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捨て子からの異世界転生  作者: ほっかいろ
5/12

お城に帰って

「ユイ様!」


 あれから一時間。町の人に場所を聞きながら歩き、また聞いて歩き。たどり着いた時には、もう、一時間は歩いていた。


 ついたら、門番の人がなんの躊躇いもなく通してくれた。と、いうか、馬車を持ってきてくれた。領地まで距離があるからだって。なんか申し訳ないな。

 で、お城に入った瞬間、バンカさんに凄い形相で腕を掴まれ部屋に入り、バンカさんとカミラさんにめちゃくちゃ怒られた。かと思うと、執事さんがノックもなしに入ってきて今に至る。


 「い、い、いいいい一体何をしてたのですか!?」


 大丈夫かな、口。いや、頭?


 「もう十分ですよ。私たちが叱っておきました。叱りすぎてはいけませんよ、彼女はまだ子供なんですから。」


 カミラさんがフォローしてくれた。うん、もう小一時間説教だったしこれ以上は無理。


 「いえ、そういうことではありません、カミラ様。」


 全員良くわからない顔だったので、執事さんが続けた。


 「ユイ様は、本当に音属性だったのです。双属性、双属性なんです!」


 興奮する執事さんに、


 「遺伝違いって事もあるだろ。」


 と、バンカさんが言い放った。


 「あの、双属性とか遺伝違い、ってなん、、、、、」

 「そ、そうかもしれませんけど、それより大切なのはここからですよ。この子は、この子は天才ですよ!」


 あ、抜かされた。


 「いますぐピアノ室に行きましょう!」


 まだ興奮が収まらない執事さんは、扉をばん、と開けてずかずかと歩いて行った。

 この人、たまにネジが外れちゃう事があるんだね。


 「あの、ところで、双属性とか、遺伝違いって何ですか?」


 執事さんを追いかける二人に聞いてみる。


 「ああ、双属性っていうのは、その名の通り二つの属性をもつ人の事。双属性者っていうんだけどね。あと、遺伝違いっていうのは、まず違う遺伝の人同士が結婚するのも稀なんだけどね。たまに違う属性が結婚すると、より強い精霊に認められてる、というか、よりついている精霊の数が多い方の属性の遺伝になるんだよ。髪の色とか目の色とかも、そっちの属性から引き継ぐ。でも、たまに持ってる属性と、髪や目の色が違う子が生まれるんだよ。それが遺伝違い。」


 「へえ、でも、付いてる精霊の数、っていうけど、精霊って付いてきたりするんですね。」

 「ああ、私達には見えてるんだよ。初級に上がれば、見えることができるようになるんだけどね。」

 「ええ、そうなんですか?」

 「そうだよ。ところで何があったんだい?」

 「あ、あの、、あ、着きましたよ。」


 苦し紛れに走ってピアノ室の扉を開けると、


 「さあさあ、ユイ様、こちらへ。」


 と、ピアノに座らせられた。


 「弾いてください。早く。」


 正直あんな下手くそな曲は弾きたくないんだけど、、、。


 「あの」

 「早く!」


 しょうがない、よね。っていうかさ、五歳が英雄ポロネーズはちょっとおかしかったよね、、、。カエルの合唱にでもしようかな?テクニックほとんど使わないし。でもな、どっちにしろ執事さんに見られちゃってるしな、でも、指が弱いからな、、、、。


 「ユイ様!早く、どうぞ!」


 いや、急かさないでよ、、、、。仕方ないから、指の弱さが目立たないようにパラパラ弾くところをくっつけて弾いてみようかな。


 ミ、、、、、、、、、。




 まぁまぁ目立たなくなったかな、、、、?


 

 「こ、これは、、、。」

 「いったい誰の曲なんだい?」

 「素晴らしい曲ですね。なぜこのように有名になっていないのでしょうか?」

 「ショパンの、英雄ポロネーズですよ?」

 「ショパンとは?」


 この瞬間、ひらめいた。あ、この世界にはいないんだ。

 ど、どうしよう。アンダンテ ハ長調 K. 1aでも弾いてたら少なくともモーツァルトと同じだったんだけどなあ。

 あ、そういえばもう弾けなくなってるかも。小学生の頃に弾いたやつだからなー。なんて場違いな事を考えていると、


 「ユイさん、これはどういうことでしょうか?」

 「こんな難易度の高い曲を、どうして弾けるんだい?」

 「誰に教わったんですか!?」


 おお、質問攻めにされてしまった。えっと、ど、どうしよう。取り合えずなんか通用しそうな言い訳を、、、、


 「あの、お母さんに教えてもらったんです!」


 ごまかせるか、、、?本当の事、つまり、異世界から来た、何ていったら魔女狩りか何かになるかもしれないし、、、、。あああああ!ごまかせなかったらどうしよう!!!


 「そんれは嘘ですよね?きっと遺伝違いによりあなたは捨て子になったと考えられます。あなたにこんなピアノの才能があると知って捨てる親などおりません。それに、ご両親のことは覚えていないのではありませんか?」


 や、やばっ

 あ、ここはファンタジーの世界なんだし、ファンタジーっぽく言えばいいよね?そういえば、この世界は精霊がいるんだよね?じゃあ、、


 「じ、実は、嘘なんです、でも、精霊が、言うなって言ってたから、、、、」


 こんなのどうだろう?

 え?マズかった?そんな険しい顔しないでください。あれ、もしかして精神病院送りにとかならないかな。


 「精霊のお導きですか、、、」

 「つまり、今のあなたは、音属性も入ってしまったわけですか。森で精霊に会ったわけですね?」


 よくわかんないけど、とりあえず同調しとこ。


 「そうです!そうです!森で会ったんです!」

 「そ、双属性ですね!そういうわけですね!」


 執事さんが暴走し始めた。


 「私達に精霊が見えないということは、もしや上級精霊が憑いているのでしょうか?」


 こ、怖!憑くの!?精霊に憑かれるの?


 「あの、精霊に憑かれたらど、どうなるんですか?」

 「え?知らないのかい?魔法が使えるようになるんだよ。」

 「それっていいことなんですよね?」

 「当たり前じゃないか。」


 おー、魔法使えるのか。なんで憑くっていうんだろ。あ、それなら、私も魔法使えるの?何それ?めっちゃ楽しそうなんだけど!


 「どうやって、魔法使うんですか?」

 「精霊にやり方を教えてもらうんだ。」

 「どうやって?」

 「君の周りに精霊がいるだろう?」


 え?いるの?慌てて周りを見渡す、、、、、。い、居ないよ?


 「あ、あの、精霊なんて、見えないんですけど、、、、?」


 「でも私も精霊なんて、、、。」


 「見えません」という言葉を寸前で飲み込んだ。この言い訳以外、もうどんな言い訳をしても信じてもらえないだろう、、、、、。


 「とにかく、そのひとに、お願いするんですよ。でも今はやらないでくださいね。上級精霊が憑いているとしたら、大変なことになりますから。」

 「それじゃあ、ピアノの練習のほかに、魔法の練習もしなきゃね。上級精霊が憑いているんだ。一つ間違えれば大災害になってしまうよ。」


 二人は私に魔法を使うな、と釘を刺した後、二人で学園がどうのこうのと話し出した。


 皆でわいわい話してるんだけど、私はどうしよう?精霊に会ったって言っちゃったしな、見えないだなんて言えないな。うーん、みえるように、うーん、あ、見えなくても声は聞こえたりするかな?確かテレパシーが使えるんだったよね。、、、、、何も言聞こえない、、、。


 もういいや、バンカさんか誰かに教えてもらおう。


 今、気絶した振りでもして、「事故のショックで~」とか言っちゃおうかな。いや、もうこれ以外手がないと思うんだけど。やろうかな?でも絶対ボロ出しちゃってバレるだろうな、、。


 「バン!」


 ノックもなしにドアが開き、ある男の人が空気から、ドラゴンらしき首出した。


 「領主様!狩れました!例のあいつです!」


 異臭を放つドラゴンの頭から、血がぽたぽたと落ちる。ドアのすぐ近くにいた私には、そのギョロッとした目が良く見えた。次の瞬間、吐き気と共に気を失った。

 









 「大丈夫でしょうか?もう夜になってしまいましたよ。」


 執事さんのその言葉で目が覚めた。

 あれ?ここは、あ、そうだ、ドラゴンの頭が、、、、、

 想像すると、強烈な吐き気がしてきた。あんまり残酷な感じでもなかったんだけど、匂いのせいだろうな。?ファンタジーゲームにはああいうの出てくるし、ただの釣りたて生魚をさばいた時の匂いを強烈にしたようなものだったし、多分、この体が弱いんだろうな。前世で倒れたことなんてないよ。


 まだだるいな。この執事さんに付き合ってたら気力がなくなりそうだからもうちょっと寝よう。

 あれ?今って、絶好のチャンスなんじゃない?「事故の後遺症で、精霊が、、、」

 とか言えそうじゃん!もうちょっと寝てようと思ったけど、このチャンスは逃さない!善は急げ、だ!今やろう!


 私は起き上がった。


 「ユイ様!お目覚めになられたのですね!」


 興奮している執事さんを放っておいて、ショックなふりをする。


 「あ、あれ?なんで?せ、精霊が、、、見えない!」


 こんなんでどうでしょうか?

 チラッと横を見ると、口をあんぐり開けて、ちょTT、、、かなり気持ち悪い顔をした執事さんが、


 「なんということでしょう!奥様!」


 といってどっかに行ってしまった。はぁ、この言い訳、通じるかな?


 内容がバラバラで読みにくくなっちゃいました。

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