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最強魔術師の英雄譚  作者: みゅ
第一章 師匠との思い出
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過酷な修行その1

冒険者登録をしてから3日が経っていた。この3日間は修行前の休暇と師匠は言ってた。


「もう休暇は終わりか。なんか、日本の三連休だな……」


一人で宿屋のとある一室のベッドで両腕を上にあげて気合い(?)を入れていた。そのあとにベッドから出て着替える。服というよりこの世界では装備と言った方がいい気がする。


毎日同じ装備、洗濯もなし。だがこれもいつもと違う生活をしている気分でいいと思ってきている。


装備はこのまえ武具屋で揃えたものだ。まだ耐久性に優れているのが不思議に思える。


「おーい。入るよー」


コンコンとドアを叩く音がする。たしか昨日、この時間に起こしに来るって言ってたことを思い出す。


「いいですよ、ヘルさん!」


キイイといういかにも古い感があふれている音が鳴り、徐々にドアが開く。待ちに待っていた修行メニュー公開のお時間だ。


「じゃあ、この紙を見てくれ」


部屋の真ん中に置かれているテーブルに腰掛けてなにかが書かれた縦長のA4サイズの紙を開いて置いた。


「えっと。これはなんですか?」


「そうだな。これは、修行の定期的にやることを書いた紙だ」


「なるほど」


紙に書かれた文字はこの世界独自の文字という分析で間違いないだろう。ちなみに、ここに来た時に確認し忘れていたこの世界の文字の認識度合いは、どこかで覚えてきたかのようにスラスラ読んだり書けたりできる具合いだ。


「うわ……。絶対こどもな僕には無理ですよ」


俺は首を横に振る。無理な理由は。


〜ヘル・マーキュリーの考えた修行方!〜


①とりあえず一日の最初は早起きから!そうしないと体がもたない。健康的にも悪い。


②朝食は必ず摂ろう。でないと、最初の修行をするのに苦しくなるから!


③昼になるまで魔術の詠唱練習。最初は詠唱するのに必要な文字数が少ない簡単な初級魔術から。こなしいてくうちによくなってきたら中級魔術、上級魔術と難度を上げていこう。


④昼休息。昼食は大事。昼休みはなし!昼を食べたらすぐに街を出てゴブリン退治。クエスト受注の必要皆無。僕が受注したのをやるだけだからね。ちなみに、僕と君は同じことをする仲間。つまり、バーティーということになっているからよろしく!


⑤最後に、暗くなったら街へ戻って剣を上手く扱えるようになるために素振りを行なうこと。この世界の主な武器は杖と言ったけど、たまに剣やら斧やらいろいろな武器を扱うことがある!その時がきた時のために扱いは慣れておこう。


「全部読めたかい?まあ、だいたいこんな感じにやるってことを覚えておいてほしい。あと、僕はちょっと用事ができたから一カ月はいなくなる。一カ月はこの方法をしっかりやっててほしい。それと、ここの宿代等の生活費はちゃんと君に渡しておくよ」


俺は困惑している。いきなり一カ月離れると言われても、まだこの世界のことを熟知しているわけではないからだ。ただでさえ、このまえ現れたヤバい連中だっているのに。


「きゅ、急に言われても困るよ!師匠には離れて欲しくない……」


テーブルを拳で叩きながら椅子から立ち上がって論争になりそうになる。


「たったの一カ月だよ。気にして欲しくないかな。僕も冒険者って身分だからさ、急に用事が入ることもある」


「そ、そうでしたね。取り乱してすみませんでした」


「取り乱すという言葉も知っているのか!とんだ天才君だね!」


この男。いつか必ず恩を仇にして返してやる。腹をかかえて笑うものだから余計にイラだってしまった。でも、一カ月なら、待っててもいいか。


「一カ月。ほんとに一カ月なんですよね?待ってます!必ず帰ってきてください」


「おうよ!僕の一カ月は……。絶対だから!約束は必ず守る」


そう言って師匠は部屋を出て行った。もう、言ってしまうのだろうか……。


俺に突如訪れた謎の不安感。これはいったい、なんの不安なのか。

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