~渋谷のフミヤ~
しかし、困ったことがおきた。ゲームといえばレベルを上げるのが最重要事項なのだ。
「きゅ?」
いやいやいや、だめだ。昔から動物が好きだった俺がこんな可愛いやつ消滅させられるわけない!
「まずは、ギルドとか言ってみるかー」
なにか知ってるかもしれないといった期待を持ちつつ、ギルドに向かうことにした。
「それにしても人多いなー。」
さすが新作ゲームだ。人の混み具合が物凄かった。ギルドのドアには長い行列ができ、これではまるで渋谷のスイーツ店だ。
「ねぇ、そこのお兄さん!この感じ渋谷っぽくないっすか?」
行列の様子を見ていると前に並んでいた金髪のチャラそうな男に話しかけられた。まるで心を読まれたような発言に健治は心臓が飛び上がりそうになった。いや、体は飛び上がった。
「やだなぁお兄さん。そんなに驚かないでくださいよー。あ、俺フミヤっす!」
フミヤと名乗る男は馴れ馴れしく肩を組んでくる。
「俺、ケンジ」
とっさにフミヤの手を振りほどいてしまうが名前はきちんと答える健治だった。
「ケンジっすね!俺のこともフミヤってよんでね!」
いきなりタメ口を使いだしたフミヤに苦笑しつつも
「考えとくよ」
と、健治も返事を返すのだった。
チャラいフミヤとコミュ障の健治。面白いコンビになりそうですね♪