表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/75

楽しい職場

――――ジリリリリリリr…………。


 朝だ……。


 けたたましい目覚ましの音が聞こえる。

 ああ……うるさい……鬱陶(うっとう)しい……。

 時刻は七時、二度寝するわけにもいかず、体を起こす。


「ああー……めんどくさい……だるい……しんどい……。」


 そんなことをついぽろっと言葉にしながらも、朝の支度を済ませ、職場に向かう。




「おはようございまーす。」


「おはようー。」

 同僚の何人かが返答をくれる。


 ああ、めんどくさ……働きたくないわ……。

 そんなことを考える。


「おはようございます!瀬濃さん!」

 可愛らしい声でそんな挨拶が聞こえてきた。

 目を合わせると、満面の笑顔だ。

 俺はなんだか嬉しくなる。


「あ、ああ、おはよう。相野さん!」

 精一杯元気に返したつもりだが、上手く返せただろうか?


「今日も頑張りましょうね!」


「ん?……ああ……そうだな……頑張るか!」

 仕方ない。

 相野さんにそんな風に言われたら、頑張るしかないじゃないか!


 といっても仕事内容はいつもと変わらず……。


 午前中。

 ……品出しをして、それが済んだら、お客様対応やらレジ打ちやら接客だ。


 休憩を挟んで午後。


「あの……瀬濃さん?」

 相野さんに呼ばれた。


「ちょっと聞いてもいいでしょうか?」

 もちろんだ。

 どんなことでも聞いてくれ。

 俺は包み隠さず、全て答えるさ。


「ん?どうかした?」


「えっと……この在庫の数、おかしくないですか?」


「いや、これはいいんだよ。そこにある在庫とは別に、倉庫にある在庫も数に計上されてるから、これであってるんだ。」


「あ、そういう事だったんですね!ありがとうございます!」

 なんて嬉しいありがとうございますなんだろう!

 もう、それだけで俺の今日の一日はいい一日だったよ!




「おつかれさまでーす。」


 そんな一日ではあったが、いつも通りの仕事を終わらせて、いつも通り帰宅する。


 今日も特別なことは何もなかった。

 いや、正直ちょっといいことはあったけど……。


 そんなことを考えながら、食事も風呂も済ませて眠りに就く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ