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次の依頼へ

「―――あ、おはようございます!今日も心地のいい朝ですよ!」


 目を覚ますなり、ベルの可愛らしい声が聞こえてくる。


「ご飯、できてますよ!さっそく食べましょう!」




 支度を済ませ、朝食を取りに行く。


 ローパーの一件以来、朝食が少しだけ豪華な気がする。

 加えて、ミオの様子も、より(つつ)ましやかというか……。

 いや、まぁ気のせいだろう。


 あの夜の翌朝、二人には様子がおかしかったことについて聞いてみたが、前日の夜のことはよく覚えていないと言っていた。

 まぁ、酒に酔っていたような状態だったわけだし、覚えていなくとも無理はない。

 むしろ、俺が意識し過ぎなのかもしれない。


「ごちそうさま。」


「おそまつさまです。」


 今日の朝食も美味しかった。


 さて……今日の予定はどうするかな……。


 結局、ローパー退治に使った弾丸を、補充するため購入したり、新しい装備品なども購入したりして、少しお金を使ってしまった。

 まぁ、そのローパー退治のおかげで、貯蓄にも多少の余裕はあるわけだが……もう少しくらい稼いでも悪いことはないだろう。


 一応、ギルドに行ってみることにしよう。




 二人を連れて、ギルドに入る。


 掲示板を確認する。


「――クラーケンか……今の装備なら、勝てないこともないか……。」

 ふと目に入った依頼を確認し、(つぶや)く。


 最近は、少し暖かくなってきているし、少し離れてはいるが、適当な町で一泊すれば行けない距離じゃない。

 それに、一度行っておけば、次は転送魔法を使って、遊びに行ってもいいしな。


 海での依頼というのも悪くはない。

 早めに倒してしまって、少し遊んでもいいのだから。


 ミオとベルにも確認し、同意は得た。

 ベルはむしろ少し楽しそうだ。

 まぁ、悪いことではないだろう。


 そうと決まり、一度家に戻り、支度を整え、すぐに家を出る。

 着替えや、念のための非常食なども揃え、転送できるように家の転送用の倉庫にぶち込んでおく。


 さらに、念には念を入れて、ミオとベルに武器になりそうな道具も渡しておく。

 万が一、魔法が使えなくなった時に道具を使って対処してもらうためだ。

 ミオがいれば回復には困らないし、ベルも回復魔法を使うことはできる。

 そして俺も使える。

 ただ、ミオが一番得意というだけの話だ。


 まぁ、ベルも最近では、ミオと並ぶ程度に回復魔法を極めている。

 どうやら、俺の知らないところで、二人で特訓しているらしい。

 逆にミオは、ベルに補助魔法を教わっているとか……。


 二人とも、もともと素質はあったのだ。

 ただ、最近色々あって、二人ともが使えた方が良いという結論に至ったらしい。

 俺もそう思う。


 そして二人ともが使えた方が、お互いがお互いを強化、回復できるため、生存率も上がるだろう。

 そんなことを知ってもいたが、念のため、回復のできるポーションと、火炎瓶、閃光弾と煙幕、一回限りの使用となるが、電撃の込められた短剣も渡しておく。

 突き刺せば、高電圧で短剣自体はバラバラになってしまうが、一時的に相手を(ひる)ませ、逃げることくらいはできるだろう。

 使わないに越したことはないが、念には念を入れておきたい。

 最悪の場合、二人だけにでも生き残って欲しいのだから。




 準備を終え、さっそく家を出て海に向かった。


 途中で、ゴブリンやスライム、ピーグルにも遭遇したが、割とあっさりと倒した。

 また、基本的には戦闘にならないようにも進んだ。


 そう、特別なことがなければ、これらの魔物はそこまで強いわけではないのだ。


 ピーグルに関しても、襲ってきたわけではないが、もしものための食料確保のために倒したに過ぎない。




 一泊するため、適当な町の宿屋に泊まる。


 海に近い町だった。

 宿屋の部屋は、二部屋借りた。

 俺一人で一部屋、ミオとベル二人で一部屋だ。

 三人で一部屋でも二人は文句を言わなかっただろうが、こういうところでケチるのもよくない。


 しばらく部屋でゆっくりしていると……隣の部屋からミオとベル、二人の楽しそうな声が聞こえてきた。

 何を言っているのかはよく聞こえないが、何やら楽しそうだ。


 宿屋は、そこそこお値段がしたこともあり、食事も出してくれた。

 お値段が高い分、建物の作りもしっかりしているので、騒がしいほどではないが、流石に隣の部屋の話し声程度は聞こえるらしい。

 二人とも、あまり騒ぎ過ぎるなよ。


 食事も入浴も済ませ、眠ることにする。

 隣の二人も、同様に寝る支度を整え、寝る頃合いだ。

 夜、ここまで顔を合わせないことはそうそうないので、少し寂しい気もするが、たまにはこうして二人だけの時間というのもあってもいいのかもしれない。

 そんなことを考えながら布団を被る。


 割とあっさり寝入ることができた。

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