曹操増殖計画と民主化
治世の能臣、曹操さんのすべてを書かせた教科書を使い、官吏を教育していく。
そして曹操さんに監査させて曹操さんに指導させる!
これぞ曹操増殖計画!
そのうち百官に曹操を学んだ人たちが並び、曹操として治世を支えていくことでしょう。
乱れたら一発で群雄割拠になるので、乱れないようにしないといけませんが。
さて、享年16の美少女悪役令嬢の董青です。
これからは何年たっても16歳のままなのでいいですね!
そろそろ次の子を作ろうと公明さんにお願いしてますが、なかなか許可が出ません……。
ほら、死んでるけどこんなに元気ですよ!
ダメですか?!
えっと、それはさておき、複製曹操さんたちが暴れださないように、乱世は防がなければいけません。
乱世の原因は外敵や反乱ではなく、民が飢えることです。
多少の外敵があろうと、民がきちんと食べられていれば大漢帝国の人口と国力でなんとかなるのです。
というわけで、河伯教団は今日も教育と医療、そして産業開発に勤しみます。
弁くん皇帝の政府は新田開墾を進めてくれていますが、人は米麦のみにて生きるにあらず。
衣料や家具、住宅に道具。副食なんかも必要なんですね。
今の政府に民間医療や民間教育の必要性を説明しても、名士たちどころか曹操さんに説明するのも一苦労です。
なんでも政府でやらずとも教団が慈善事業としてやっていけばいいですね。
今のところ、天下九州の13州。
あの、この九州というのは全国という慣用句で、13州あっても九州って言います。
まぁどっかの島国の九州も7-8県しかないので同じこと。
103だか105郡にすべて病院と学校を設置し終わりました。
次の目標として約1200の県城に展開しつつあります。
最終的には村単位で設置する予定ですが、先生を教育する先生が足りないレベルなので時間をかけて取り組みます。
これらの学校で学んだ人たちが織物や製鉄、道具作りや陶芸など様々な産業で活躍していき、生産量を引き上げているのです。
そしてただ作るだけではないです。新規性も必要。
皇帝の弁くん主催で「天下一工芸会」が開かれます。
これに漢全土の職人が新しい技法や産物を出展。
優秀者には爵位に加えて大金が与えられます。
その代わり、技法や作り方は書物にまとめられ全土に公開。新聞でも大々的に報道させます。
こうやって毎年職人たちが新しい技法の開発に取り組み、それが共有されることでさらに技術が進んでいきます。
儒教による「古に戻れ」縛りも取っ払いましたし、まぁあと100年か200年で産業革命が起こせるんじゃないかと思ってます。そうなればチンギスハンも怖くありません。欧州勢より早く国力を高めていけば、植民地化や阿片戦争も回避できることでしょう。
そして、大事なのはこれだけではありません。
乱を防ぐには腹を満たすこと。生活を満足させること。
最後に政治に参加させることです。
どんだけ追い詰められて怒ってる人たちでも、それが政治に反映できるならわざわざ反乱を起こさないわけです。追い詰められて怒ってるのにそれが政治に反映されないから戦うしかなくなる。
ならば戦う理由をなくせばいい。
今の教育が広く庶民にいきわたること。
また新聞で庶民に政治の情報が公開されること。
これが、今の弁くんの政治の「長老にご意見をうかがって大義名分を得る」というのと組み合わされば。
50~60年後には敬老民主制が導入できます。
最初は選挙権が70歳からになるので制限がかかりますが、すぐに広がることでしょう。
今の長老にご意見をうかがうのは、長老たちには政治経験がないので、あくまで庶民感覚で投票してるだけです。だから曹操さんの台本にのせられて操縦されているわけです。
これがきちんと教育を受けて新聞を読んでる人たちは自分で判断することができます。
儒教的に敬わないといけない長老たちが、しかも大勢が、一斉に政治に意見を伝える。
これこそ天の声といえるのではないでしょうか。
リハビリのため書いたチートなし転生転移なしファンタジーものです。
よろしければどうぞ。
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