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12 自殺少女はゲーセンを満喫する

色々満喫


「これがプリクラ、これがUFOキャッチャーで、あれがダンスゲーム、にメダルとか他にも色々あるけど恵は何か希望ある?」


店内をざっと見てからそう聞くと彼女は興味深そうにダンスゲームを見ていた。


「あれは、どうやってやるのですか?」

「画面に表示されたパネルを足で踏むリズムゲームだよ」

「あの、プリクラとはどういったものなんですか?」

「可愛く写真を撮るやつだよーん」

「あの子供達が集まってカードを使ってるのはなんですか?」

「ヒーローものの、カードゲームだよ」

「その隣の大人がいる女の子の絵のところもですか?」

「・・・まあ、そうだね」


流石に大人のお友達を説明はできないのでそうはぐらかすと彼女はふと、UFOキャッチャーのひとつを見てから駆け寄って中をじっと見る。中身は独特のウサギのぬいぐるみがあり、それを見ながらポツリと呟いた。


「可愛い・・・」

「お、さっそく格好いいところをアピールできるね、はっしー」

「取れなくはないだろうけど・・・まずはチャレンジしてみるべきだろうね」

「あ、あの、私やってみたいです」


そう言われたので僕はだいたいのやり方とコツを教える。すると・・・


「あ、取れました」

「おー!恵凄いね!」


あっさりと一回で取れてしまった。空間把握能力が高いのだろう。


「私はUFOキャッチャー苦手なんだよねー」

「ああ、大雑把だからか」

「ぶー、はっしーの意地悪」

「あ、あの私ばっかりじゃなくて二人は何かしたいのないんですか?」


そう聞かれるがゲームセンターにそこまでやりたいものはないので、どう答えるかなやんでいると、片倉が真っ先に挙手して答えた。


「なら、プリクラ撮りたい!三人で一緒に」

「いいけど・・・僕写真は苦手なんだよね」

「えぇ?なんでなんで?」

「客観的に自分を見たくないからかな?」

「そうなんだ。まあ、拒否権はないけどねーん」


だったら聞くなよと思いつつ三人でプリクラを撮るが基本的に操作は全部片倉がやったので僕と彼女はほとんどなにもしてない。出来上がった写真を見てから片倉は頷いて言った。


「うん、次は恵とペアで撮ろう」

「遠回しな嫌みかな?」

「まさかまさか、二股してるハーレム男みたいでイラッとするだけだから大丈夫だよーん」

「の、のぞみくんはそんなことしませんよ!」

「わかってるってば。恵は本当にはっしーのこと好きだねー」


そんな風にしてゲームセンターでの時は過ぎていく。その後に音ゲーなどをやっていたらあっという間に時間になってしまったので俺は先に夕飯の買い出しに行くのだった。





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