ですか」


「まだ確実にそうだと決まったわけじゃねぇ。2歳GIレースからのクラシック直行ローテは今だと当たり前にもなってるが、半分近くはどこかで前哨戦を挟んでる」



 例えば2歳王者リオンディーズ、ダービー馬ドウデュースが朝日杯FSから弥生賞を使っている。まぁ、この2頭は勝ってないがな。



「距離は2000m。前走と同じだ。勝って皐月賞へ弾みを付けるぞ」


「えぇ。所でフェイの方はどうなってます?」


「タガノフェイルドの方はマイル路線に進ませたいらしい。ホープフルSでロードクレイアスに負けたのが原因ぽいな」



 フェイのオーナーはクラシック路線……まだ勝ったことの無い日本ダービーを考えていたそうだが、今年は距離的にも無理だと諦めたのだろう。


 王道路線は調教で1度も勝てないステイファートムと対等に戦う2頭の化け物。そしてホープフルSでの直接対決での敗北。マイル路線に向かう良いキッカケになったようだ。



「うーん、2000mまでなら大抵の馬にも勝てると思いますが……確かに今年は無理そうですね。なら早ければGIII毎日杯。それかGIIニュージーランドT、GIIIアーリントンC辺りをステップアップにGIのNHKマイルCですか?」


「だな。毎日杯はNHKマイルCの前哨戦のイメージもあるが、皐月賞には挑めなかった春の上がり馬がそのまま日本ダービーに出走するために出すことも多い舞台だ。フェイなら……1800mならまず勝ち負けは出来るだろう」


「でもマイル路線を目指すのにわざわざ1800mを選ぶなんて……行けるなら2000mとの2階級制覇の夢も見たいって事か」


「そうかもしれん。アーリントンCは間隔が短いからあってもニュージーランドTまでにしたい。走るのは毎日杯とニュージーランドTのどちらかと考えておいてくれ」


「了解です」

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