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~1日目終了~


しかし、可能性があるのはいいが一体どうすればいいのだろうか。そこまでは分からないと言うドロシーの前で健治はじっと考えていた。


「健治さん。」


そんな表情を見てドロシーは少しふわっと微笑むと


「できる限りですが、私も協力するので何かあったら私を呼んでくださいね。」


と言い、右手を差し出した。健治は少し表情を明るくして、応えるように右手を出した。


「よろしくお願いします」


やり取りが終わり、フミヤとギルドの外に出た健治は空がもう朱色に染まっていることに気づいた。どうやら、結構中で話していたらしい。今日は1日だけ滞在すると決めていたのでそろそろ現実に行こう。


「俺はそろそろ帰るけどフミヤは?」


そう問いかけるとフミヤは腕を組みながら考え


「俺もそうする!!宿とろうよ!!」


と言った。どうやら健治と一緒に泊まる気でいるらしい。宿のことはさっぱり考えていなかったので一旦2人はギルドへUターンしてから宿の場所を教えて貰った。徒歩10分位のところに中くらいの小綺麗な宿があり、値段も手頃だった。そして何よりそこの看板娘がとても美人でフミヤはそこが1番気に入ったようだった。そんな様子に健治は苦笑いしつつも鍵を受け取り


「お2階の205号室になります。」


という説明の元、階段を上がった。ドアを開けると左手に机と椅子が置いてあり、何か書いたり食べたりできるようになっていた。冷蔵庫も一応あったが普段のようなものではなくゲーム世界らしく氷の魔法石で出来ていた。右手にはベッドが二つあり…あれ?そこで健治はある違和感に気づく。


「なんでお前と一緒に寝るんだ!?」


フミヤはえへへっと頭をかいた。


「だって寂しいじゃんー」


健治は、はぁとため息を漏らして、結局


「しょうがないなぁ」


と、部屋へ入っていった。夕飯はフミヤがいつの間にやら買ってきていたパンや、干し肉を食べることにした。少し質素だなと思ったが、これはこれでなかなか趣深い。フミヤも同意見のようでずっとニコニコしていた。逆に気持ち悪い。チャッピーは健治が道中で拾ったたんぽぽのようなものをあげようとするといやいやと首を振ったので試しに干し肉をあげると勢いよく食べた。


「おいおい。チャッピーて肉食なのか…?」


「この世界っぽいじゃん!!」


逆に怖い。食べ終わったところでそそくさと寝る準備をすると、フミヤと挨拶を交わして『セーブボタン』を押した。すると、来た時のような足が中に浮かぶ感覚がして、トンっと床に着地すると健治はいつもと変わらないリビングのパソコンの前に座っていた。


「ふぅ。」


特に、体に異常はなく安心した。漫画とかであるデス・ゲームだと帰れなくなるやつだったらどうしようかと思っていたが中の世界も面白いしとても満足した。明日も朝早く起きて仕事に行かなくてはいけないが、帰ってこのゲームをするのを楽しみにしていよう。健治は、おじさんっぽく


「よっこらしょ」


と言いながら席を立ち寝室へ向かった。

やっと、1日目が終了しました。しかし、現実世界ではまだ1時間しかたっていません。なんて不思議なことでしょう(笑)

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